Airbnb投資とは|不動産投資との違いとメリット・デメリットを解説

投稿日 : 2020年06月16日/更新日 : 2023年06月03日

近年、いろんな働き方のスタイルが広がり、副業を始める人も増えています。その中でも、従来の不動産投資より気軽に始められる方法として「Airbnbを利用した投資」が注目を集めています。

今回は、Airbnb投資の概要とメリット・デメリットについて、全体像を解説していきます。

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Airbnb投資とは

Airbnbは、アメリカに本社を構える「所有する空き家を他人に貸し出す」サービスを提供するサイトのことです。宿泊施設として空き部屋を貸し出す人と利用する人を、webサイト上でつなぐサービスを展開しています。

現在では192ヶ国にも事業が展開され、2014年5月には日本法人が東京で設立されています。

日本においては「ビザ発行の条件緩和」「東京オリンピック開催」「政府による観光立国への取り組み」等によって訪日客は増加の一途を辿っています。

宿泊施設不足を背景に民泊が広がりを見せたことで、Airbnbもますます注目を集めているのです。

なお、Airbnbにおける投資とは、「ホストになって部屋を貸し出すこと」を指します。

不動産投資との違い

Airbnb投資と同じく、部屋を貸し出して利益を得る投資に「不動産投資」が存在します。物件を購入する不動産投資と賃貸を利用するAirbnbでは、気軽さや収益性に大きな違いがあるのです。

ここでは、「初期投資費用」「収益性」「管理の手間」の3つに分けて解説します。

あわせて読みたい:始める人が急増中|20代で不動産投資を始める人のメリットと注意点

初期投資費用

Airbnb投資は、賃貸物件を借りて民泊施設としてスタートすることができます。負担する費用は家賃のほか、敷金・礼金や家具類の調達に限られます。そのため100万~200万円があれば投資を始めることが可能です。

一方、不動産投資はマンション等を購入した上で賃貸物件として貸し出しを行うスタイルです。そのため、1,000万~2,000万円の費用がかかることも珍しくありません。

より少ない初期費用で投資を始めるのなら、Airbnbの方が優れています。

収益性

Airbnbは、賃貸物件を旅行客の宿泊に利用することを目的としています。そのため、年末年始や春節といった、バカンスのシーズンでは盛況する一方、閑散期には安定して宿泊客を得ることができません。

一方の不動産投資は、住居として長期間利用する人に部屋を貸し出します。部屋を埋めることができれば、長期に渡って安定して家賃収入を得ることができます。

収益性の高さでは、従来からの不動産投資のほうが安定していると言えます。

管理の手間

管理の手間については、Airbnb投資でも不動産投資でも発生します。

Airbnbは、短期宿泊のお客様が入れ替わりで宿泊をする形式の民泊です。その都度の清掃や、ものが壊れた時の修理の対応をする必要があります。

一方、不動産投資は大規模修繕等によって大きな出費がかかる場合があります。

掃除や修繕のスパンが短く、外国人宿泊者のマナーの悪さによっては近隣とトラブルになる可能性を考えると、Airbnbの方が手間がかかるとも言えそうです。

Airbnb投資のメリット

Airbnbは、訪日外国人客の増加に対応する手段として、注目を集めています。また、不動産投資よりも参入障壁が低いことからも、投資としても魅力的な要素を備えています。

主なメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 民泊需要が増え続けている
  • 少ない初期費用で始められる
  • 不動産投資よりリスクが低い
  • 複数の物件を所有することで収益を増やしやすい

民泊の需要は増え続けている

2019年の訪日外国人の数は「3,188万人」と3,000万人を大きく超えており、過去最高を更新しています。

オリンピックが終わっても、この流れは政府の後押しもあって加速していくと予想されます。事実、観光庁は「2030年に訪日観光客を6,000万人にする」という目標を掲げているのです。

訪日外国人が増え続ければ、民泊によるビジネスチャンスも拡大していきます。

少ない初期費用で始められる

Airbnbは、賃貸物件を宿泊施設として活用することが可能です。そのため、初期費用は当面の家賃のほか、敷金や礼金・家具費用等に限定されます。少ない場合は数十万円から100万円以内で投資を始めることも可能です。

初期費用が1,000万円以上かかることもある従来の不動産投資を比べ、誰でも気軽に参入することができます。また、初期費用が安いことで、黒字化するまでの期間が短くなりやすいことも特徴です。

ランニングコストは「家賃+3~4万円」が相場

Airbnbにかかるランニングコストには以下のようなものがあります。

  • 家賃:6~10万円
  • 消耗品費:約1万円
  • 水道光熱費:約1万円
  • 仲介手数料:宿泊費の3%(1万円前後)

このように、月々のランニングコストは「家賃+3~4万円」が相場です。

一方、「言語の翻訳サービス」や「清掃代行」等を利用すると宿泊代金の15~30%(5万円~8万円)がかかり、利便性が向上する代わりに収益性が悪化することがあります。

不動産投資よりリスクが低い

不動産投資は、物件を購入する初期投資で1,000万円以上の金額を使うことが一般的です。何らかの理由で不動産の価格が暴落する・震災で建物自体が無くなる等のトラブルが発生した時に、資産を失う可能性があります。

その点、賃貸物件でAirbnbを行っていれば資産価値が下がる心配がありません。また、もしも「儲からない物件」だった場合でも、借り換えることで再出発が比較的用意です。

複数の物件を所有すれば収益を増やしやすい

Airbnbであれば初期費用が安いことで、同じ金額で不動産投資より多くの物件を所有することができます。また、黒字化させたノウハウを別の物件で活用しやすいという点も特徴です。

複数の物件を持ちやすいことで、収益を増やしやすくなっています。

Airbnb投資のデメリット

気軽に始められるのが魅力のAirbnbですが、不動産投資にはない独自のデメリットも存在します。

ここでは、Airbnb投資のデメリットとして以下の3つを紹介します。

  • 近隣住民とトラブルになる
  • 売り上げが安定しない
  • 宿泊手続きや清掃の手間がかかる

近隣住民とトラブルになる場合がある

通常の住まいとして長期で住むことが前提の不動産投資では、近隣とのトラブルは限定的です。一方、さまざまな国・地域の人が短期間で入れ替わって宿泊するAirbnbにおいては、マナーや習慣の違いから近隣とトラブルになることもあります。

宿泊者に外国語で注意を促したり、近隣住民への謝罪を行う場合も出てくるのです。

売り上げが安定しない

宿泊客に賃貸物件を貸し出すビジネスモデルである以上、バカンス期間以外のシーズンにおいては使用する人が極端に少なくなります。

毎月同じ家賃を得られる不動産投資と違い、シーズンごとに細かく家賃設定を変えるなどの手間が発生します。

宿泊手続きや清掃の手間がかかる

毎日のように宿泊客が入れ替わるため、その都度清掃や部屋のメンテナンスが必要になります。基本は投資家自身が清掃作業に携わることになるため、忙しくて時間が取れない・宿泊客とのトラブルに対応しきれない等の問題が発生することもあります。

「代行サービス」を使えば雑事は代行会社に任せることができますが、利益が圧迫されて黒字化が遠のくというデメリットもあります。

まとめ

今回は、Airbnb投資の概要とメリット・デメリット等の全体像を解説しました。

民泊新法の施行に伴って、今後もAirbnb投資は勢いを増してくることが予想されます。一方、法律に抵触しない投資をすることが重要になります。

興味を持っている買主様には、最新の法令を間違いなく紹介するようにしましょう。

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。