不動産の「現状有姿渡し(現況渡し)」とは|トラブルを避ける方法
中古物件を引き渡す際に出てくる言葉が「現状有姿」です。 今回は現状有姿についての理解を深めて、トラブルなく円滑に引き渡しが行えるように、トラブルの事例や対策などを見ていきましょう。
保有している物件や土地などの不動産を売却するとき、一般的には不動産会社に仲介を依頼して買い手を探します。
しかし、多くの不動産会社の中からどのように依頼する不動産会社を選べばよいかは悩むものです。
そこで、注目すべき点のひとつに仲介実績が挙げられます。
不動産業従事者の方が、業界で大手不動産会社の規模を把握するべく、仲介件数の多い大手不動産会社をランキングでご紹介します。
過去に遡って不動産業界全体の売上高の推移を確認すると、平成21年から平成24年の売上高は減少傾向にあり、その後は増加傾向となります。
平成21年ごろにはリーマンショック、平成24年ごろにはアベノミクスが施行されるなど、不動産業界は景気や世界情勢に大きく影響を受けました。
また平成25年以降には東京都心部でのオフィスビル賃貸が好調となり業績は増加傾向に切り替わります。
不動産従事者として仕事を進めるうえで、不動産業界全体の知識や業界大手の特徴などの知識は、身につけておくと役に立つはずです。
今のうちからしっかりと把握しておきましょう。
仲介をしている不動産会社は全国に多数あります。
地域密着型の不動産会社もあれば、全国展開している大手不動産会社もあります。
では、大手不動産会社の実績はどのくらいなのでしょうか。
そして、どの不動産会社が多くの実績を有しているのでしょうか。
不動産業界に携わる方は、業界における規模や動向を知っておくことをおすすめします。
仲介件数の多い大手不動産会社を、ランキング形式で10社ご紹介します。
なお、仲介件数のデータは、2019年の不動産業統計集を参考にしています。
順位 | 社名 |
1位 | 三井不動産リアルティ |
2位 | 住友不動産販売 |
3位 | 東急リバブル |
4位 | 野村不動産グループ |
5位 | 三井住友トラスト不動産 |
6位 | 大京グループ |
7位 | 三菱UFJ不動産販売 |
8位 | みずほ不動産販売 |
9位 | 大和ハウスグループ |
10位 | 三菱地所リアルエステートサービス |
仲介件数 | 4万1,533件 |
取扱高 | 1兆7,068億4,300万円 |
店舗数 | 281店舗 |
手数料収入 | 850億800万円 |
手数料率 | 約5.0% |
1件当たりの平均手数料 | 約205万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約4,110万円 |
「三井のリハウス」と「三井のリパーク」というふたつのブランドに分かれています。
売却保証サービスがあり、3か月以内に売れなかった場合、査定価格の90%以内で買い取りをするため、確実に不動産を売りたい方に向いている会社です。
住まいクリーンアップサービスも実施しており、物件売却前には室内のクリーニングを行い、清掃により内見者のイメージアップを促して売れやすい環境を作っています。
仲介件数 | 3万7,643件 |
取扱高 | 1兆3,263億5,700万円 |
店舗数 | 270店舗 |
手数料収入 | 696億1,500万円 |
手数料率 | 約5.3% |
1件当たりの平均手数料 | 約185万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約3,520万円 |
問い合わせからアフターフォローまで営業担当者が一貫してお客様をサポートすることが特徴です。
そのため、実際に売却を行ったお客様からは、営業担当者の対応に満足しているという声が多く見られます。
実際に、ここ10年での仲介件数は毎年増加傾向にあります。
売却活動においては幅広い広告ネットワークを駆使しています。
SUUMOやアットホームなど、有名な不動産ポータルサイトも使用可能です。
売却保証の他に、空家クリーンや宅地測量などさまざまなサービスや保証を行っていることも仲介件数の伸びにつながっているといえます。
仲介件数 | 2万5,570件 |
取扱高 | 1兆2,455億3,000万円 |
店舗数 | 182店舗 |
手数料収入 | 601億4,900万円 |
手数料率 | 約4.8% |
1件当たりの平均手数料 | 約235万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約4,870万円 |
営業担当者の97%が宅建の資格を持っており、専門知識を生かしてお客様の物件売却をサポートすることが特徴です。
税理士と連携して無料で相続税簡易診断書を作成するサービス、買取サービスなど、不動産売却を考えている方にとって活用しやすいサービスも取り揃えています。
利用したお客様の口コミにおいても、スムーズで希望に近い価格で物件売却できたという声が多く見られます。
仲介件数 | 8,922件 |
取扱高 | 7,673億2,400万円 |
店舗数 | 86店舗 |
手数料収入 | 331億3,600万円 |
手数料率 | 約4.3% |
1件当たりの平均手数料 | 約371万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約8,600万円 |
野村證券をルーツにもつ不動産会社で、住宅事業に強く特にマンション開発に力を入れています。
野村不動産グループが開発したマンションというと「プラウド」が有名です。
