「この物件、私にも買える?」に即答する。住宅営業がClaudeで自作する「住宅購入診断シミュレーター」の作り方
投稿日 : 2026年05月01日

住宅購入を検討中のお客様が抱える「本当にこの予算で、将来の教育費や老後資金は大丈夫か?」という切実な不安。この壁を突破するには、精緻な数字以上に、その場で不安を解消する「視覚的な納得感」が不可欠です。
そこで活用したいのがAIモデル「Claude」。本記事では、プログラミングの知識ゼロで、住宅営業の現場ですぐに使える「ライフプランシミュレーター」を自作する方法を解説します。
最新の住宅ローン控除や子どもの人数に応じた教育費変動まで網羅した、プロ仕様のツールがプロンプトひとつで完成します。ITが苦手な営業担当者こそ、AIを味方につけて競合他社に差をつける「信頼の提案スタイル」を手に入れましょう。
Table of Contents
住宅販売の現場での悩み:お客様の「不安」をどう解消するか
住宅営業の現場で、最も高い壁は「お金の不安」です。
「今の年収で返せるか?」「子供が2人になったらどうなる?」
こうした疑問に対し、口頭や複雑すぎるExcelシートで説明しても、お客様の不安はなかなか拭えません。
「今の年収で返せるか?」「子供が2人になったらどうなる?」
こうした疑問に対し、口頭や複雑すぎるExcelシートで説明しても、お客様の不安はなかなか拭えません。
「パッと見て、直感的に安心できるツールがあれば……」
そんな営業担当者の願いを叶えるのが、AI(Claude)によるツール作成です。
そんな営業担当者の願いを叶えるのが、AI(Claude)によるツール作成です。
Claudeとは?なぜツール制作に向いているのか
Claudeの「基本機能」と「できること」
「文章が上手なAI」というイメージの強いClaudeですが、実はビジネスやクリエイティブを加速させる多彩な機能を備えています。単なるチャットボットの枠を超えた、主要な4つの基本機能を紹介します。
1. 長大な情報の「多角的解析」と「要約」
Claudeは、一度に読み込める情報量(コンテキストウィンドウ)が非常に大きいのが特徴です。
- 大量の資料読み込み: 数百ページのPDFや、複数のドキュメントを一度にアップロードし、その内容に基づいた分析や比較が可能です。
- 要約・抽出: 膨大な議事録から「決定事項」と「ネクストアクション」だけを瞬時に抜き出すなど、事務作業を劇的に効率化します。
2. Artifacts(アーティファクト)による即時プレビュー
コードを書くだけでなく、その場で「動かす」までがセットなのがClaudeの強みです。
- アプリ・ツール制作: Reactなどのコードを生成し、右側のプレビュー画面で実際に動作を確認できます(今回紹介するシミュレーターはこの機能を使います)。
- 図解・グラフの描画: データを元にしたグラフや、Mermaid記法を用いたフローチャート、組織図などの「視覚的な図解」をその場で作成します。
3. 高度な論理推論と「思考の透明化」
数学的な問題や、複雑なロジックを必要とするタスクにおいて、Claudeは非常に優れた推論能力を発揮します。
- 思考プロセスの表示: なぜその回答に至ったのか、ステップごとに論理を組み立てて回答するため、ミスが少なく、人間が内容を検証しやすいのが特徴です。
- プログラミングのデバッグ: エラーが出たコードの原因を特定し、修正案を提示する能力もトップクラスです。
4. Project(プロジェクト)機能による専門化
特定の目的のために、Claudeを「自分専用」にカスタマイズできます。
- 知識の蓄積: 自社の社内規定や過去のプロジェクト資料などを「Project」内にアップロードしておけば、それらの背景知識をすべて踏まえた回答をしてくれるようになります。
- 指示の固定: 「回答は常に簡潔にする」「特定のフォーマットで出力する」といったカスタム指示を保存し、常に一定のクオリティを保てます。
無料でどこまでできる?
Claudeには無料プランがありますが、以下の制限があります。
- 利用回数: 数時間に数回〜十数回のメッセージ送信が可能。
- Artifacts: 無料ユーザーでも利用可能ですが、複雑なアプリを何度も修正していると、すぐに制限に達することがあります。
- 結論: ツールの「作成」自体は無料で十分可能ですが、現場で毎日何組ものお客様に使うなら、月額20ドルの有料プラン(Pro)への加入が推奨されます。
実際にツールを作ってみよう!(プロンプト紹介)
今回は物件価格・収支・ライフプランから35年後までを徹底分析する「住宅購入診断シミュレーター」を作成していきます。
どんなシミュレーターか、まずはこちらのサンプルをお試しください。

