違約金が発生する違約解除とは|解約の条件や契約の定め方

投稿日 : 2019年10月26日

「違約解除」とは

「違約解除」とは、不動産売買契約において、契約後に取引相手が契約違反した場合、契約を解除できると定めるものです。

売買契約を締結すると、当事者に権利と義務が発生します。売主には物件引き渡しの義務、買主には代金支払いの義務が生じます。

契約成立後の一定期間は、手付金を放棄することで、原則理由を問われず解約できます(売主が解約する場合は手付金の2倍の額を支払う)。これを「手付解除」と言い、手付解除ができる期間を定めたのが「手付解除期日」です。

手付解除期日を過ぎると、自由に解約することができなくなります。手付解除期日以降の債務不履行は契約違反となり、違反者に対して相手側から損害賠償を請求できるようになるのです。

催告しても債務が履行されない場合は、契約を解除し違約金を請求できます

これが「違約解除」です。

 

「手付解除」と「違約解除」の違い

  • 手付解除とは

手付金を放棄することで、原則、理由を問われず解除できます。
手付解除期日まで可能。

  • 違約解除とは

相手の契約違反に対し、契約解除を申し出て違約金を請求できます。
手付解除期日の翌日から可能。

 

違約解除できる条件

違約解除は、以下の条件にすべて当てはまる場合に可能です。

  1. 手付解除期日を過ぎている
  2. 契約の履行に着手している
  3. 違反者へ債務履行の催告をしている

違約解除を申し出る場合にネックになるのが、2番の「履行の着手」です。「履行に着手」したかどうかの判断はケースバイケースで、簡単ではないからです。紛争になる場合もあり、契約内容やそれまでの経緯を詳しく検証することになります。

以下は、「履行に着手」していると見なされる例ですので、参考にしてください。

 

売主の「履行の着手」の例

  • 買主の要望で、建物を解体し更地にした
  • 買主の要望で、土地の実測を行った
  • 買主の要望で、建物の内装工事を行った

買主の「履行の着手」の例

  • 中間金を支払った
  • 建築請負契約を行い、建築業者に着工金を支払った
  • 引き渡し期日後、何度も催告し

 

違約金・違約解除の定め方

違約解除の開始日を設定する

違約解除ができるようになるのは、「手付解除期日」の翌日からです。不動産契約の慣例では、「手付金相当額で相手の損害をカバーできる期日」を目安として、手付解除期日を設定することが多いようです。

そのため、違約解除の開始日を決めるのは、手付金と手付解除期日であり、この二つの定め方が重要になります。

手付金は売買価格の5~10%が相場で、手付解除期日は契約日から約30日後が目安です。

 

違約金・損害賠償額(予定)を設定する

違約解除の際に違反者に請求する「違約金」や、債務不履行の債務者に請求する「損害賠償」の金額設定は、不動産業界の慣例・法令では次のようになっています。

 

<違約金の相場と損害賠償額に関する法令>

  1. 売買価格の10~20%程度
  2. 手付金相当額(少額の場合は①を採用)
  3. 売主が宅地建物取引業者の場合、違約金と損害賠償額(予定)の合計が売買価格の20%を超えてはいけません。ただし、買主も宅建業者の場合はこの限りではありません。(宅建業法第38条

 

両当事者に中立的な設定をする

契約解除に関わる取り決めは、当事者双方に公平でなくてはいけません。

一方に不利益・リスクが偏らないように、違約金や損害賠償額の予定、手付金、手付解除期日を適正に設定する必要があります。

また宅建業者には、両当事者がリスクを充分に理解できるよう、丁寧に説明する義務があるのです。