不動産売買契約書にかかる印紙税|金額・軽減税率や貼らない場合の罰則を解説
不動産取引においては、不動産売買契約書には収入印紙を貼る必要があり、領収書にも収入印紙が必要なケースがあります。
不動産売買契約を締結したら、次は代金の授受=決済をすることになります。
決済にはいくつかの準備が必要で、特に住宅ローンを利用する場合は、両当事者のやるべきことは多くなります。
今回は売主・買主それぞれの決済までの準備、やることリストを紹介します。
売買契約後にまず行うべき手続きが、買主の住宅ローン正式審査申込みです。
金融機関に住宅ローン正式審査申込みを行ない審査をクリアすると、「金銭消費貸借契約」を締結し、ローンを組むことができます。
通常、ローンの商品説明や金融機関への持ち込みなどを、宅建業者が代行します。商品内容を充分理解し、確実に対応しましょう。
事前審査なら審査にかかる日数は1日~1週間ほどですが、正式審査の場合は10日~2週間ほどかかります。
「融資利用特約」の期日内に、金融機関から審査結果の回答をもらえるよう、余裕を持って手続きすることが大切です。
したがって買主には、契約締結の際に、住宅ローン正式審査申込みの必要書類をすべて用意してもらうといいでしょう。
正式審査では、次のような内容をチェックされます。
◇正式審査の内容
「団体信用生命保険」に加入する際は、その審査もこの段階で受けます。
事前審査には通ったにもかかわらず、正式審査で非承認または減額となった場合、次のような理由が考えられます。
◇非承認になる理由
例:違法建築、再建築不可、心理的瑕疵、など
その他、追加書類を要求され、新たに問題が発覚するケースもあります。
住宅ローンの審査で正式承認を得られたら、金融機関と「金銭消費貸借契約(金消契約)」を結びます。
これは宅建業者が代行せず、申込者である買主本人が金融機関の窓口で行います。
金消契約を正式に結ぶと、以後の内容変更はできません。
融資条件を改めて確認し、不明点はどんどん質問するよう、買主にアドバイスしておきましょう。
また、条件を見直したい場合には、最後のチャンスとなることを伝えておきましょう。
◇金消契約日までに決めておく内容
※この日に売主の抵当権が抹消するので、抹消手続きと合わせて日程調整する。
◇金消契約の必要書類
例:運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、在留カード(外国籍の場合)など
買主が住宅ローンの正式承認を得たら、売主は物件の抵当権抹消の準備をします。
売主がまだ売却する物件の住宅ローンを支払っている場合は、金融機関への「完済依頼」が必要になります。
完済依頼とは、「この日に残債務を全て支払うので、抵当権抹消書類一式を準備してください」と依頼することです。
これは、完済日の2週間ほど前までに、契約者(売主)本人が金融機関の窓口で行います。
また、完済依頼手続きには完済日を設定するので、それまでに完済日を確定しておく必要があります。
次に、債務を弁済する金融機関と、決済当日の抵当権抹消書類の受け取り方について調整します。
通常、売主側の金融機関の担当者は、決済場所には同席しません。
そのため、決済後に売主本人か登記担当の司法書士が金融機関の窓口まで、抹消書類を受け取りに行きます。
金融機関が遠方の場合、決済場所か管轄法務局に一番近い支店の窓口で受け取れるよう依頼します。
上記が整い次第、金融機関が準備する抹消書類の事前確認を、司法書士に依頼します。
買主の金消契約と売主の完済依頼が終わったら、決済当日に支払う決済金の金種を確認します。
現金・振込・保証小切手などを、支払い項目ごとに区分しておきます。
通常は、売主の希望に合わせます。登記費用・仲介手数料などは、現金で用意するのが一般的です。
◇決済時の金種区分例
―――――――――――――――――――
合計 2,303万円
売買契約の際に、物件に関わる売主の未払い金(税金・光熱費・管理費など)があった場合は、決済日までに支払いが住んでいるか確認します。
振込用紙控や管理会社への連絡によって確認しましょう。
売主への口頭での確認では不確実なので、必ず書面での確認を徹底することが重要です。
不動産売買の契約の流れから決済、そして金融機関とのやり取りについてしっかりと理解をし、抜け漏れと遅滞のない手続きを目指していきましょう。
質の高い不動産業務を提供するためにも業務効率化は必須といえます。「いえーるダンドリ」なら住宅ローンに関する業務を代行することができ、業務効率化を図ることができるので、ぜひご活用ください。
不動産営業実務マニュアルに興味がある方は下記の記事をご覧ください。
不動産業務実務の基本に興味がある方は下記の記事をご覧ください。
不動産業務実務の基本関連記事
不動産取引の決済当日の流れ|登記手続き・融資実行・決済金処理などを解説
スムーズな融資実行のために|住宅ローン手続きの流れとおさえるべきポイント
![]() |
この記事の監修者:小倉 大将 「いえーる 住宅研究所」編集長 学生インターン期間を経て、新卒一期生としてiYell株式会社に入社。開発マネジメント部門・メディア事業部門を経験し、入社2年目にして「いえーる 住宅研究所」の編集長に異例の抜擢を果たす。現在、同メディアを不動産業界のDX推進の一翼を担う媒体とすることをミッションに、日々業務に励む。 Facebook / Twitter |