「住宅購入診断シミュレーター」で何ができる? 4つの核心機能
このシミュレーターは、数値を算出するだけの事務的なツールではありません。お客様のライフプランに踏み込み、納得感を生み出すための「コンサルティング・エンジン」です。
1. ライフステージに連動した「教育費の自動按分」
最大の特徴は、子どもの人数と教育コース(公立・私立)を反映した精密なキャッシュフロー計算です。
最大の特徴は、子どもの人数と教育コース(公立・私立)を反映した精密なキャッシュフロー計算です。
- ポイント:
- 単に「1,000万円かかる」と引くのではなく、進学時期に合わせて35年間の支出グラフに自動で割り振ります。これにより、「何年後に家計が一番苦しくなるか」を可視化。言葉で伝えるのが難しい「貯めどき」と「使いどき」を一瞬で示せます。
2. 「住宅ローン控除」を含む実質負担の算出
表面上の返済額だけでなく、税制優遇まで含めた「本当の持ち出し額」を計算します。
表面上の返済額だけでなく、税制優遇まで含めた「本当の持ち出し額」を計算します。
- ポイント:
- 2024年以降の最新制度に基づいた13年間のローン控除(0.7%)を収支に自動算入。「控除がある期間」と「終わった後」の収支のギャップを考慮した、現実的な返済プランを提示します。
3. プロの視点を再現する「動的アドバイス生成」
単なる「OK/NG」の判定ではなく、トップコンサルタントの思考ロジックを組み込んでいます。
単なる「OK/NG」の判定ではなく、トップコンサルタントの思考ロジックを組み込んでいます。
- ポイント:
- 「世帯年収に対する返済比率」と「万が一の時の貯蓄残高」のバランスをAIが分析。
- (例)「返済額は適正ですが、お子様が私立へ進学する場合、15年目に貯蓄が底をつくリスクがあります。今のうちに月○万円の積み立てをお勧めします」といった、一人ひとりの状況に合わせた踏み込んだ助言を自動生成します。
4. 「資産性」にフォーカスした賃貸比較
「家賃を払うのはもったいない」という感覚を、確かな数字で裏付けます。
「家賃を払うのはもったいない」という感覚を、確かな数字で裏付けます。
- ポイント:
- 35年後に「手元に何も残らない賃貸」に対し、「住宅ローンを完済し、資産(家)が手元に残る持ち家」の総コストをバーチャートで比較。修繕積立金や固定資産税などの維持費(月4万円設定)もあらかじめ計上しているため、「都合のいい数字」ではない、誠実で説得力のある比較が可能です。
実際にツールを作ってみよう!
以下のプロンプトをClaudeにコピー&ペーストするだけで、あなた専用のシミュレーターが完成します。
1. 「claude」で検索

https://claude.ai/new からClaudeを開きます。
2. 左側にある「アーティファクト」を押下

3. 「新規作成」を押下
右上の「新規アーティファクト」を押下します。

カテゴリーの選択肢が表示されます。
今回は、プロンプトが完成しているので「新規作成」を押下します。
今回は、プロンプトが完成しているので「新規作成」を押下します。

4. 「何を作りたいですか?」
「新規作成」を押すとチャット画面が開きます。
自動的に以下の画面が立ち上がり「何を作りたいですか?」と質問されます。
今回はプロンプトが決まっているので、「A: 白紙から始める」を選択してください。
自動的に以下の画面が立ち上がり「何を作りたいですか?」と質問されます。
今回はプロンプトが決まっているので、「A: 白紙から始める」を選択してください。