2011年からは「オハナ」というブランドでもマンションを開発しています。
不動産ポータルサイトノムコムがあり、物件売却をしたい方はこのサイトに物件情報を掲載することが可能です。
土地診断・補修保証・ハウスクリーニングなどの、物件を売りたい方に有益なサービスも多数用意しています。
仲介件数 | 7,935件 |
取扱高 | 5,042億1,800万円 |
店舗数 | 72店舗 |
手数料収入 | 206億5,600万円 |
手数料率 | 約4.1% |
1件当たりの平均手数料 | 約260万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約6,350万円 |
信託銀行の不動産会社のため、銀行のノウハウをもって不動産売却をサポートすることができ、物件の資産運用、相続相談などもおこなっています。
また、信託銀行としての強みを生かし、物件相続や遺言の相談も受け付けています。
物件に関しては、空き家トータルサポート・土地測量調査サービス・住宅設備修理サポートなどのサポート面が充実してる点が特徴です。
三井住友トラスト不動産の営業エリアは、首都圏・中部・近畿・中国・九州と全国に渡っているため、多くの仲介件数を有しています。
仲介件数 | 6,580件 |
取扱高 | 1,686億600万円 |
店舗数 | 75店舗 |
手数料収入 | 76億6,600万円 |
手数料率 | 約4.6% |
1件当たりの平均手数料 | 約117万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約2,560万円 |
オリックスグループの不動産会社であり、会社は1979年創業と40年以上の歴史を持ち、長い実績があります。
なお、不動産売買は穴吹不動産が行っています。
会社名は知らなくても、ライオンズマンションやサーパスマンションといった、この会社の扱うマンション名は一般の方にもよく知られています。
物件売却においては直接買取りを実施しており、一定期間売れなかったら買い取るといった買取保証も行っていることが特徴です。
東京以外にも北海道から沖縄まで店舗があり、地域に密着した営業を得意とします。
仲介件数 | 5,569件 |
取扱高 | 4,149億2,900万円 |
店舗数 | 48店舗 |
手数料収入 | 175億6,700万円 |
手数料率 | 約4.2% |
1件当たりの平均手数料 | 約315万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約7,450万円 |
引っ越しや損害保険なども扱っており、住み替えて売却を行うときのサポートが充実していることが特徴です。
三菱UFJ銀行などもグループ会社にあるので、資産形成・投資・相続などの相談もワンストップで対応しています。
売却したい物件を対象に、検査・補修・修理などを行うサービスを提供しており、物件を総合的にサポートすることが可能です。
営業担当者の98%が宅建の資格を保有しており、専門的な知識でお客様の物件売却を進めます。
仲介件数 | 4,125件 |
取扱高 | 3,845億3,500万円 |
店舗数 | 42店舗 |
手数料収入 | 153億8,800万円 |
手数料率 | 約4.0% |
1件当たりの平均手数料 | 約373万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約9,320万円 |
みずほ不動産販売では大きめの宅地を取り扱うことが多く、建物調査や敷地調査サービスなどもサポートしています。
在職年数が長く、知識と経験を兼ね備えた営業担当者が多数在籍しています。
そのため、また取引したいと答えるお客様が多く、顧客対応において評判が良いです。
みずほ銀行やみずほ証券などがグループ会社のため、物件売却においてはローンなどの相談も可能です。
仲介件数 | 3,552件 |
取扱高 | 2,159億5,700万円 |
店舗数 | 68店舗 |
手数料収入 | 70億100万円 |
手数料率 | 約3.2% |
1件当たりの平均手数料 | 約197万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約6,080万円 |
住宅メーカーの大和ハウス工業、マンション管理の大和リビング株式会社など、多数の子会社を有しています。
そのため物件の仲介のみならず、物件管理なども得意としています。
不動産開発や管理なども取り扱っており、売却においても総合的な提案が可能な点が特徴です。
不動産仲介は「Livness」というブランドで行い、仲介・物件探し・空き家管理などに対応します。
グループ企業のノウハウや連携を活かして総合的にお客様をサポートしている会社といえます。
仲介件数 | 1,129件 |
取扱高 | 3,073億6,900万円 |
店舗数 | 8店舗 |
手数料収入 | 98億7,100万円 |
手数料率 | 約3.2% |
1件当たりの平均手数料 | 約874万円 |
1件当たりの平均物件価格 | 約2億7,250万円 |
仲介件数は少なめですが法人物件をメインに仲介しているため、マンションやオフィスビルの仲介を得意とします。
簡易土壌汚染リスク評価や簡易建物診断など四つのサービスを無料で行っていることも特徴です。
なお、個人向け物件仲介を担当する三菱地所ハウスネットの営業エリアは首都圏・中京圏・関西圏・広島で、全国規模ではなく地域を絞って対応しています。
