不動産調査のための登記簿謄本の活用法|種類と取得方法・記載内容の読み方

投稿日 : 2019年11月25日

登記簿謄本とは

不動産の調査において、まず必要になるのが不動産の登記簿謄本の取得です。

不動産の登記簿謄本とは、土地・建物についての所在地・面積・所有者・権利関係などを法的に記録したものです。

これは誰でも取得可能で、住民票や戸籍とは違い取得に制限がありません。「登記事項証明書」とも呼ばれます。

 

登記簿謄本は不動産についての重要資料

宅建業者が不動産取引を取り扱う際には、担当物件の調査が必須です。

物件の状態や状況・取引における重要事項を確認・把握するためです。

物件調査の中でも、法務局で取得できる法的な記録である登記簿謄本は主要な資料となります。

登記簿謄本では、過去の記録を調査することもでき、公図や地積測量図、建物図面では判明しなかった情報を得られることもあります。

 

登記簿謄本取得の手順

まず、登記簿謄本を取得したい不動産の家屋番号や地番(以下、家屋番号等)を特定する必要があります。

家屋番号等は、法務局に電話をして、「家屋番号の紹介をお願いします。」と伝えると、「住所を教えてください。」といったようなやり取りが始まり、それに従って答えていけば、家屋番号等を教えてもらえます。

その他にも、ブルーマップ(法務局に備え付けられています。)や、インターネットの登記情報サービスでも家屋番号等を確認することができます。

※登記簿謄本の取得は、管轄局でなくても全国の法務局で可能です。

※オンラインでの請求や郵送での受け取りも可能です。

法務局公式サイト「不動産登記申請手続き」ページ

 

4種類の登記簿謄本を使用目的で使い分ける

登記簿謄本には4種類あります。使用目的により使い分けましょう。

 

 

【調査例】現在事項証明書で確認するポイント

一戸建て・建物

◇表題部:不動産の物理的状況

  • 種類…建物の利用状況。現状と一致しているか、用途変更されていないか確認。
  • 床面積…建物図面・各階平面図と一致しているか確認。
  • 原因及びその日付…「建築年月日不詳」の場合は、閉鎖事項証明書により調査。

 

◇権利部(甲区):所有権に関する事項

  • 差押・仮差押・仮登記に要注意
  • 登記の目的…「所有権保存」であれば1人目の所有者であり、「所有権移転」であれば2人目以降の所有者である。
  • 権利者その他の事項…所有者の住所変更の有無を確認。※所有名義人が現況を反映していない場合もある。(相続登記未了の場合など)

 

◇権利部(乙区):所有権以外の権利に関する事項

  • 抵当権は債権額、根抵当権は極度額。
  • 不動産購入時の融資利用額を確認。
  • 債務者が所有者と一致しているか確認。異なる場合は所有者との関係を確認。

 

一戸建て・土地

◇表題部:不動産の物理的状況

  • 地番…公図により位置関係を確認。
  • 地目…土地の用途を確認。(宅地・畑・山林・雑種地など。)田の場合は要注意。
  • 地積…地積測量図と一致しているか確認。
  • 原因及びその日付…過去の分筆歴を確認。

 

◇権利部(甲区):所有権に関する事項

  • 差押・仮差押・仮登記に要注意。
  • 所有権取得原因を確認。(売買・相続・贈与など)
  • 共同名義人がいる場合、持分を確認。依頼者に続柄などを確認。

 

◇権利部(乙区):所有権以外の権利に関する事項

  • 抵当権は債権額、根抵当権は極度額。
  • 権利者その他の事項…①借入額・借入時期から残債務を試算し、所有者の財務力を見極める。(債務超過に要注意)②抵当権者を確認。不動産売却の際は抵当権が抹消できるか確認。抵当権者が複数の場合、順位を確認。

 

登記簿謄本を物件調査の手掛かりにする

登記簿謄本は、現在の情報を必ず正しく反映しているとは限りません。

相続登記未了など、何らかの理由で誤った情報を記載している可能性もあります。

しかし、物件を評価するのに有益な情報も詰まっています。

登記と現況に相違点があると、場合によっては売買に支障をきたしますので、丁寧な調査が重要です。

この登記簿を充分参考にすることで、不動産の専門家としてお客様への適切なサポートが可能になります。