重要事項説明書にも関わるガス調査|調査ポイントや内容のまとめ

投稿日 : 2020年03月22日

不動産売買における重要事項説明書の項目に、ガス調査があることはご存じかと思います。

水道、電気、ガス、下水道といったライフライン調査は、不動産調査の中でも特に需要な項目です。

では、実際にどのようなことを調査するのでしょうか。今回はガスの種類、ガス点検での調査内容や注意点について説明します。

kobayashi この記事の監修者:
小林 紀雄
住宅業界のプロフェッショナル

某大手注文住宅会社に入社。入社後、営業成績No.1を出し退社。その後、住宅ローンを取り扱う会社にて担当部門の成績を3倍に拡大。その後、全国No.1売上の銀座支店長を務める。現在は、iYell株式会社の取締役と住宅ローンの窓口株式会社を設立し代表取締役を務める。

 

ガスの種類

都市で使われるガスと郊外で使われているガスの違いを知っておきましょう。

 

都市ガス

道路の下のガス導管を通じて供給されています。

天然ガスや石油系ガスを含めて原料、製造方法、発熱量などが異なる7つのグループ(13種類)に分類されます。天然ガスはメタンを主成分、石油系ガスはプロパンやブタンを主成分にした可燃ガスであるという違いがあります。

 

プロパンガス(個別式・集中式)

都市ガスのようにガス管を使用せず、各戸にボンベを設置して供給されます。

プロパンガスの容器には石油ガス(気体)を加圧していた液化した「液化石油ガス」が入っています。家庭で使われるプロパンガスは、プロパンと呼ばれる成分によってできており、都市ガスが普及していない地区の家庭や高カロリーを必要とする商業用、工業用、アウトドア用コンロなどにも利用されます。

 

個別式と集中式があります。

個別式 戸建にガスが入ったボンベを事業者が配送する供給方法
集中式 マンションやアパートにガスが入ったボンベを事業者が配送することで供給

 

 

都市ガスの調査方法と内容

現地での見分け方

現地に「G」と書かれたプレート、もしくは赤い杭があれば都市ガスを引き込んでいる可能性があります。

 

問い合わせ方法

東京ガスや大阪などの代表的な都市ガス会社での埋没状況の確認には、インターネットによる確認サービスが使用されています。

インターネットを使用していない都市ガス会社はFAXを使用していることが多く、インターネットかFAXかどちらかの方法で問い合わせをし、調査していきます。

 

調査内容

問い合わせでガス導管図を取得し、調査ポイントを踏まえて確認していきます。

調査する内容は以下の2点です。

  1.  埋没管の有無と管径
  2.  使用料や負担金の有無と金額

 

注意点

次の項目に該当する場合、撤去や更新する費用を検討する必要があります。

  1. ガスの引込管が隣地を経由していないか
  2.  隣地の引込管が敷地に入り込んでいないか

他人の土地利用をしているかどうかを確認するために引込管の調査範囲を広めに依頼したほうがいいでしょう。

また、ガス導管図は、敷地がどういう形をしているのか記載がないため、建物の形まではわかりません。そのためガス導管図を入手したら、必ず公図と現地を照らし合わせて確認していきます。

 

 

プロパンガスの調査方法と内容

現地での見分け方

建物の裏にボンベがある場合、個別式のプロパンガスを利用している可能性があります。

集中式のプロパンガスは、各戸にボンベがなくわかりにくいですが、大型ボンベから各戸に供給するスタイルなので、近隣を散策して管理している場所を見つけることで判別する方法が有効です。

 

問い合わせ方法

プロパンガスの場合、管理会社へ電話で問い合わせします。

 

調査内容

調査する内容は、以下の3点です。

① 個別方式か集中方式か

② ガス配管設備の所有権と使用料負担

③ 特別なサービスの有無

 

注意点

ガス配管設備の所有権がプロパンガス会社にあることもまれにあるため、都市ガスへの切り替えと同時にその設備の買い取りや使用料の負担を請求されることがあり、注意が必要です。

 

ガス配管埋設調査の注意点

ガス配管トラブルの多くが、他人の土地にガス配管が埋設されている、他人の土地を利用してしまっている場合です。

土地の所有者が変わって新たに使う場合に、配管が他人の土地の地下を通らなければいけないとなると、建築にも制限が生じます。

 

・Aさんの土地にガスの配管が埋設されている

 

このような状況は表向きでは分かりません。ガス配管図だけでは他人の土地を利用しているのかわからないので、注意が必要です。

調査の際は、売主様からの聞き取り、ガス導管図と公図を照らし合わせることで、他人の敷地内に配管されているのかどうかが確認できます。

資料を付き合わせて調査することを心がけましょう。

 

重要事項説明書に記載されるガスの調査項目

重要項目説明書には、次の3点の記載が必要になります。

項目① 可能な施設

直ちに利用可能な施設として利用できるガスは、次の3種類です。

  1. 都市ガス
  2. 個別プロパン
  3. 集中プロパン

 

項目② 配管等の状況

配管等の状況の項目は調査が必要です。ガス管について以下を調査し記載します。

  1. 前面道路の埋設管の位置・口径
  2. 敷地内への引込管の位置

敷地内配管とは、前面道路配管から敷地内メーター類まで引き込まれる配管のことです。ガス会社で確認し、現地で照らし合わせていきます。

 

項目③ 整備予定金・負担金

負担金の有無について記載する必要があります。調査した上でガス管をひく予定がある場合は、その時期と費用が発生するかについてこちらの項目で記載します。

 

 

定期的なガス設備点検とは

プロパンガスは、ガス漏れやガス爆発を防ぐために定期的に点検する必要があります。

点検のための日程調整や作業員を家に入れることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、ガスによる事故は毎年100件以上起きており、定期的な点検をすることをおすすめします。

以下のような事故が起きています。

  1. 一般消費者等起因:点火ミス、立ち消え、不適切な使用、誤開放
  2. LPガス販売事業者等起因:腐食等劣化、工事ミス、作業ミス、容器交換時の接続ミス

 

通知方法と流れ

「保安センター」から、点検を知らせるハガキや手紙が自宅に自宅に届きます。

点検日はガス会社から通知されるハガキに記載されています。

指定された日程が不都合な場合は、手紙に担当先が記載してあるため、連絡して日程調整をしましょう。事前にガス機器の掃除など、準備しておくことはありません。

 

点検内容と頻度

点検は一般的には20分程度かかります。主な点検箇所は以下の2か所です。

  1. 外のメーター
  2. 家の中のガスコンロ周り

特に、ガスコンロとつながっているガスのホースの交換、警報機の交換がメインになります。その他、配管、閉止弁、ゴム栓、ガスコンロの規格にあっているかなどを点検します。

 

プロパンガスの保安点検は、4年に1回は必ず実施することが法律で義務付けられています。ガスホースは15年に1回、外の機器も数年に一度は交換が必要です。

 

まとめ

ガスの種類や不動産調査で必要なガスの調査方法について説明しました。

ガスの配管や所有権でのトラブルが多いことから、しっかり調査することが大切です。

また、ガスの事故も起きていることから、お客様へ説明の際も、定期的な点検時期等も踏まえて、ガスの状態を伝えましょう。