登記簿謄本「表題部」の読み方|各項目の内容と物件調査での確認ポイント

投稿日 : 2019年10月29日

登記簿謄本「表題部」の記載内容

登記簿とは、不動産の所在地・面積・所有者・権利関係などを法的に記録したもので、謄本はその写しのことです。

宅建業者が担当不動産の調査をする際、重要な資料となります。

登記簿謄本は、上から「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」で構成されています。

そして、一番上の「表題部」には、所在・面積・構造など、不動産の基本情報が記載されます。

土地の登記簿と建物の登記簿では、表題部に記載される内容は異なりますので、後ほど詳しく解説します。

 

「表題部」で現況確認・相違点を調査

登記簿謄本の「表題部」で確認するポイントは、現況と記載内容に相違点があるかどうかです。

相違点があれば、現況が登記に反映されていない未登記部分があるか、登記内容に誤りがあると考えられます。

その場合は、司法書士や土地家屋調査士などの専門家と協力し、相違の原因究明と適切な対処が必要となります。

 

「表題部」の内容と確認ポイント

<土地の場合>

◇所在・地番

所在には、土地の場所が市町村字まで記載されます。

そして地番は、1筆ごとの土地に割り振られた番号です。(「筆」とは、土地を表す登記簿上の単位。)

所在と地番により、土地の場所が特定されます。

→分筆・合筆による地番・地積の変更や地目の変更など、これまでの経緯を確認する。

◇地目

土地の用途のことです。(例:宅地、田、畑、山林など)

→現況では建物が存在するのに地目が「田」となっている場合、農業委員会から農地転用許可を得ているか調査が必要です。

◇地積

土地の面積のことです。「㎡」で記載されます。

→地積測量図の数値と一致しているか確認する。

◇原因及びその日付

分筆・合筆・錯誤などの記録が、時系列で記載されます。

→現況の地番・地目・地積となるまでの経過を確認できる。

◇地図番号・筆界特定

「筆界特定」は、土地の1筆ごとの境界(筆界)を決定することを言います。すでに筆界特定されている場合、日付・手続番号が記載されます。

→筆界特定書や測量図の写しを請求し、手続き記録を参照する。

 

<建物の場合>

◇所在

所在には、建物が建っている土地の地番まで記載されます。

◇家屋番号・建物の名称

「家屋番号」とは、不動産登記する際、建物に割り振られる番号です。

1筆の土地に複数の建物が存在する場合は、それぞれの建物に別の番号が付けられます。マンションの場合は、建物の名称が記載されます。

◇種類

建物の用途が記載されます。

(例:居宅、共同住宅、店舗、事務所、倉庫など)

◇構造

建物の構成材料、屋根の種類、階数が記載されます。

◇床面積

建物の各階ごとの面積が「㎡」により記載されます。

→建物図面・各階平面図と照合し、一致しているか確認する。

◇原因及びその日付

建物の建築年月日が記載されます。不明の場合は、「建築年月日不詳」などと記載されます。

◇敷地権の目的たる土地の表示

区分所有建物(マンションなど)の敷地について記載されます。

敷地権登記のある区分所有建物の場合、土地の符号・地目・地積・登記の日付が記載されます。

→敷地権登記のない区分所有建物の場合は、別途で土地の登記簿謄本を「一部事項証明書」で請求、取得する。

 

登記簿と現況に相違点がある事例

登記簿謄本と実際の状況の、よくある相違点は以下のような事例です。

  1. 建物表題変更登記が未了のままとなっている。建物の増改築、用途変更(例:居宅→店舗)など。
  2. 建物を解体したが、滅失登記が未了で、登記上建物が存在することになっている。

登記簿謄本に必ず正しい情報が反映されているとは限りません。

登記と現況を丁寧に照合し、事実関係を確認することが大切です。