不動産営業マンが知っておきたい第一種低層住居専用地域の知識|第一種低層住居専用地域についてのまとめ
用途地域の一種である第一種低層居住専用地域は、住環境の良さから高級住宅街として人気です。
自治体が都市計画を進めるうえで、既存の道路を拡張したり、新たな道路を敷設する場合があります。これを都市計画道路と言います。
建物の建築計画を立てる際には、建築予定地が都市計画道路の範囲に入っていないかを確認することは非常に重要です。
都市計画道路によって整備された土地は評価額が上がるものの、それはあくまでも都市計画道路が完成した後になるからです。
今回は、都市計画道路の事業予定について確認していきましょう。
都市計画道路事業には以下の2段階があります。
都市計画道路の工事に関しては、たとえ計画決定になったとしても実際の工事が始まるまでには何年もの歳月がかかるのが一般的です。
計画決定後に何年たっても進捗がなく、結局廃止となってしまうケースも存在します。
その間ずっと地権者は厳しい制限を受け続けることになってしまいますので、都市計画道路の予定については常に目を光らせておく必要があります。
それでは、都市計画道路事業により地権者はどのような制限を受けるのでしょうか。
計画決定段階ではまだ建物の新築や増築が許可される場合もありますが、事業決定段階 まで進むと基本的には都市計画法第53条により建物は建てられなくなります。
災害時の応急措置による建物などは一部認められていますが、その場合でも以下の条件をクリアし、容易に移転・除去できるような建築物にする必要があります。
★都市計画道路の建築条件★
主要構造部が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造の2階以下の建物で、地階を有しない建物
都市計画道路事業予定地の確認をする際は、各自治体の都市計画課などの窓口で都市計画地図を参照します。担当者には以下の点を必ず確認しましょう。
「この都市計画道路は計画決定ですか?それとも事業決定ですか?」
→ 計画決定日・計画決定番号・事業決定の予定の有無を確認
「事業決定となっている都市計画道路の工事開始と完了予定を教えてください」
→ 事業の開始時期・完了予定時期を確認
「対象地に課せられている建築制限を教えてください」
→ 具体的な建築制限を確認
先ほど、都市計画道路の工事が実際に始まるまでには何年もの歳月がかかると申し上げました。
その間ずっと建築制限がされてしまうのでは、都市計画道路予定地に入ってしまった地権者はたまりません。
そこで最近では、長年事業決定がされていない状態の都市計画道路は緩和路線として、建築制限の緩和措置を設けるようになってきました。
自治体により緩和路線の規定は異なりますが、以下のような緩和措置をとっている自治体が多いようです。
★緩和路線の建築条件★
主要構造部が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造で、高さが10m以下かつ3階以下の建物。かつ地階を有しないこと。
今回は都市計画道路の計画決定・事業決定が建築計画に与える影響について解説しました。
都市計画道路の指定区域に入ると、建物の建築はかなりの制限がかかってしまいます。
都市計画道路の恩恵を受けるか否かは、工事完了までの事業予定をしっかりと確認したうえで、お客様とご相談しましょう。