公図、地積測量図、建物図面・各階平面図の見方|宅建業者が確認すべきポイント

投稿日 : 2019年10月26日

法務局で取得できる公的図面

「公図」「地積測量図」「建物図面・各階平面図」の3種類の図面は、法務局で取得できる公的書類です。

宅建業者が担当不動産を調査する際にはこれらを参照し、土地や建物の形状や周囲との位置関係を確認していきます。

図面と現況とに差異がある場合や、不動産取引における障害が見つかった場合には、担当者として適切な対応が求められます。

「公図」の見方

「公図」とは

「公図」とは、土地の形状・範囲、隣接地や道路・水路との位置関係を記した図面です。

隣接地との境界を線で表し、各土地には地番が記載されています。

公図は、明治時代に徴税の目的で作成された図面がもとになっています。

「公図」の確認ポイント

  1. 土地の形状・範囲が現況と一致しているか
    明治時代に作成された図面のため、必ずしも現況と一致しない場合があります。
    →公図と現況との間で差異がある場合は、お客様や隣接地の所有者にヒアリングして原因を探る。
    →原因が明らかにならない場合は、「土地家屋調査士」などの専門家に調査を依頼する。
  2. 土地と隣地・道路との位置関係が一致しているか
  3. 道路に地番がついていないか
    地番付きの道路は私道の可能性があります。
    →登記簿謄本を取得し、名義人(所有者)を確認する。

    a.所有者が国や地方自治体の場合…公道のため問題なし。
    b.所有者が個人や法人の場合…私道のため、道路の使用許可・上下水道管の引き込みや改修工事の際に、所有者の許諾を得る必要がある。
    不動産売買の実務においては、宅建業者が私道の使用・掘削に関する取り決めを記載した承諾書を作成し、私道所有者全員から署名捺印をもらった上で、買主に引き継ぐことが一般的です。しかし、私道所有者の意向により署名がもらえない場合もありえますので、そのような場合には、買主に対して、承諾書が取れない理由、それにより将来起こり得るリスクなどを説明する必要があります。

  4. 「接道義務」を守っているか(建物を建築したい場合)
    「接道義務」とは、建物を建築する際、敷地が建築基準法で認められた道路に2m以上接していなければならないという法令です。
    →土地と道路の間に他の地番のついた土地が存在しないか確認する。
    →道路に地番がついていないか確認する(私道の可能性がある)。

▼「公図」の記載例


(出展元:法務局

※方位は、矢印の先端が「北」。
※「種類」は図の出展元。「旧土地台帳付属地図」や「土地区画整理所在図」など。

「地積測量図」の見方

「地積測量図」とは

「地積測量図」とは、土地家屋調査士により作成された測量図面で、筆界(1筆の土地の範囲を示す境界線)である多角形の頂点座標により土地の面積が計算されています(座標法)。

登記簿謄本の「地積」には、「地積測量図」に記載された面積が反映されます。

「地積測量図」の確認ポイント

  1. 「地積測量図」と現況が一致するか確認する。
    間口・奥行・境界標(筆界点を表すために土地に設置する目印)の位置・道路幅員などを確認する。
    →地積測量図に誤りがある場合、そもそも存在しない場合には、新たに作成する必要がある。
  2. 作成年月日を確認する。
    →作成年が古いと、測量技術が発達する前の精度の低い図である可能性があるので、注意が必要。
  3. 土地区画整理事業による土地の場合、道路と私有地との境界明示が完了していることがわかる明示書(写)を取得する。

◇地積測量図に誤りがある場合の原因

  • 作成時期が古く、測量技術が発達する前の精度の低い図であるため。
  • 隣接地や周辺の土地の状況が変化したため。

◇地積測量図が存在しない場合の原因

  • 登記申請書類への地積測量図の添付が義務化(不動産登記法改正)される昭和35年4月1日以前からある土地であるため。
  • 分筆により発生した「残地」で、費用などの事情から測量されずに放置されているため。

▼「地積測量図」の記載例


(出展元:法務局

※方位は、矢印の先端が「北」。

地積測量図の不備への対応

不動産の売買において、正しい「地積測量図」がない場合には、隣接地の地積測量図を取得し、外周部の数値だけでも特定するようにします。

また、売却案件であれば、売主様(所有者)に実測や仮測(簡易測量)をご提案しましょう。

地積測量図の作成時期が古い場合にも、現況と誤差がある可能性があるため、測量をおすすめすると良いでしょう。

地積測量をする場合は、土地家屋調査士に依頼します。

「建物図面・各階平面図」の見方

「建物図面・各階平面図」とは

「建物図面」とは、敷地と建物の位置関係を示す図面です。

「各階平面図」には、各階ごとの床面積・形状・寸法が記載されています。付属建物がある場合にも、ここに記載されます。

「建物図面・各階平面図」の確認ポイント

「建物図面・各階平面図」は、地積測量図と同じく、昭和35年4月1日に登記申請書類への添付が義務化された図面です。

それ以前の建物では図面が存在しない場合や、現況と一致しない場合があります。

→施工図面など関連資料をできるだけ用意し、現在の状況を正確に把握しましょう。

◇建物図面・各階平面図に誤りがある場合の原因

増築・改築・減築による変更の未登記

→本来は、増改築後1ヶ月以内に「建物表題変更登記」を行う義務があります。

▼「建物図面・各階平面図」の記載例


(出展元:法務局

※方位は、矢印の先端が「北」。

増改築による変更未登記への対応

売買する物件が「建物表題変更登記」未了の場合、買主様が金融機関から融資を受けられない場合があります。

また、未登記状態のままですと、契約後のトラブルにもつながりかねません。

そのため、売主様には必ず「建物表題変更登記」を行うようサポートしましょう。

万が一、未登記のままで契約を進める場合には、売主様による「建物表題変更登記」を物件の引き渡し条件として定めるといいでしょう。

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