不動産売買契約の締結|売買契約書の内容や注意点・契約時に用意するものを確認

投稿日 : 2019年09月16日/更新日 : 2024年03月28日

不動産売買の契約手続き

売主様買主様の間で売買契約する合意ができたら、いよいよ正式に売買契約を締結することになります。

売買契約の締結手続きには、法的効力のある「売買契約書」を取り交わします。それまでに交わす買付証明書・売渡承諾書では正式契約は成立しませんが、「売買契約書」を交わし「手付金」を授受した時点から、両者に法的な権利と義務が生まれるのです。

 

不動産の売買契約書に記載する内容

不動産の「売買契約書」に記載する主な内容は、以下の通りです。

 

◇「売買契約書」の主な記載事項

  • 当事者の住所・氏名
  • 取引対象物件の特定に必要な情報…不動産の表示。登記内容に基づき記載。
  • 物件の引渡し時期、所有権移転登記申請時期
  • 売買代金・交換差金・支払い方法・決済時期
  • 手付解除期日・違約金の額…○円または○%で金額を記載。
  • 融資利用特約…特約期日・融資利用額・金融機関名を記載。
  • 構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項(中古住宅の売買の場合のみ)
  • 反社会的勢力の排除条項…違反時には契約解除の旨を明記。
  • 特約条項…個別の取り決めを記載。

 

トラブルの原因になりやすい「特約条項」に要注意

特約条項は、各案件ごとの独自の取り決めなので、例外的な内容も少なくありません。そのため、当事者間の認識の食い違いが発生しやすく、トラブルの原因になりやすい項目なのです。

 

しかし、お客様同士のトラブルは、宅建業者や案件担当者の責任です。担当者の説明不足・知識不足によるトラブルは絶対に避けなければなりません。

 

そのためには、契約締結前の丁寧な確認が不可欠です。買付証明書・売渡承諾書での確認、重要事項説明での確認を充分に行い、重要ポイントは何度も説明するようにしましょう。

 

◇トラブルになりやすい特約条項の例

  • 物件の引き渡し状態の取り決め(現状有姿、内装渡し、更地渡し、など)
  • 売主様が引き渡しまでに行う工事や作業の内容・範囲
  • 売主様が瑕疵担保責任を負う範囲と期間、免責範囲
  • 買い換え特約に関する買主様所有物件の内容・価格・売却期日など
  • 任意売却における担保抹消に債権者の同意や協力を得ることを停止条件とする内容
  • 遺産分割協議書に基づく売買契約で、相続登記未了の場合の売主様の責任
  • 借地権付建物の売買契約で、地主の借地権譲渡の承諾に対する売主様の責任
  • 借家人付建物の売買契約で、賃貸借契約の承継と保証金・敷金の取り扱い

 

契約時に売主様買主様が用意するもの

売買契約書は宅建業者や担当者が用意しますが、当事者に用意してもらうものもあります。契約締結時には、売主様・買主様に以下のものを用意してもらうよう、事前にお知らせしましょう。

 

売買契約締結時に当事者が用意するもの

【買主様】

(個人の場合)

1.収入印紙(売買契約書添付用)
2.手付金…買主様が用意。金種(現金・小切手など)を、売主様・買主様双方の希望を事前に確認しておく。
3.印章(いんしょう・はんこのこと。)…共有名義の場合は共有者全員分をそれぞれ。
4.ご本人確認書類…下記のもののいずれか。共有名義の場合は共有者全員分をそれぞれ。
・運転免許証
・パスポート
・健康保険証
5.仲介手数料の半金…不動産仲介事業者によって、支払い条件がことなります。
(法人の場合)
1.収入印紙(売買契約書添付用)
2.手付金…買主様が用意。金種(現金・小切手など)を、売主様・買主様双方の希望を事前に確認しておく。
3.代表者印…共有名義の場合は共有者全員分をそれぞれ。
4.ご本人確認書類…下記のものすべて。共有名義の場合は共有者全員分それぞれ。
・商業登記簿謄本
・代表者の本人確認書類
・当日代表者以外の者が代理で出席する場合にはその者の本人確認書類
5.仲介手数料の半金…不動産仲介事業者によって、支払い条件がことなります。

【売主様】

(個人の場合)

1.収入印紙(売買契約書添付用)

2.印章(上記、買主様(個人の場合)と同じ)

3.ご本人確認資料(上記、買主様(個人の場合)と同じ)

4.権利証(登記識別情報)…原本。権利証に貼ってあるシールは絶対に剥がさないで下さい。

 

(法人の場合)

1.収入印紙(売買契約書添付用)

2.代表者印

3.手付金の領収書

4.ご本人確認書類..下記のもの全て。共有名義の場合は共有者全員分それぞれ。

・商業登記簿謄本
・代表者の本人確認書類
・当日代表者以外の者が代理で出席する場合にはその者の本人確認書類

5.権利証(登記識別情報)…原本。権利証に貼ってあるシールは絶対に剥がさないで下さい。

 

代理人契約の場合には、売買契約当日に上記に加え、下記のものが必要になります。例えば、売買対象不動産が夫婦共有名義となっている物件で、売主様の一人である夫が仕事で売買契約締結の場に出席できず妻だけが出席するといった場合には、夫から妻に対する委任状が必要になります。

  1. 委任状…署名、実印による捺印が必要。
  2. 委任者の印鑑証明書
  3. 受任者の本人確認書類
  4. 受任者の印章

※委任者:本人 受任者:代理人

 

売買契約当日の出席者の印章は、必ずしも実印である必要はありませんが、売買契約の後に行なう住宅ローンの正式審査や金銭消費貸借契約(略称:金消契約・キンショウケイヤク)の際に実印の捺印が求められ、売買契約書の印影と違うと指摘される可能性があります。無用な手間を防ぐためにも実印をご用意頂くほうが好ましいでしょう。

上記のものすべてを揃えるには、ある程度時間が必要となります。

例えば、手付金は振り込みではなく当日現金持参とすることが多く、売買契約当日にATMでお金をおろそうと考えていたら、一日の出金限度額を超える額でおろせなかった…ということも起こり得ます。売買契約当日にあわてることがないよう、事前に余裕を持ってお知らせしましょう。

不動産営業実務マニュアルに興味がある方は下記の記事をご覧ください。

不動産営業実務マニュアル

不動産業務実務の基本に興味がある方は下記の記事をご覧ください。

不動産営業実務の基本

不動産業務実務の基本関連記事

to-page-top