不動産登記についてわかりやすく解説|不動産登記の種類のまとめ

投稿日 : 2020年04月05日

不動産の売買や相続をするとき、「不動産登記」は財産を守る上で重要な役割があります。

しかし、登記といっても様々な種類があり、内容や意味を十分に理解している方は多くありません。

今回は、登記簿謄本や不動産登記の種類についてわかりやすく説明します。

kobayashi この記事の監修者:
小林 紀雄
住宅業界のプロフェッショナル

某大手注文住宅会社に入社。入社後、営業成績No.1を出し退社。その後、住宅ローンを取り扱う会社にて担当部門の成績を3倍に拡大。その後、全国No.1売上の銀座支店長を務める。現在は、iYell株式会社の取締役と住宅ローンの窓口株式会社を設立し代表取締役を務める。

 

登記とは

登記とは、権利の内容や関係などを一般に明らかにするために設定された制度のことです。

不動産登記の他に、商業登記、法人登記、船舶登記など様々な種類の登記があります。

不動産登記は、入手した土地や建物の所有者をはっきりさせるためのものです。登記を行うと、法務局が管理する公の帳簿に情報が記載されます。情報は一般公開されていて、手数料を支払うことで誰でも閲覧でき、登記内容が記載された登記簿謄本の交付を受けることもできます。

 

登記簿謄本の見方

登記簿謄本(登記事項証明書)は、1つの不動産ごとに1つ作成されます。

あわせて読みたい:不動産調査のための登記簿謄本の活用法|種類と取得方法・記載内容の読み方

 

「表題部」「権利部(甲乙)」「権利部(乙区)」の3つに分かれています。

土地は1筆(1つの土地の単位)ごとに、建物については1戸ごとに登記がされています。

項目 内容 記載される情報
表題部 土地・建物に関する情報 土地:登記日付、所在、地番、地目(宅地、畑、雑種地など)、地積(面積)

建物:登記日付、所在、家屋番号、建物の種類(居宅、店舗、事務所など)、構造(木造、鉄骨造など)、床面積など

あわせて読みたい:登記簿謄本「表題部」の読み方|各項目の内容と物件調査でのポイント

 

項目 内容 記載される情報
権利部

(甲乙)

所有権に関する情報

相続して不動産を手に入れるまでの経緯や、ローンの滞納による差し押さえなども記載される

所有者の住所や氏名、不動産を取得した日付や理由(売買、相続など)など

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項目 内容 記載される情報
権利部

(乙区)

抵当権や地上権、地役権など所有権以外の権利に関する情報 所有権以外の権利について記載

なんらかの権利が登録されていた場合の、不動産購入後の利用制限に注意

あわせて読みたい:登記簿謄本「乙区」の見方|権利者の優先順位・所有者の財力を読み解く

 

登記の目的

不動産登記は、土地や建物の所在・面積のほか、所有者の住所・氏名などを登記簿に記載し、一般公開することにより権利関係等の状況が誰でも分かるようになっています。これにより、取引を円滑に行い、安全性を確保する役割を果たしています。

登記するかどうかは個人の判断に委ねられますが、一般的には登記されることが大半です。不動産登記法において不動産は登記した者への所有権を認めているからです。

権利部分(所有権や抵当権の設定)に関しては登記の義務はありませんが、表題部の登記に関しては登記申請が義務付けられています。

表題登記はまだ登記されていない建物や土地の登記で固定資産税にも関わるので、不動産の状況を不動産取得から1カ月以内に登記する必要があります。怠った場合、10万円以下の過料が設定されています。

 

不動産登記の種類

不動産登記の種類は以下のとおりです。

新築で必要な登記

登記名 内容
表示登記

(建物表題登記)

表示登記とは、建物の登記記録の表題部を新規に作成する登記

建物の新築工事が完了して、建物が完成すると、建物の所在地番、構造、床面積などを特定する登記を申請する

土地家屋調査士なら表示登記に必要な資料の作成が可能

建物の表示登記は、登録免許税の課税対象ではないため非課税となる

所有権保存登記 登記簿の甲区(所有権に関する登記)に初めてなされる所有権の登記

所有者の住所、氏名、新築の日付(手続きをした日付)等が記載される

所有権保存登記を行うことで所有者は自分の土地の所有権を主張することができる(対抗力)

所有権保存登記は最初の所有者しか行わず、所有者が変わったときは所有権移転登記となる

所有権保存登記は、司法書士に依頼して行うことが一般的で、相場は2~5万円になる(自分で登記を行うことも可能)

 

 

売買・贈与・相続で必要な登記

登記名 内容
所有権移転登記 所有権移転登記は、不動産を売買、相続、贈与したとき、旧所有者から新所有者へ所有権が移転するときに行われる

この登記を行うことで、新所有者は第三者に対し所有権を主張することができる

相続登記は所有権移転登記の1つで、相続を原因とする所有権移転登記のこと

 

住宅ローンで必要な登記

登記名 内容
抵当権設定登記 抵当権設定登記は、不動産(土地・建物)を担保に住宅ローンを借りる際などに必要な登記

抵当権設定登記は、住宅ローン借入実行日と同日に行う

抵当権とは、住宅ローンの担保として、購入した不動産にローンを貸した金融機関が設定する権利。金融機関は住宅ローンが返済されない場合に担保不動産から優先して弁済を受けることが可能。この権利を明確にするために行うのが抵当権設定登記で、金融機関を抵当権者、住宅ローン借入者を抵当権設定者という

抵当権設定登記は司法書士に依頼して行うことが一般的であるが、自分で行うこともできる

 

その他の登記

土地分筆登記 1つの土地を複数に分けて売買するときなど、調査・測量を行い1筆の土地を2筆以上に分割する分筆登記を申請する
土地合筆登記 複数の土地を合併するようなとき、調査を行いの土地を1つに合併する合筆登記を申請する
土地地目変更登記 山林や田んぼ、畑等であった場所に家を建てて宅地に変更したときなど、土地の用途を変更したときは、地目変更の登記申請をする
建物滅失登記 建物が消失、または取り壊したときには、建物滅失登記の申請をする
住所変更の登記 所有者の住所を変更申請する(登記名義人住所変更)
抵当権抹消登記 融資を完済した際に申請する

 

不動産登記の代理申請にかかる費用の目安

費用(円) 代理申請
建物表題登記 6~10万 土地家屋調査士
所有権保存登記 2~5万 司法書士
所有権移転登記 5~35万 司法書士
抵当権設定登記 3~10万 司法書士

 

まとめ

今回は、登記簿謄本や不動産登記の種類と内容について、わかりやすくまとめてみました。

不動産営業として、不動産登記の種類や内容を理解しておくことは必須です。不動産登記はお客様の大切な財産を守る上で重要な役割を担っています。

お客様が不動産を購入、売却、または相続された場合に、どのタイミングで、どの種類の登記が必要かを的確にお伝えできるように日頃から確認しておきましょう。