そのため、仲介件数ランキングでは、三菱地所ハウスネットは18位となっています。
売却における住宅設備点検などのサービスを提供しており、住み替えや賃貸物件のことも相談可能です。
おすすめ不動産ランキングに続いて、不動産会社の業績ランキングを紹介します。(ここでの業績は売上高のことを指します)
売上高の高い会社を順に10社ランキング形式でまとめました。
不動産業界内の勢力把握や各企業の優位性などをご確認下さい。
データは2020年-2021年の最新版です。
早速、ランキングを確認していきましょう。
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 2兆円 |
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 1.4兆円 |
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 1.2兆円 |
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 9,174億円 |
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 9,077億円 |
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 8,105億円 |
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 5,806億円 |
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 4,089億円 |
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 3,396億円 |
市場名 | 東証1部 |
売上高 | 3,349億円 |
上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、年収の高い会社を順に10社ランキング形式でまとめました。
不動産業界内の勢力把握や各企業の優位性を把握する上で従業員の年収を知っておくこともとても重要です。
データは2020年-2021年の最新版です。
早速、ランキングを確認していきましょう。
平均年収 | 1,707万円 |
従業員数(単独) | 184人 |
平均年齢 | 39.4歳 |
平均年収 | 1,558万円 |
従業員数(単独) | 43人 |
平均年齢 | 40.3歳 |
平均年収 | 1,273万円 |
従業員数(単独) | 1,776人 |
平均年齢 | 40.8歳 |
平均年収 | 1,267万円 |
従業員数(単独) | 953人 |
平均年齢 | – |
平均年収 | 1,172万円 |
従業員数(単独) | 27人 |
平均年齢 | 47.9歳 |
平均年収 | 1,116万円 |
従業員数(単独) | 45人 |
平均年齢 | 38.7歳 |
平均年収 | 1,071万円 |
従業員数(単独) | 74人 |
平均年齢 | 42.5歳 |
平均年収 | 1,067万円 |
従業員数(単独) | 8人 |
平均年齢 | 51.4歳 |
平均年収 | 1,018万円 |
従業員数(単独) | 677人 |
平均年齢 | 42.6歳 |
平均年収 | 1,011万円 |
従業員数(単独) | 102人 |
平均年齢 | 42.5歳 |
大手不動産に仲介を依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
主なメリットは以下の3つです。
大手だけあって取引数が多いため、過去の取引も含めると膨大な顧客ネットワークを持っています。
その顧客ネットワークを通じて、売りたい物件の宣伝が行えるので、興味を持ってくれる顧客と出会える可能性は高まります。
さらに、不動産会社によっては売り手と買い手をマッチングするようなサービスを導入している会社もあるため、買い手をより見つけやすくなります。
規模で劣る地域密着型不動産会社には、なかなか真似できないところです。
また、大手不動産会社だと、不動産ポータルサイトに安い費用で広告を出すことが可能です。
不動産会社によっては、いくつものポータルサイトに広告を出しているケースや、自社運営のポータルサイトを運営しているケースも見られます。
サイトに掲載する広告料が安ければ、チラシやダイレクトメールなど他の広告に使える費用が増えて、より効率的な広告活動が行えるのです。
大手不動産会社では独自オプションを用意していることもあり、瑕疵(かし)保証や買取サービスなどが挙げられます。
これらのオプションを用いることで、万が一に備えられます。
なかなか物件が売れないとなれば、大手不動産会社が買い取ってくれるかもしれません。
室内クリーニングや設備点検などの、物件売却に使えるオプションを豊富に用意している会社も多いです。
大手不動産会社は会社規模が大きく、地域密着型不動産会社にはない特徴を持っています。
仲介取引件数が豊富で、オプションサービスが充実している会社も少なくありません。
さらに、大手不動産会社は幅広い広告ネットワークもあるため、物件が売れやすい環境が整っていることが多いのです。
不動産売却を行うなら大手不動産会社は大きな選択肢であるといえるでしょう。
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