不動産登記の情報変更はどうする?手続きの方法とかかる費用を解説

投稿日 : 2023年02月20日/更新日 : 2023年06月08日

不動産を購入すると、不動産登記をしなければなりません。

もっとも、登記についてよく知らないという方も多いはずですので、以下では、登記情報の変更手続きの方法に加えて、その際に必要になってくる費用についても解説していきます。

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不動産登記とは何か?

まずはじめに、そもそも不動産登記とは何かについて説明します。

不動産登記は土地や建物の所有者を証明するためのもの

不動産登記というのは、その名の通り、不動産についての登記です。登記とは、公に権利関係を明らかにするために設けられている制度で、不動産以外にも会社などに関する商業登記や船舶に関する船舶登記などが存在しています。

不動産登記は、土地や建物といった不動産についての権利関係を示すものとなっており、そこに所有者として記載されることによって、自らがその不動産を所有しているというのを第三者に対しても主張できるようになるのです。

逆に言うと、不動産登記に自分の名前がないと、せっかく土地などを購入しても、第三者がその土地は自分のものであるといったクレームを受けた際に、それに対して法的に対抗することは困難です。そのため、そういった事態を避けるためにも、不動産を取得した場合には、なるべく早いタイミングで登記の変更手続きを行う行う必要があります。

不動産登記に記載される項目とは?

次に、不動産登記にはどのような項目が記載されるのかを見ておきましょう。まず、不動産登記は、一つの不動産について一つずつ作られるのが原則です。

そのため、土地の上に建物がある場合には、土地と建物について、それぞれ不動産登記が存在することになります。それぞれの不動産登記は、表題部、権利部(甲区)、権利部(乙区)の3つに分かれており、このうち表題部には、土地であれば所在や地番、地目、地積、登記日などが、建物であれば所在や家屋番号、建物の種類、構造、床面積、登記日などが記されます。

また、甲区には、その不動産の所有者に関する情報が記載されるようになっており、そこを見れば、誰が、いつ、どのような理由でその不動産の所有者になったのかが分かるようになっています。

一方、乙区に記載されるのは所有権以外の権利に関する情報です。

具体的には、抵当権や地上権、地役権などで、これらはいずれも所有権を一部制限するものですので、不動産を購入する場合には乙区をしっかりとチェックして、自分にとって不都合な権利が設定されていたりしないかを確認するようにしなければなりません。

不動産登記の情報変更はいつ必要なのか?

では、不動産登記の情報は、どのような場合に変更しなければならないのでしょうか。ここでは、代表的なケースを紹介します。

姓が変更になった場合

まず一つ目は、権利者の姓が変わった場合です。不動産登記は不動産についての権利関係を示すものなので、そこに記載される人物の氏名は戸籍と同様である必要があります。

そのため、結婚や離婚などで改姓した場合は、自らが権利者であることを示すために、すみやかに不動産登記の情報を変更しなければならないのです。

住所が変更になった場合

二つ目は、住所が変わった場合です。あまり頻繁に起こるものではありませんが、区画整理や市区町村の合併によって、稀に不動産がある場所の住所が変更になるケースがあります。そのような場合には、変更後の住所を不動産登記にも反映させなければならないのです。

所有者の住所が変わった場合

三つ目は、所有者の住所が変更になった場合です。

例えば、転勤などで所有者が別の場所に引越し、不動産を賃貸に出すようなケースが該当します。登記中では所有者を特定するために、住所についても記載されるようになっていますので、そのように引越しなどで住所が変わった場合には、変更登記を行う必要があります。

所有者の死亡による相続が発生した場合

四つ目は、不動産を所有している人が亡くなって相続された場合です。

後から相続争いが蒸し返されたりしないように、不動産を相続した人は、なるべく早いうちに変更登記を行っておくのがおすすめです。

なお、相続協議によって、一つの不動産を複数の相続人間で共有したり、不動産をいくつかに分筆してそれぞれが相続したりするような場合には、共有登記や分筆登記といった手続きを行わなければなりませんが、それらを行うためには専門的な知識が求められるため、司法書士などの専門家に相談するとよいでしょう。

不動産登記の情報を変更するための方法

続いて、不動産登記に記載されている情報を変更するための方法について説明します。

司法書士に依頼して情報変更

まず、もっとも一般的なのは、司法書士に依頼して変更登記手続きを行ってもらうという方法です。

司法書士というのは、登記や供託といった法律事務を取り扱う職業で、それになるためには国家資格である司法書士試験に合格しなければなりません。登記に関する法律についての深い知識を備えているため、依頼すれば複雑な変更手続きをスムーズに代行してもらえます。

司法書士に依頼する際には、当然ながら一定の手数料が発生しますので、その点には注意しなければなりません。依頼の内容や司法書士によって金額は少しずつ違ってきます。

例えば、売買に伴う不動産の所有権移転登記を依頼する場合は5万円から6万円ほど、相続に伴う不動産の所有権移転登記の場合には6万円から8万円ほどが平均的な相場となっています。

なお、不動産の購入する際には、不動産業者の方から司法書士を紹介してもらえるケースが一般的ですので、特にこだわりがないようであれば紹介された司法書士に依頼すればよいでしょう。

自分で変更手続きを行うことも可能

実は不動産登記の変更手続きは、登記所に出向けば自分でも行えるようになっています。当然ながら、自分でやれば司法書士には手数料を支払わなくて済みますので、少しでも節約したい場合には挑戦してみるのもよいでしょう。

ただし、手続きにあたっては様々な書類を用意しなければなりませんし、場合によっては不動産についての法律知識が必要になるケースもあります。

また、不動産取得に際して金融機関のローンを利用するような場合には、金融機関の方から司法書士を使うように求められることがありますので、本当に自分でやって問題ないかは事前にしっかりと確認しておかなければなりません。

不動産登記の情報変更はどれくらい費用がかかるのか?

では、不動産登記の情報変更を行う際には、どれくらいのお金が必要になってくるのでしょうか。

まず、司法書士に依頼して手変更手続きを行う場合には、前述の手数料が発生します。また、それに加えて、登録免許税を支払わなければなりません。この登録免許税の金額は一律に定まっているわけではないのです。

例えば、売買に伴う土地の所有権移転登記の場合にはその評価額の1.5パーセント、建物であればその評価額の2パーセント(一定の要件を満たせば軽減税率の適用が受けられる)となります。

そのため、評価額が2,000万円の土地の所有権移転登記をしようとすると、登録免許税だけでも30万円の費用負担が発生するのです。なお、相続に伴う所有権移転登記の登録免許税は、土地、建物ともに、その評価額の0.4パーセントとなっています。ちなみに、贈与の場合には2パーセントです。

変更登記手続きについてのまとめ

不動産の権利関係について何らかの変更があった場合には、すみやかに変更登記を行わなければなりません。いつまでに変更しなければならないかという点については明確な定めがあるわけではありませんが、第三者から権利を主張されるリスクを減らすために、できる限り早期に手続きを行うようにするとよいでしょう。

手続きは自分で行うこともできますが、専門的な知識が求められるため、できればプロである司法書士に依頼するのがおすすめです。その場合には、登録免許税に加えて、司法書士に支払う手数料を負担することになります。

不動産取引を行う際は変更登記手続きの方法をしっかりと理解しておこう

以上で見てきたように、不動産登記は不動産の権利関係を公に示す非常に重要な制度です。

不動産を購入したりする際は、取引後にスムーズに変更登記手続きができるように、事前にしっかりとその仕組みを理解しておきましょう。

この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。
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