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注文住宅を建てる流れとは?お客様に選ばれる業者になるためのコツもご紹介

投稿日 : 2024年03月04日
注文住宅を手掛ける立場にある住宅事業者のなかには、いかにしてお客様と信頼関係を築けばよいかを知りたいと感じている方もいるでしょう。 注文住宅が完成するまでの流れをご説明し、お客様から選ばれる業者になるためのポイントをご紹介します。

新耐震と旧耐震のメリット・デメリットを解説!結局どっちを選ぶべき?

投稿日 : 2024年02月05日
家や投資用不動産を購入する際、新耐震基準で建てられたものと旧耐震基準で建てられたもののどちらを選ぶかは重要な問題です。 なんとなく新耐震基準のほうがよさそうと思うかもしれませんが、実際はそんな単純な話ではないので注意が必要です。 今回は、新耐震・旧耐震の特徴からそれぞれのメリットデメリットについて解説します! 旧耐震基準と新耐震基準の違いは? 最初に、旧耐震基準と新耐震基準との違いについて、以下の4つの観点から詳しく解説します。 耐震の性能基準 旧耐震基準は、1950年に制定された建築基準法をもとに定められています。震度5程度の地震までなら修復可能で、倒壊はない想定です。 ただし、これだと震度6~7の地震に耐えられるかはわかりません。そこで、1981年に建築基準法施行令の改正が行われ、震度6~7の地震でも倒壊せず、震度5強程度までであれば軽度なひび割れにとどめられるよう、さらに規制が強化されました。 しかし、1995年1月に発生した阪神淡路大震災により新耐震基準の建物も多くが倒壊したことを受け、2000年にはさらなる改正が行われました。この際、地盤調査の規定が強化され、地盤の耐力に応じた建物構造にするなど、さまざまな変更が盛り込まれています。 構造 旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しないことを前提に設定されていました。 これに対し、新耐震基準では震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されています。 技術的には、構造部材に地震の揺れが加わった際に生じる応力(物体の内部に生じる力の大きさを示す物理量)が一定水準以下であることが求められます。 また、一定規模以上の建物であれば靭性(構造物や素材または部材の強度、ねばり強さ)も確保しなくてはいけません。ハウスメーカー、建築会社はそれぞれ、工法に工夫を凝らし、新耐震基準が求める耐震性を達成できるようにしています。 耐久性 旧耐震基準により建てられた建物より、新耐震基準により建てられた建物のほうが、耐久性は高くなっています。 より震度の大きい地震でも倒壊しないことを前提に建てられる以上、相応の強度を有していると考えられるためです。 ただし、旧耐震基準により建てられた建物であっても耐震改修工事を施すなど適切なメンテナンスを施すことで、長期間利用できるようになります。 保険料 旧耐震基準により建てられた建物の場合、保険料は新耐震基準により建てられた建物より高めです。 倒壊など、トラブルに巻き込まれるリスクが高くなる以上、保険料にも反映されます。 新耐震か旧耐震かを見分けるポイントは? その建物が旧耐震基準・新耐震基準のどちらで建てられているかは、建築確認(着工前に行う建築計画の確認)を受けた日付により確認できます。 1981年5月31日以前であれば旧耐震基準、同年6月1日以降であれば新耐震基準と考えて構いません。 新耐震のメリット 新耐震基準で建てられた建物にはさまざまなメリットがあるので、詳しく解説します。 耐震性能が高い 新耐震基準で建てられた建物は、耐震性能が高くなっています。 前提として、建物の耐震性能は、耐震等級で判断することが可能です。震度5強の地震で著しい損傷がなく、震度6強から7の地震でも倒壊・崩壊しないレベルが耐震等級1とすると、耐震等級2はその1.25倍の耐震強度を有しています。 さらに、耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の耐震強度を有する建物です。