地積測量図とは|不動産の土地面積がわからないときや法務局での取得方法について

投稿日 : 2020年04月23日

高騰している土地の売買では、登記簿に記載された面積をもとにするのではなく、新たに測量を行って取引をすることが求められるケースもあります。

測量図の一つである地積測量図とは、どういったときに用いられるものなのでしょうか。

測量図の種類を始め、地積測量図が必要なケースや取得方法などについて解説していきます。

測量図の種類は3種類

測量図とは、土地の寸法や面積、地形を明らかにした図面をいいます。測量図には次に挙げる3種類があり、精度に違いがあります。

  • 地積測量図
  • 現況測量図
  • 確定測量図

地積測量図

地積測量図は、不動産登記令第2条3項で、「一筆の土地の地積に関する測量の結果を明らかにする図面であって、法務省令で定めるところにより作成されるもの」と定義されています。

引用元:不動産登記令第2条3項

地積測量図は法務局に備えられた測量図のことで、地積とは土地の面積という意味です。地積測量図は誰でも法務局で取得することができます。

ただし、地積測量図は全ての土地のものが法務局に備えられているわけではありません。

地積測量図は、土地を分割する分筆登記や、複数の土地をまとめる合筆登記、登記簿の土地の面積を修正する地積更正登記などの登記を行う場合に、添付する必要がある図面です。

そのため、これまでに分筆登記や合筆登記、地積更正登記などを行ったことのない土地の地積測量図は、法務局に備えられていないのです。

地積測量図は、土地登記簿上の一個の土地である一筆ごとに作成され、原則として縮尺は250分の1で作成すると決められています。

現況測量図

現況測量図とは、現在の状況をもとに、塀やフェンスの外側や内側、中心など、土地の所有者が境界と考えている位置で測った測量図をいいます。

隣地の人の立ち会いがなく、承諾印をもらっていないため、境界の確定を行っていない図面です。

確定測量図

確定測量図とは、全ての隣地の所有者が立ち合い、境界標を設置し、境界確認書を作成して境界を確定した図面をいいます。

境界確認書は筆界確認書や境界承認書とも呼ばれるもので、隣地との境界を確定したときに2通作成し、隣地の所有者と1通ずつ保管します。

地積測量図とは土地の面積が記載された公的図面

3種類の測量図のうち、地積測量図について詳しく解説していきます。

地積測量図は土地の面積が記載された公的図面と位置付けられています。

地積測量図の記載内容

地積測量図には記載されているのは、次に挙げる内容です。

<地積測量図の記載内容>

  • 地番と土地の所在
  • 地番
  • 基準点の凡例
  • 面積の計算法
  • 面積の結果
  • 測量した年月日

作成された時期によって記載方法に違いがある

地積測量図が作られ始めた歴史は古く、明治時代初期の地租改正から作成されるようになりました。その後、1960年(昭和35年)と1966年(昭和41年)、1977年(昭和52年)、1993年(平成5年)、2005 年(平成17年)に法改正が行われました。

測量の技術の進化と法律による測量方法や図面への記載方法などから、地積測量図が作成された時期により、精度に違いが見られます。

地積測量図の精度が意識されたのは1977年以降であり、それ以前の地積測量図は精度に問題があるケースが少なくありません。

そのため、古い地積測量図は、今の測量技術を用いて測量を行うと、地積や寸法が大きく異なる可能性があります。

現況測量図や確定測量図との違い

では、地積測量図は現況測量図や確定測量図とどのようなことが違うのでしょうか。違いを比較していきます。

地積測量図 現況測量図 確定測量図
保管 法務局 土地の所有者 土地の所有者
隣接する所有者の境界の承諾 あり なし あり
売買での使用 不可
建築確認申請の添付書類