5. プロンプトを入力する
白紙から始める」を選ぶと、自由にプロンプトを入力できるようになります。

赤枠の部分に、以下のプロンプトをコピー&ペーストして入力してください。
# Role:
あなたは住宅販売のトップコンサルタント兼、モダンなUI/UXを得意とするエンジニアです。
「この物件を買って大丈夫か?」という顧客の不安に対し、明快な結論とアドバイスを提示するシミュレーターを構築してください。
あなたは住宅販売のトップコンサルタント兼、モダンなUI/UXを得意とするエンジニアです。
「この物件を買って大丈夫か?」という顧客の不安に対し、明快な結論とアドバイスを提示するシミュレーターを構築してください。
# Design Concept:
– **カラー**: 白背景を基調とし、アクセントカラーは「信頼の青 (#2563eb)」。
– **情報の整理**: 黒背景は一切禁止。大きなカードと余白を使い、情報の優先順位(結論 > アドバイス > グラフ)を明確にする。
– **カラー**: 白背景を基調とし、アクセントカラーは「信頼の青 (#2563eb)」。
– **情報の整理**: 黒背景は一切禁止。大きなカードと余白を使い、情報の優先順位(結論 > アドバイス > グラフ)を明確にする。
# Requirements & Logic:
1. **診断機能 (The Goal)**:
– 物件価格と収支バランスから「予算の安全性(A〜D判定)」 を算出。
– 「コンサルタントのアドバイス」を、貯蓄残高や返済比率に応じて動的に生成。
1. **診断機能 (The Goal)**:
– 物件価格と収支バランスから「予算の安全性(A〜D判定)」 を算出。
– 「コンサルタントのアドバイス」を、貯蓄残高や返済比率に応じて動的に生成。
2. **ライフプラン(子どもの人数を重視)**:
– **「子どもの人数(0, 1, 2, 3人)」の選択肢を最優先で配置。**
– 教育費ボタン:「公立コース(1000万)」「私立コース(2000万)」。
– 人数 × コースの教育費を、成長に合わせて35年間の支出に自動按分。
– **「子どもの人数(0, 1, 2, 3人)」の選択肢を最優先で配置。**
– 教育費ボタン:「公立コース(1000万)」「私立コース(2000万)」。
– 人数 × コースの教育費を、成長に合わせて35年間の支出に自動按分。
3. **住宅ローンと控除**:
– 元利均等返済の計算。
– 住宅ローン控除(13年間、0.7%)を収支に反映。
– 維持費(固定資産税・管理費など月4万)を自動計上。
– 元利均等返済の計算。
– 住宅ローン控除(13年間、0.7%)を収支に反映。
– 維持費(固定資産税・管理費など月4万)を自動計上。
4. **比較表示**:
– 「持ち家 vs 賃貸」の35年総コストをシンプルなバーチャートで比較。
– 「持ち家 vs 賃貸」の35年総コストをシンプルなバーチャートで比較。
# User Interface Elements:
– **左サイドバー(入力)**:
– 物件価格、金利、世帯年収(スライダー)。
– **子どもの人数(クリックしやすいボタン形式)**。
– 進学コース(公立/私立)。
– **右メインエリア**:
– **上段**: 「予算診断結果」カード(大きな判定文字、適正価格の提示、月々の実質負担)。
– **中段**: 「コンサルタントのアドバイス」エリア(文章で丁寧に解説)。
– **下段**: 「35年間の貯蓄推移グラフ」と「賃貸比較表」。
– **左サイドバー(入力)**:
– 物件価格、金利、世帯年収(スライダー)。
– **子どもの人数(クリックしやすいボタン形式)**。
– 進学コース(公立/私立)。
– **右メインエリア**:
– **上段**: 「予算診断結果」カード(大きな判定文字、適正価格の提示、月々の実質負担)。
– **中段**: 「コンサルタントのアドバイス」エリア(文章で丁寧に解説)。
– **下段**: 「35年間の貯蓄推移グラフ」と「賃貸比較表」。
# Output:
単一のReactコンポーネントとして、Artifacts内で即座に動作するコードを出力してください。
単一のReactコンポーネントとして、Artifacts内で即座に動作するコードを出力してください。
Lucide-reactアイコンを使用。
「↑」を押して実行してください。