震度6強から7の地震では、壁にひびが入るなどの被害はあり得ますが、基本的に倒壊・崩壊しないと考えて構いません。 建物が丈夫で持ちがいい 前述したように、新耐震基準で建てられた建物はかなり強い地震でも倒壊・崩壊せず、雨にも強いため、長持ちします。ただし、定期的なメンテナンスは必須である点に注意が必要です。 フラット35の利用が可能 新耐震基準の住宅であれば、フラット35が利用可能です。 フラット35とは、住宅金融支援機構と民間の金融機関が共同で提供する固定金利型住宅ローンを指します。 利用にあたってさまざまな条件が設けられていますが、住宅の耐震性に関しては「建築確認日が昭和56年6月1日以後であること」でなくてはいけません。 ただし、旧耐震基準で建てられたものであっても、耐震評価基準などに適合していれば利用できます。 住宅ローン控除が受けられる お客様が住宅ローン控除を受けることを希望されている場合は、新耐震基準で建てられた住宅を前提に考えていただくことになります。 住宅ローン控除の要件の中に「昭和57年以後に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)であること」が定められているためです。 ローン審査時の担保評価額が高くなる 新耐震基準で建てられた建物は、旧耐震基準で建てられた建物よりローン審査時の担保評価額も高くなります。 一般的に、担保評価額は周辺の同程度の物件の売価や築年数・構造を踏まえて決定される仕組みです。そして、旧耐震基準で建てられていることが、担保評価にあたっては大きなマイナス要因となります。 お客様の安心感や満足度が高い 新耐震基準の物件は、お客様の安心感や満足度も高くなっています。 前述したように、新耐震基準の建物は一定水準以上の耐震性、防水性を有した建物であり、寿命も長めです。築年数がある程度経過していても使う分には問題がない建物であるため、安全かつ快適に住み続けられるでしょう。 また、メンテナンス費用も抑えられるため、長期的に見ればお得になる可能性も高いです。 新耐震のデメリット 一方、新耐震基準で建てられた建物には以下のデメリットもあります。 物件価格が高い 新耐震基準で建てられた建物の場合、築年数が浅いことも多く、当然物件価格も高くなりがちです。 ただし、旧耐震基準で建てられた建物に比べると修繕にかかる費用が抑えられるため、修繕積立金も安くなります。全体としてかえって安く済むこともあるため、総合的に判断しましょう。 新耐震だからと言って災害に強いとは言い切れない 新耐震だからと言って災害に強いとは言い切れない点にも注意が必要です。平成28(2016)年4月に発生した熊本地震では、新耐震基準の木造建築物が83棟(全体の10.9%)倒壊しています。 旧耐震基準の木造建築物の倒壊数214棟(全体の28.2%)に比べると格段に低いですが、それでも絶対に倒壊しないとは言えません。 なお、倒壊した新耐震基準の建物について被害要因分析を行ったところ、接合部の仕様が不十分であった建物が多く倒壊しているというデータがあります。 新耐震基準導入後に建てられた建物であっても、平成12(2000)年6月以前に建てられたものは、接合部や耐力壁が現行の基準を満たしていない可能性があるため注意が必要です。 旧耐震のメリット 旧耐震基準で建てられた建物にも、一定のメリットはあります。 物件価格が安い 旧耐震基準で建てられた建物は、物件価格が安いことが多いです。 旧耐震基準は1981年(昭和56年)5月31日までに建築確認を受けた建物であるため、相応の築年数が経過しています。築年数が古いほど価格は安くなるので、安い物件を求めているならメリットになりうるでしょう。 立地がいいことが多い 旧耐震基準で建てられた建物は、立地がいいことが多いです。 一大ターミナル駅の近くなど、新築もしくは築年数が浅い物件を見つけるのが難しい地域であっても、旧耐震基準の建物なら見つかることはあり得ます。「どうしてもここで住みたい」という希望があるお客様に対し、あえて提案するのも選択肢の1つです。 