地積測量図は法務局に備えている公的な図面ですが、現況測量図と確定測量図は土地所有者が土地家屋調査士に依頼して作成してもらう測量図です。

地積測量図と確定測量図は、隣接する土地の所有者に境界の承諾を得ていて、売買に利用できる精度が高いものです。

一方、現況測量図は隣接する土地の所有者の承諾がなく、売買には利用できません。

建築確認申請に添付する測量図として、地積測量図がない場合には、確定測量図あるいは現況測量図を使用することが可能です。

地積測量図が作成される場面

地積測量図が作成されるのは、土地分筆登記や土地地積更生登記、土地表題登記などの登記申請を行うときです。それぞれについて詳しく解説していきます。

一筆の土地を分割【土地分筆登記】

土地分筆登記とは、一筆の土地を複数に分割して登記することをいいます。

土地を分割後に境界が曖昧であればトラブルに発展することが危惧されるため、文筆を行う際には境界を明確にしておく必要があります。

たとえば、土地分筆登記を行うのは、親の所有する広い土地に子ども名義で家を建てるケースが挙げられます。

住宅ローンを利用する場合、分筆をしなければ親の所有する土地全体に抵当権がついてしまいます。

子どもが利用する部分を分筆することで、当該部分にだけ抵当権がつくようにできます。

反対に複数の土地をまとめる土地合筆登記の際にも、地積測量図が必要です。

土地の分筆については、『土地の分筆を理解する|メリットと注意点・測量から登記までの手順』で詳しく解説しています。

登記簿の面積を正しく訂正したいとき【土地地積更正登記】

土地地積更正登記とは、土地の面積が登記簿の面積と異なる場合に、正しい面積に修正する登記です。

地積測量図の中には明治時代に測量されたものもあるため、現代の技術や方法で測量すると大きな誤差が生じることがあります。

そのため、地積測量図が古いケースでは、売買の際に改めて測量を行い、登記を修正することがあります。

特に都心部など土地が高いエリアでは、土地の面積が売買価格に大きな影響を及ぼすため、見直しが行われることが多いのです。

登記簿にない土地を新たに登記したいとき【土地表題登記】

土地表題登記が行われるのは、新たに生じた土地など登記されていない土地を取得したときです。

例えば、道路や水路などの国有地が払い下げられたケースなどが該当します。

登記簿には載っていない土地のため、土地表題登記を申請するには地積測量図が必要になります。

地積測量図が必要になる場面

土地を売買するときには、地積測量図、あるいは確定測量図が必要です。

特に土地の高い都心部では、売買にあたって隣地との境界を確定した境界画定書を求められるケースがあります。

しかし、隣地の所有者の協力が得られず、境界が確定できないと売買できないといったことも起こり得ます。

また、相続税の支払いのために土地を物納する場合も、相続開始から10ヶ月以内の申告期限までに境界確認書や測量図などが必要です。

地積測量図や確定測量図がない場合、売買のタイミングを逃したり、相続税の物納ができなくなったりしてしまうといったことが考えられます。

地積測量図の見方


引用元:盛岡地方法務局 地積測量図サンプル

実際の地積測量図はサンプルの画像にあるような図面です。

まず、図面枠の外を見ていくと、右上には土地の所在や地番が記載されています。左下から作成者、申請者、図面の縮尺が記載されています。

そして、右側にある図面が測量図で、地番や距離、境界線が書かれています。右の端にあるのが方位で、測量図の下にあるのは、境界標の種類や基準点などの凡例です。

左側を見ていくと、上から3つの表は求積表で、上2つが面積の計算方法、その下は面積の結果です。一番下の表には測量した年月日が記載されています。

地積測量図などの見方については、『公図、地積測量図、建物図面・各階平面図の見方|宅建業者が確認すべきポイント』でも、詳しく解説しています。

地積測量図は法務局で取得可能

地積測量図はかつてはその土地を管轄する法務局しか取得できませんでしたが、昨今では全国いずれの法務局でも取得できるように変わっています。

地積測量図の取得方法について、「法務局に行き取得する方法」と「インターネットで請求して法務局で取得する方法」、「インターネットで請求して郵送してもらう方法」の3つを紹介していきます。

法務局へ行き取得する方法

法務局間でデータのやり取りが行われるようになったため、その土地を管轄する法務局まで行かなくても、最寄りの法務局で地積測量図の取得は可能です。

法務局が開いているのは、平日の8時30分から17 時15分までとなっています。

<法務局へ行き地積測量図を取得する場合の流れ>

  1. 法務局のホームページから最寄りの法務局を探す。
  2. 法務局で地積測量図の証明書に記入する。
  3. 地積測量図を受け取る際に収入印紙で費用を支払う

地積測量図の証明書の記入にあたっては、その土地の住居表示ではなく、地番や家屋番号が必要です。わからない場合は、法務局の職員に尋ねるか、法務局に備えてあるブルーマップという地図で調べます。

