家賃の管理表をExcel(エクセル)で作成する流れを解説|テンプレートも紹介

投稿日 : 2021年11月11日/更新日 : 2023年04月10日

「紙の家賃管理は面倒……。何とかして自動化させたい」

このように思っている方におすすめの方法として「Excel(エクセル)」による家賃管理が挙げられます。

関数や条件付き書式などを駆使すれば、分かりやすい管理表を「無料で」「手軽に」作ることも可能です。

今回はエクセルを使った家賃管理用の作り方と、どうしても「できない場合に使える便利なソフト・サービスを紹介します。

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Excel(エクセル)を使った家賃管理表の作り方

左手 キーボード

各列に必要情報を入力する

エクセルで管理表を作る場合、まず管理表を作成したい範囲をドラッグして選択し、「ホーム」の「罫線」で表の土台を作成します。

管理表1

 

次に、大枠の最上段の行に、管理したい情報を列ごとに入力していきましょう。

今回は必要最低限の情報として、以下の情報を記載します。

  • 物件名
  • 部屋番号
  • 契約者名
  • 家賃
  • 共益費
  • 合計金額
  • 入金日
  • 入金額
  • 滞納しているか・していないかの判定

その後、物件の情報や入居者の情報を入力すれば管理表らしい形になります。

管理表2

家賃滞納していないかの判定を計算式で組む

家賃の入力が行われたか未納であるかは、目視の確認では見落とす可能性があります。手入力でもミスする可能性がありますから、自動に結果が表示されるように計算式を組みましょう。

「完全に入金された場合=〇」「一部でも未入金=×」とひと目でわかるようにしましょう。

詳しい説明は後ほどしますが、以下のような計算式を「滞納」のセル「I2」に入力しましょう。

=IF(H2=””,”×”,IF(H2=F2,”◯”,IF(H2<F2,”△”)))

この計算式の意味を日本語に直すと、以下のとおりです。

  1. 何も入力されない→×が表示される
  2. 全額が入力された場合→〇が表示される
  3. 入金額が不足している→×が表示される

使用する関数

今回紹介する管理表は非常にシンプルなもので、最低限の関数だけで賃貸管理が可能です。

使用する関数は以下の2つです。

いろいろな仕事に応用できる関数ですから、基本的な考え方や使い方をこの機にマスターしましょう。

SUM関数

家賃と共益費の合計金額を計算するには、F2に「=D2+E2」と入力する必要があります。

ただ、毎回手作業で入力するのは大変です。数が少ないうちはそれでもいいでしょうが、数が多くなればそれもできなくなります。

作業の自動化・効率化に使うのが「関数」です。なかでも「SUM関数」は足し算を自動的に行ってくれる基本的な関数です。

合計額のセルF2にカーソルを合わせ、「ホーム」の右側の「オートSUM」から、「合計」を選択します。

あとはエンターを押せば、自動的に計算結果が表示されます。

管理表3

また、関数はドラッグすることで他のセルにコピーすることも可能です。

計算結果が表示されたセルの右下にマウスを持っていき、カーソルが十字になるところからドラッグすると、それぞれの行の計算結果が自動的に表示されます。

IF関数

IF関数は、「その結果が真(True)の場合は真の場合の値を返す。偽(False)の場合は偽の場合の値を返す」計算式です。

要は「Aの場合は〇、Bの場合は×と表示する」ということですね。

今回紹介したとおり2つのIF関数を組み合わせて、

=IF(H2=””,”×”,IF(H2=F2,”◯”,IF(H2<F2,”△”)))のように使うことも可能です。

この場合、「未表示なら×」「全額入金なら〇」「一部入金の場合は△を表示する」という3つの選択肢に分岐ができています。

管理表4

「〇か×か」という単純な二択ではなく、使い方をマスターするとさまざまな条件を任意に設定して複雑な表示も可能になります。

未入金の場合にはセルに色付けすることも可能

家賃がそもそも未入金の場合は督促が必要ですから、絶対に見逃しは禁物です。

そこで未入金の場合はセルに色を付けるようにするのをおすすめします。

エクセルの「条件付き書式」を使えば、未入力のセルだけ色を塗ることもできるようになりますよ。

  1. 条件付き書式を使いたい部分をドラッグして選択
  2. 「ホーム」の「条件付き書式」をクリック
  3. 「新しいルール」をクリック
  4. 「指定の値を含むセルだけを書式設定」をクリック
  5. 「セルの値」で「空白」を選ぶ
  6. 「書式」をクリックして「塗りつぶし」で任意の色を選択する

こうすることで、未入金の箇所に色付けして見逃しを防ぎやすくなります。

管理表5

 