旧耐震性のデメリット 旧耐震基準で建てられた建物のデメリットにも注意しましょう。 改修に高額なコストがかかる そもそも、旧耐震基準で建てられた建物の場合、築年数も長く、相応の改修をしないと住めないのは往々にしてあり得ます。 住めるようにするための改修費用を加味したら、築年数が浅い建物を買ったほうが安いという可能性もゼロではありません。 トータルで見た場合にどれぐらい費用がかかるかは常に意識し、お客様にも判断材料として提供しましょう。 耐震性能に不安を感じるお客様も多い 旧耐震基準というだけで不安を感じるお客様も一定数います。 実際は、旧耐震基準で建てられた建物であっても、新耐震基準に照らして一定水準以上の耐震性を有していれば問題なく使うことは可能です。 不安を感じているお客様には「耐震性に問題がなければ新耐震基準の建物と同じように使える」ことを知らせましょう。 保険料が高い 旧耐震基準の建物の場合、火災保険に加入することはできますが、新耐震基準の建物に比べ保険料は割高になります。崩壊・倒壊などのトラブルに巻き込まれるリスクが高いためです。 ただし、耐震診断または耐震改修により新耐震基準の建物と同等の耐震性が確保されていれば、保険料は割り引かれます。 建物の老朽化(いずれは改修をしなければいけないリスク) 新耐震基準・旧耐震基準を問わず、建物を使い続けるためにはメンテナンスが必要です。 特に、旧耐震基準の建物は古い以上、将来的に大規模な改修が必要になる可能性が高く、その費用を確保できるかも問題になります。 前述したように、トータルで見た場合新耐震基準の建物を選んだほうが安い可能性もあるため「いつまで使い続けたいか」を踏まえ、シミュレーションをしてみましょう。 旧耐震の建物をうまく活用する方法は? 旧耐震基準の建物を活用する方法は、以下の2つです。それぞれにメリット・デメリットがあるので意識しましょう。 建物の耐震補強やリニューアル 旧耐震基準の建物であっても、適切な耐震補強やリニューアル工事を施すことで、長く使い続けることが可能です。耐震補強工事の方法としては、壁の増設、基礎の補修、屋根の軽量化、金具の設置などが考えられます。 なお、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が2018年8月21日に発表したデータによれば、旧耐震基準の建物の耐震補強工事の平均費用額は182万9,944円とのことでした。 実際の費用は建物の広さや状態によっても左右されますが、一つの目安にしましょう。 建物そのものの建て替え 改修工事費用が大きくなりそうなら、思い切って建物そのものを建て替えるのも選択肢に入れましょう。 ただし、現状の建物を取り壊さないといけないうえに、その土地の用途地域によっても建てられる建物に制約が加わることがある点には注意が必要です。 新耐震と旧耐震、ぶっちゃけどっちを選ぶのがお得? 新耐震基準・旧耐震基準の建物のどちらを選ぶのがお得かは、ケースバイケースです。 新耐震基準の建物は、取得時にはお金がかかりますが、ランニングコストは旧耐震基準の建物の場合に比べると安上がりになるでしょう。 旧耐震基準の建物はその逆で、取得時にお金はかかりませんが、ランニングコストは新耐震基準の建物に比べると高めです。 「立地は重視したい」「ランニングコストは抑えたい」など、不動産に何を求めるかによっても答えは変わるため、さまざまな観点から検討しましょう。 まとめ 結局のところ、新耐震基準だからよい、旧耐震基準だからダメという単純な話ではない点に注意が必要です。 新耐震基準は震度6~7の地震でも倒壊・崩壊しない建物とされていますが、100%倒壊・崩壊しないとは限りません。また、倒壊・崩壊を免れても壁にひびが入り、再び暮らすには工事が必要になることは往々にしてあります。 一方、旧耐震基準であっても耐震工事を施したうえで、一定水準以上の耐震性を有していれば問題なく使うことが可能です。 これらの現状を踏まえたうえで、個々の希望を踏まえて選ぶとよいでしょう。

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