法務局へ行って取得する場合、手数料として450円が必要です。

インターネットで請求して法務局で取得する方法

地積測量図は、「登記ねっと 供託ねっと」というサイトからインターネットで請求し、法務局へ足を運んで受け取る方法もあります。

申請は8時30分から21時まで受け付けています。

ただし、インターネットで請求するには、地番がわかっていることが前提となります。

<インターネットで請求し法務局で取得する場合の流れ>

  1. 登記ねっと 供託ねっと」にアクセスする。
  2. 「かんたん証明書請求」を選択する。
  3. 「申請者IDをお持ちでない場合」を選択して登録を行う。
  4. ログイン後に、「証明書請求メニュー」の画面から「不動産」の「登記事項/地図・図面証明書交付請求書」を選択する。
  5. 「オンライン物件選択を使う」を選択する。
  6. オンライン物件検索の画面に対象となる土地の情報を入力して、「確定」を押す。
  7. 「物件情報の取得方法の選択」で「証明書交付請求画面に直接反映する」を選ぶと、請求データが作成される。
  8. 「登記事項/地図・図面証明書交付請求書」の画面で、「図面証明書」を選択し、「土地所在図/地積測量図」にチェックを入れて、必要な数を入力する。
  9. 「交付方法」で窓口受取を選択し、「確定ボタン」を押す。
  10. 「請求先」を入力し、「確定」を押し、「送信実行」を押す。
  11. 「処理状況を確認する」を選択し、「納付ボタン」を選び、インターネットバンキングを利用して「電子納付」を行う。
  12. 「照会内容確認画面」を印刷する。
  13. 法務局で地積測量図を受け取る。

インターネットからオンライン請求を行い、法務局で受け取る場合の手数料は420円で、法務局で申請するよりも若干安いです。

インターネットで請求して郵送してもらう方法

インターネットで請求し、郵送で受け取る方法は、インターネットで請求し法務局で受け取る場合の流れと途中まで同じです。

<インターネットで請求し郵送してもらう場合の流れ>

  1. <インターネットで請求し法務局で取得する場合の流れ>の1~8を行う。
  2. 「交付方法」で郵送を選択し、郵送種別を「普通」と「速達」から選択した後、郵送先を入力し、「確定ボタン」を押す。
  3. 「請求先」を入力し、「確定」を押し、「送信実行」を押す。
  4. 「処理状況を確認する」を選択し、「納付ボタン」を選び、インターネットバンキングを利用して「電子納付」を行う。
  5. 地積測量図が郵送されてくる。

インターネットからオンライン請求を行い、郵送で受け取る場合の手数料は450円です。

地積測量図がない場合は土地家屋調査士に依頼

地積測量図が必要な場合で法務局に備えられていない場合や、地積測量図が古く、信頼できない場合には、土地家屋調査士に依頼して新たに地積測量図を作成することになります。

地積測量図の作成にあたっては、隣接する土地の所有者と隣接する道路を管理する市町村の立ち会いが必要です。

通常、地積測量図の作成には3~4ヶ月程度かかります。

土地家屋調査士は国家資格者

土地家屋調査士は国家資格者であり、表題登記に必要な土地や家屋の調査や測量、表題登記の代理申請などを行う役割を担っています。

地積測量図の作成を担えるのは土地家屋調査士に限られており、測量士が作成するのは法律違反になります。

法務局に提出する書類の作成は、土地家屋調査士法で土地家屋調査士が担う事務とされているため、土地の登記に関連する地積測量図の作成は、必ず、土地家屋調査士の有資格者に依頼する必要があるのです。

測量にかかる費用

土地家屋調査士による測量の費用は100m2〜200m2程度の広さの土地の場合で、官民査定不要な場合は35万円~45万円、官民立ち合いが必要な場合は60万円~80万円が目安です。

土地の地形が複雑なケースや隣地の所有者と境界で揉めているケース、隣地の権利を持つ人が多くいるケースなどでは、境界の調整に手間がかかるため、割高になる傾向があります。

まとめ

地積測量図が必要になる場面は限られていますが、高騰している都心部の土地取引では確定測量図や境界確認書の提出が求められるケースが増えてくることが考えられます。

測量には時間を要するため、新たに測量図の作成が必要と思われる場合には、早い段階で準備に動くことが大切です。