新築不動産の購入に必要な建築確認書とは?分かりやすく解説

投稿日 : 2024年01月29日/更新日 : 2024年01月31日

不動産の新築や増築には、さまざまな工程が発生します。この工程を開始するために必要な書類が、建築確認書です。

今回は、新築や増築などの着工前に必要な「建築確認書」について解説します。

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建築確認書は2種類ある

建物を新築や増築する時は、工事を始める前にまず国土交通省や都道府県知事が指定した機関で、さまざまな確認が必要です。これは、これから建設する建物が、法律や条令を守っているのかを確認することを目的としています。

確認が必要となる工事は、

      • 新築増築改築
      • 大規模な修繕
      • 大規模な模様替え

などです。

これらの工事を始める前に行う確認を「建築確認」といい、その時に使用される書類が「建築確認書」です。この建築確認書は2種類あります。それぞれの違いや特徴について詳しく見ていきましょう。

建築確認申請書とは

建築確認申請書とは、建築予定の建物の確認申請をする時に必要なものです。新築・増築着工前には、建物が規定を守っているかの確認が必要で、建築計画後から着工までに以下のステップが必要になります。

「建築内容の確認申請→指定機関での確認→問題なし→着工」

申請の依頼先は、国土交通省が指定している機関と、都道府県知事が指定している機関に分かれ、これらを確認検査機関といいます。依頼する機関は都道府県によって変わりますが、国土交通省が指定した以下の機関であれば全国で対応可能です。

      • 一般財団法人日本建築センター
      • 日本ERI株式会社
      • ハウスプラス確認検査株式会社

などです。

建築確認通知書とは

指定機関での検査に問題がなければ、建築確認通知書が交付されます。この書類は非常に重要な書類で、建築確認通知書が発行されてはじめて工事に取り掛かることができます。

通知書が発行されたと言うことは、その建物が建築基準法を守って設計されていることを証明するものです。

通知書は建築確認後に返却されますが、引き渡しまでは建築会社などが保管していることが一般的になります。ちなみに、建築確認済証は建築確認通知書と同じものです。1999年の建築基準法改正以前のものが建築確認通知書、以降のものが建築確認済証。

また、建築確認は着工前と完成後の2回行われます。建物完成後の完了検査で問題がなければ、検査済証が発行されますが、この書類もとても重要です。

検査済証は、建物の構造や設備が法令の基準を満たしていることを証明するものになります。建築確認書とセットで保管しておきましょう。
指定機関での確認では、条令や法律を基に、各面積の規定は守られているか、シックハウス対策がされているかなどを確認します。本来、指定機関へ申請をするのは建築主ですが、設計事務所や工務店で代行してくれることがほとんどです。

建築確認申請書は正・副の2部作成され、指定されている機関などで確認後に問題がなければ、通知書と一緒に建設会社などに返却されます。

申請書の注意点は、申請書提出後に間取りや設備などの修正ができない点。提出後に修正した場合、申請内容が偽りのものになってしまうため、注意が必要です。

建築確認通知書とは

指定機関での検査に問題がなければ、建築確認通知書が交付されます。この書類は非常に重要な書類で、建築確認通知書が発行されてはじめて工事に取り掛かることができます。

通知書が発行されたと言うことは、その建物が建築基準法を守って設計されていることを証明するものです。

通知書は建築確認後に返却されますが、引き渡しまでは建築会社などが保管していることが一般的になります。ちなみに、建築確認済証は建築確認通知書と同じものです。1999年の建築基準法改正以前のものが建築確認通知書、以降のものが建築確認済証。

また、建築確認は着工前と完成後の2回行われます。建物完成後の完了検査で問題がなければ、検査済証が発行されますが、この書類もとても重要です。

検査済証は、建物の構造や設備が法令の基準を満たしていることを証明するものになります。建築確認書とセットで保管しておきましょう。

建築確認書の記載項目

ここでは、建築確認書の具体的な記載項目についての解説をします。

まず、建築確認申請書(記載項目は全6面)には、

      • 建築主、設計主の詳細(氏名・資格など)
      • 建物や敷地の詳細(工事種別、建築面積、構造など)
      • 工事の日程(着手予定日、完了予定日など)
      • 建物の概要(延べ面積、高さ、構造など)

などが記載されています。どこのどんな人が建築・設計したのか、どんな建物なのかなど、建物の詳細が事細かく分かるようになっています。

続いて建築確認通知書には、

      • 発行年月日
      • 建物の所在地
      • 建物の面積や構造

などが記載されています。建物が条例や法律に基づいていることを確認した旨や、どの建物に対しての建築確認通知書かわかるように、所在地なども記載されます。

建築確認書の用途とは

建築確認書の用途は、大きく分けて以下の通りです。

  1. 住宅ローン審査の提出書類
  2. 建物を売却する時の証明書類

建築確認書は住宅ローンの融資を受ける場合、審査で必要な書類になります。

また、建物を売却したい場合、不動産会社へ仲介を頼むことが一般的です。建築確認書と検査済証をセットで提出することで、その建物が条例や法を守ったものだと証明することができます。

不動産売却には多くの書類が必要になりますが、建築確認書が必要になるのは、引き渡しが決まってからです。それまでに用意しておきましょう。

建築確認書を紛失したときの対処法

建築確認書は再発行できません。失くさないように、大切に保管してくださいね。

しかし、新築時から10年・20年後に売却する場合、紛失してしまっている可能性もあるでしょう。万が一紛失してしまった時は、以下の書類で代用が可能です。

  1. 建築計画概要書:建物の設計者、面積、高さなどさまざまな情報が記載されている書類
  2. 台帳記載事項証明書:建物の用途、面積、構造などが記載されている書類

上記の書類は、各自治体の担当窓口に依頼をします。取得方法は、オンラインを利用して無料で閲覧できるところや、数百円の手数料がかかるところなど、自治体によってさまざまです。各自治体の公式サイトを確認しましょう。

建築確認書は最重要書類として大切に保管

今回は、建築確認書について解説しました。不動産の取引ではさまざまな書類が発行されますが、建築確認書はその中でも特に大切な書類です。新築時には予定していなかった住み替えや、大規模なリフォーム時など、思わぬところで必要になります。

この書類は、建物が法の下に設計されたことを客観的に示す重要書類になるので、紛失しないように気をつけてくださいね。

この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。