都市計画法で定められる用途地域とは|ジャンル別13種類の決めかた
土地の売買時や建築計画を立てる際には、その土地で定められている用途地域についてお客様にご理解いただく必要があります。
不動産を購入する際に、最初に売主様に支払うものとして手付金が挙げられます。手付金の意味を理解していない買主様も多く、場合によっては無条件の契約解除ができない等のトラブルに発展する恐れがあります。
買主様が手付金と手付解除について理解し、トラブルを被らないように説明しておくことが重要です。
今回は手付解除とは何か、期日を過ぎた場合の注意点等について解説していきます。
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この記事の監修者: 小林 紀雄 住宅業界のプロフェッショナル 某大手注文住宅会社に入社。入社後、営業成績No.1を出し退社。その後、住宅ローンを取り扱う会社にて担当部門の成績を3倍に拡大。その後、全国No.1売上の銀座支店長を務める。現在は、iYell株式会社の取締役と住宅ローンの窓口株式会社を設立し代表取締役を務める。 |
手付解除(てつけかいじょ)とは、不動産売買の契約時に手付金を支払うことによって、後から契約を解除することができるようにする仕組みの事です。
手付解除を利用することで、相手方が契約の履行に着手するまでは売主側・買主側のどちらからでも解約が可能です。
買主様から売主様に支払われる手付金は、以下の3種類に分類されます。それぞれ法的な効力に違いがあるため、営業活動をする上でその違いは必ず理解しておきましょう。
証約手付とは、購入の意思表示を行うための手付金です。
売買代金を収受する際、あらかじめ受け取っていた証約手付は買主様に返還されます。ただし、手続きの簡略化のために実務上は証約手付を差し引いた代金を受け取るのが一般的です。
違約手付とは、相手方に契約不履行(違反)があった場合に、損害賠償金とは別に没収できる手付金のことを指します。損害賠償の額が違約手付より少ない場合も、全額が没収されるのがルールです。
もしも売主様側に契約違反があった場合は、買主様側に支払う違約手付の金額は2倍になりです。
解約手付とは解約権を確保しておくために支払う手付金の事です。不動産契約時に買主様側から売主様側に支払われます。
解約手付を設定しておくことで買主様は解約の理由に関係なく、損害賠償等を支払わずに契約を解除することができます。なお、売主様側からの契約解除は買主様へ受け取った解約手付の2倍の支払いが必要です。
不動産売買において、特段の定めがない場合は手付金=解約手付であると推定されます。
手付解除の方法は、売主様側からの解除と買主様側からの解除によって方法が若干異なります。ただし、特定のタイミングまでなら理由に関係なく無条件に契約解除が可能という点は共通しています。
【手付解除の方法】
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売主様が支払う解約手付の金額は、買主様が支払った額の2倍が原則です。
買主様側から100万円の手付金を受領していた場合は、200万円を支払えば解約することができます。
買主様側から契約の解除を申し入れる場合は、支払った手付金を放棄することで解除が可能です。
「他の人にマンションを買われないために手付金を払って確保したが、冷静に考えたら買う価値が低い物件だった」といった場合でも契約解除ができます。解除にあたって理由を問いただされても答える必要はなく、手付金を放棄するだけで契約解除が成立します。
損賠賠償金を支払うことなく解約ができる解約手付ですが、どのタイミングでも解約ができる訳ではありません。
売主様側、買主様側共に相手方が契約の履行に着手するまでが、無条件に解約できる期限とされています。
契約の履行の着手とは、契約行為を、客観的に認識できる形で履行したこと、または履行の提供をするために必要になる前提行為をしたことを指します。
引き返しができない手続きを行ったことと理解することもでき、具体的には以下のような行為が該当します。
【売主様側の履行着手】
【買主様側の履行着手】
これらのような履行の着手が実行された後は、原則として無条件での契約解除はできなくなります。
解約手付による契約解除が不可能になった後に契約解除を行うと、違約解除とみなされます。違約解除をする場合は違約金の支払いが必要になります。違約金の金額の目安は物件価格の10%です。
例えば、3,000万円の不動産の売買契約で100万円の手付金を支払っていた場合、違約金は300万円になります。手付金としてすでに100万円を支払っていますが、200万円を追加で支払う必要があるのです。
仮に手付解除ができる期間であれば、買主様は手付金100万円の放棄だけで済んでいたことになります。
手付金は、売主様・買主様の双方の合意によって決定されます。ただし、一般的な相場にしたがった金額を設定することが多いです。
また、売主が不動産業者(宅建業者)だった場合は手付金の上限が法律で定められています。
手付金の相場は、通常物件価格の5%~10%です。
手付金0で売買することも不可能ではありませんが、売主側が親族でもない限りは5%以上の手付金は必要になるでしょう。
また、フルローンを組んでいたとしても手付金は現金での支払いが原則です。手付金に相当する金額は現金で支払えるように準備が必要です。
手付金の限度額は、売主様が宅地建物取引業者(宅建業者)に該当するかで変わってきます。
売主が宅建業者、買主様が個人であった場合、宅建業法39条で手付金の上限は代金の20%と規程されています。
仮に代金の20%以上の手付金を支払っていた場合、20%超過分の手付金が無効になります。その他の場合ではいずれも手付金に上限はありません。双方の合意によって、自由に手付金の額を決定することが可能です。
違約金とは相手方が契約の履行に着手した後の解除や契約違反等の理由で支払う金銭のことを言います。
契約違反があったことに対する罰金としての性質があり、履行の着手までの契約解除権を確保しておくための手付金とは明確に性質が異なっています。
なお、手付金と違約金は法的に別物のため、契約違反をしたとしても両方が課されることはありません。違約解除であっても、没収した違約手付に該当する金額は相殺されて違約金が請求されることになります。
今回は、手付解除の概要と手付解除期日を過ぎてしまった場合の対応について解説しました。手付解除でもっとも大きな問題になるのは、契約の履行のタイミングです。判断の目安としては引き返せない作業を始める事が挙げられます。
トラブルにならないよう、手付解除ができる期日については、買主様に丁寧に説明しましょう。
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