管理表6

入金されたことを確認して「入金額」が埋まった場合は、色はなくなります。現在進行形で未入金の人だけ色付けできるのがメリットです。

Excel(エクセル)での家賃管理が難しい場合の対処法

悩む女性

家賃管理エクセルのテンプレート・フリーソフトを使う

インターネット上ではすでに関数などの計算式が入力されたエクセルのテンプレート・フリーソフトが見つかります。

  • 自分で管理表を作成するのが面倒
  • 関数をどうやって入力すれば良いのか分からない

このように感じている人は、無料ソフトやテンプレートをダウンロードしてみるのがおすすめです。

無料ソフトを参考に、オリジナルの管理表を作るヒントにすることもできますね。

おすすめの無料ソフト:Excel_管理ナビ

ネットで調べると、いくつかの家賃管理テンプレートが見つかります。

たとえば「Excel_管理ナビ」。

家賃の集金業務に特化したテンプレートで、家賃集金業務につきものの「水道計算」が自動化されたものです。

「水道メーター入力」のシートで使用水量を入力していくと、上下水道の料金が自動計算されます。

「水道料金表」のシートについては市町村ごとに料金が異なることから、ほかの市町村の料金表を入力することも可能です。

「年間家賃等管理表」のシートを活用すれば、家賃の入出金も併せて管理できます。

家賃管理の有料ソフトの導入を検討する

エクセルでの管理でうまくいいかない原因の1つが、「関数が理解できない」点です。

紹介したように、管理表を自作するには「IF関数」「SUM関数」「VLOOKUP関数」などの知識が必要不可欠です。

もし管理表を刷新してもっと便利に使用したい場合、組み上げた関数をイチから考え直す手間も必要です。

有料ソフトやサービスでは、自分で関数を使って管理表をくみ上げる必要はありません。

必要項目を入力するだけで、エクセル形式で管理表を作成できます。

おすすめの家賃管理サービス①賃貸革命クラウド版

賃貸管理ソフトである賃貸革命10のクラウド版としてるリリースされているのが「賃貸革命クラウド」です。

入退去管理・契約更新・請求・入金・滞納特則・オーナー送金まで、すべてをクラウド上で一括管理できるシステムです。

別サービスとの連携で、入居申し込み業務の非対面化まで実現できます。

IT導入補助金2021の対象でもあり、最大で450万円の補助金交付が受け取れる点も見逃せません。

【リンク】賃貸革命クラウド版

おすすめの家賃管理サービス②ReDocs(リドックス)

ReDocs(リドックス)は、家賃の更新からオーナー精算まで1つでOKのクラウド賃貸管理ソフトです。

エクセルや紙での賃貸管理でよくある問題を解決できるサービスを多数提供しています。

例えば「シンプルで使いこなしやすいデザインと操作性」の部分です。

エクセルでの家賃管理はパソコン・エクセル・マクロ・不動産管理業務・簿記など、あらゆる知識を持っている前提で成り立ちます。

ReDocs(リドックス)なら、操作性の高いデザインで入社直後の社員でも簡単に利用できます。

物件情報や契約者情報などバラバラで管理されていたようなデータでも、リドックスならデータベースで一元管理が可能です。

必要な情報を簡単に、いつでも引き出すことができます。

パソコン・タブレット・スマートフォンのいずれにも対応するほか、Windows・Macのどちらでも利用可能です。

【リンク】ReDocs(リドックス)

紙による家賃管理の問題点

紙での管理

家賃に関して自主管理している大家さんや紙面を利用して管理している小規模の不動産業者では、以下のような悩みを抱えていることがあります。

  • 未収金の把握が大変
  • 正確な収支の把握のための計算が面倒
  • 家賃管理に時間がかかりすぎる

そこで、家賃管理を行うために便利なソフトを使うのがおすすめです。とはいえ「管理にはできるだけお金をかけたくない……」と考える人もいるでしょう。

必ずしも高額な導入費用や月額料金を払わずとも、家賃管理はできます。

たとえばofficeソフトの1つ「Excel(エクセル)」です。

管理する人数が少ないならExcel(エクセル)による家賃管理は可能

エクセルでの管理

不動産業界に限った話ではありませんが、ビジネスを進めるにあたってofficeソフトの利用頻度はかなり高いです。

事務や経理の人間であれば、ある程度のエクセルの知識は持ち合わせているでしょう。

エクセルには関数やマクロといった機能があり、使いこなせば市販されている家賃管理ソフトに近い機能を自作することも可能です。

実際に、エクセルがベースになっている家賃管理ソフトも見かけられます。

自作できれば価格は無料で、有料サービスと違ってノーコストで物件管理もできます。

賃貸物件管理の事業を立ち上げて間もなく、管理戸数が少ない状態であれば、とりあえずエクセルで管理表を作ることは可能です。

まとめ

エクセルには関数を始め、作業を効率化できるしくみが詰まっています。

上手に活用することで、家賃管理業務を大幅に効率化させることも可能でしょう。

ただ、十二分に活用するには関数・マクロなどの知識が不可欠です。

「自分には難しい」「自社にエクセルに強い人材がいない」と思ったら、無料のテンプレートや有料の管理システムの導入も検討しましょう。

特に有料の管理システムは家賃管理だけでなく、オーナー送金や契約関係まで一括管理できますから、業務を大幅に効率化させることも可能です。

質の高い不動産業務を提供するためにも業務効率化は必須といえます。「いえーるダンドリ」なら住宅ローンに関する業務を代行することができ、業務効率化を図ることができるので、ぜひご活用ください。

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。