住宅ローン控除とふるさと納税の併用|手続き方法と注意点を解説

投稿日 : 2022年01月13日

住宅ローン控除

住宅ローンを組んでいる方の中には住宅ローン控除を利用しながら、「ふるさと納税」をしている方もいるのではないでしょうか?

いずれも所得税・住民税を減額できる制度ですが、併用によってデメリットが生じる場合もあります。

今回は住宅事業者が知っておきたい、住宅ローン控除とふるさと納税の関係について解説します。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除 イメージ

住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。

床面積50平米以上の住宅を購入した際、ローンの契約時から10年にわたって毎年のローン残高の1%(最大40万円)を限度に所得税・住民税から控除できる制度です。

「新築後20年以内である」「増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または模様替えであること」などの条件を満たせば、中古住宅やリフォームでも適用されます。

適用の条件

住宅ローン控除は10年に渡って最大40%の税額が控除される制度ですから、ぜひとも利用したいものです。

ただ、以下のような適用条件があるため、全員が受けられるとは限りません。

  1. 新築又は取得の日から6ヶ月以内に居住し、適用を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいる
  2. 住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が専ら居住用である
  3. 控除を受ける年の年間所得金額が3,000万円以下である
  4. 10年以上にわたる分割返済する方法になっている新築。または一定の借入金があること
  5. 一定期間について、その新築真矢は取得した家屋や土地以外の資産で「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」などの適用を受けていないこと

このほか、さらに詳細な条件については以下を確認してください。

【リンク】国税庁|No.1213 認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

ふるさと納税とは

ふるさと納税は、居住している地域以外の自治体に寄附として納税できる制度です。自己負担金(2,000円)を除く寄附金の全額が所得税・住民税から控除されます。

寄附を送った自治体から返礼品として肉類・海産物などがもらえるメリットがあり、人気が高まっています。

2つの制度とも所得税・住民税の控除が受けられる制度のため、併用することで大きな節税が見込めるでしょう。

ただし、年収に応じて控除額に上限があります。控除の上限以上に寄附しないように事前のシミュレーションは必須です。

住宅ローン控除とふるさと納税を併用できる理由

納税 併用

住宅ローン控除を利用している方でも、ふるさと納税で寄附した金額の控除を受けることはできます。

住宅ローン減税とふるさと納税で、減税の進め方が以下のように異なるためです。

  • ふるさと納税:所得税・住民税の両方から控除される(確定申告の場合)
  • 住宅ローン控除:所得税から控除されたあとに、満額控除できない分から住民税が控除される

住宅ローン控除を利用しても完全に控除しきれない所得税・住民税が残る場合には、ふるさと納税の控除のメリットがそのまま活きてきます。

住宅ローン控除とふるさと納税の併用のポイント・注意点

ポイント・注意点

住宅ローン控除とふるさと納税を併用する場合は満額の住宅ローン控除を受けられない可能性があります。

ワンストップ特例制度を使えば問題なし

ワンストップ特例制度は確定申告を行うことなく、ふるさと納税による控除が受けられる仕組みのことです。

  • ふるさと納税を申込した自治体が1年で5ヶ所以下に収まっている
  • もともと確定申告が不要な給与所得者
  • ふるさと納税以外に確定申告するものがない

上記の条件を満たす方は確定申告を使わずに控除が可能です。

ふるさと納税で控除を受ける方法には「確定申告」「ワンストップ特例制度」の2種類があり、ワンストップ特例制度なら住宅ローン減税との併用でも控除額が減ることはありません。

ワンストップ特例を利用する場合、ふるさと納税では住民税分から全額が控除されます。

一方の住宅ローン控除では住民税からの控除額には上限があるため、住宅ローン控除を利用した残りの金額から全額をふるさと納税で控除できます。

確定申告では控除額が減額することがある

ワンストップ特例制度と違い、ふるさと納税分を確定申告する場合は控除額が減額される場合がある点に注意が必要です、

ふるさと納税の申告を確定申告で行うと住民税からだけでなく、所得税からも税金の控除が行われます。所得税がふるさと納税と住宅ローン控除の両方から差し引かれるため、2つの控除額が所得税を上回ることがあります。

住宅ローン控除分が満額受けられない可能性が出てきます。

ワンストップ特例制度は住宅ローン1年目に使えない

ワンストップ特例を利用する場合、住宅ローン控除が減額されることはありません。ただ、ワンストップ特例制度が利用できないケースもあります。

まず、給与所得者でないと利用することはできません。毎年の確定申告が必要な自営業者やフリーランスが該当します。

また会社員であっても住宅ローンを組んだ1年目はワンストップ特例制度を利用できません。住宅ローン控除は、最初の1年目は確定申告をしないといけないためです。

「確定申告の必要がない給与所得者」という条件から漏れてしまうため、ワンストップ特例制度が使えなくなります。

住宅ローン控除とふるさと納税を併用した際の計算ができるサイト

税金 計算

住宅ローン控除とふるさと納税の関係をシミュレーションできるサイトとして、2つのサイトを紹介します。

ふるさとチョイス

ふるさとチョイスでは、「控除額上限シミュレーション」によって住宅ローン控除を利用した場合の控除上限額を試算できます。

  1. あなたや家族の所得はいくら?
  2. あなたの家族構成は?
  3. あなたの保険料や控除額はいくら?

上記3つの項目を埋めることで上限額の試算ができます。3.の「住宅借入金等特別控除」に金額を入力すれば住宅ローン控除を加味した上限額が計算できます。

【リンク】ふるさとチョイス|控除上限額シミュレーション

ふるさとプラス

ふるさとプラスでは「ふるさと納税額シミュレータ」を利用することで、ふるさと納税が住宅ローン控除に及ぼす影響をシミュレーションできます。

  1. 寄附者について
  2. 扶養家族について
  3. 住宅ローン控除を利用する場合について

1と2を入力後、3の「①住宅ローン控除適用日」「②住宅借入金控除額」の2つを入力すれば住宅ローン控除額への影響の目安を知ることができます。

【リンク】ふるさとぷらす|ふるさと納税 控除の目安と限度額の計算方法

まとめ

今回は住宅事業者が知っておきたい、住宅ローン控除とふるさと納税の関係について解説しました。

確定申告しない会社員であれば両方の制度をフル活用できますが、一部のシーンではワンストップ特例制度が使えないことで住宅ローンの控除額が減額になる可能性もあります。

制度内容を理解したうえで、的確に顧客に解説できるように知識を深めていきましょう。

kobayashi この記事の監修者:小倉 大将
「いえーる 住宅研究所」編集長
学生インターン期間を経て、新卒一期生としてiYell株式会社に入社。開発マネジメント部門・メディア事業部門を経験し、入社2年目にして「いえーる 住宅研究所」の編集長に異例の抜擢を果たす。現在、同メディアを不動産業界のDX推進の一翼を担う媒体とすることをミッションに、日々業務に励む。
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