プロンプトの指示に従って30秒程でClaudeがコードを作成してくれます。

5. 「公開」を押下
「住宅購入診断シミュレーター」が完成しました!
早速、右上の「公開」を押下してみましょう。
早速、右上の「公開」を押下してみましょう。

「Webに公開」を押すとリンクを知っている人が誰でもこのシミュレーションを利用することができるようになります。
社内の中だけで限定公開したいといった場合には、有料プランにアップグレードする必要があります。

5. 「リンクをコピー」
公開した画面がこちらです。
右上にある「クリップマーク」を押すとリンクURLを取得できます。
右上にある「クリップマーク」を押すとリンクURLを取得できます。

自社専用にアレンジするならここを変えて
プロンプトの「Requirements & Logic」の部分を少し書き換えるだけで、自社仕様にカスタマイズできます。
- 諸経費の変更: 維持費(月4万) を、自社物件の平均(修繕積立金など)に合わせて変更。
- 判定基準の調整: 返済比率が30%を超えたらD判定にする といったルールを追加。
- ロゴやカラー: アクセントカラー を自社のコーポレートカラーのカラーコード
- (例:#ff0000など)に変更。
無料枠で何回シミュレーションできるのか?(注意点)
作成したツールを「Web公開(Publish)」して、お客様のスマホや自社のタブレットで動かす場合:
- 公開されたツールの閲覧: 閲覧・操作自体には制限はありません。
- ただし: 無料枠のままプロンプトの「修正」を繰り返すと、作成途中で制限がかかることがあります。
- 現場運用のコツ: 一度完成したコードを保存しておけば、制限がかかっても別のチャットで再生成して使い続けることが可能です。
まとめ
これからの住宅営業は、「売る」だけでなく「不安を取り除く」プロであることが求められます。
AIを味方につければ、高価なソフトを導入しなくても、今日から最高のアドバイザーとしてお客様の前に立てるはずです。
AIを味方につければ、高価なソフトを導入しなくても、今日から最高のアドバイザーとしてお客様の前に立てるはずです。
導入前に必ずご確認ください:利用上の注意と免責事項
AIツールを実務に投入する際は、以下の3点を必ず遵守・ご理解ください。
1. 個人情報の取り扱いに注意(最重要)
Claudeに入力した情報は、設定によってはAIの学習に利用される可能性があります。
Claudeに入力した情報は、設定によってはAIの学習に利用される可能性があります。
- 実名は入力しない: 「お客様名」の入力欄はあえて設けていません。
- 特定を避ける: 年収や家族構成を入力する際は、あくまで「仮のシミュレーション」として扱い、顧客を特定できる情報の入力は控えてください。
2. 計算結果は「概算」であり保証されません
本ツールは入力されたロジックに基づき計算を行いますが、法的・財務的な正確性を保証するものではありません。
本ツールは入力されたロジックに基づき計算を行いますが、法的・財務的な正確性を保証するものではありません。
- 金利・税制の変動: 実際の金利推移や将来の税制改正、火災保険料の詳細などは反映されません。
- 最終判断: 必ず銀行の正式な審査回答や、ファイナンシャルプランナー等の専門家による精緻な診断を優先してください。
3. 免責事項
本プロンプトおよび生成されたツールの利用により生じた、いかなるトラブルや損害(資金計画の齟齬、契約上のトラブル等)についても、制作者および提供者は一切の責任を負いかねます。お客様へ提示する際は、必ず「あくまで目安としての簡易診断であること」を明記・説明した上でご活用ください。
本プロンプトおよび生成されたツールの利用により生じた、いかなるトラブルや損害(資金計画の齟齬、契約上のトラブル等)についても、制作者および提供者は一切の責任を負いかねます。お客様へ提示する際は、必ず「あくまで目安としての簡易診断であること」を明記・説明した上でご活用ください。
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