住宅ローンアドバイザーとは?難易度や試験内容、活かせる業界を解説

投稿日 : 2023年09月25日/更新日 : 2024年03月28日

住宅ローンに関する知識を深めたい人は、住宅ローンアドバイザーの資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

金融業界に限らず、不動産業界とも相性の良い資格です。

ここでは、住宅ローンアドバイザーになるまでの流れや試験概要、将来性まで幅広く解説します。

住宅ローン業務を軽減したい
不動産事業者様はこちら
\ 住宅ローン業務を軽減したい不動産事業者様はこちら/
資料請求・お問合せはこちら

住宅ローンアドバイザーとは?

住宅ローンアドバイザーとは、お客様が最適な住宅ローンを選択できるように、商品の特性やリスクについてアドバイスする人です。民間資格として2005年に創設されました。

最近では、住宅ローン商品の多様化に加えて、ネット銀行の台頭で手続きのオンライン化が進んでいます。選択肢が複雑化する中で、個人が自分に適した住宅ローンを選択することが難しくなりました。

また、融資先の選定は、住宅購入を検討する初期段階(資金計画時)に行う方がほとんどです。住宅ローン契約時に金融機関が商品の特徴やリスクを説明する機会があるものの、そのタイミングではすでに融資先が絞られているケースが珍しくありません。

住宅ローンの契約は、一人の人生に大きな影響を与えます。

住宅ローンアドバイザーは、時代の変化や契約の特性に合わせて、個人が適切な判断をできるように創設された資格です。金融機関だけでなく、不動産会社が社員教育の一貫として受験を推奨しているケースもあります。

なお、住宅ローンアドバイザーの実施団体は以下2団体ですが、ここで解説するのは住宅金融普及協会の情報が中心です。金融検定協会が実施する試験内容とは異なる可能性があります。

  • 一般社団法人 金融検定協会
  • 一般財団法人 住宅金融普及協会

住宅ローンアドバイザーに向いている人や業界

住宅ローンアドバイザーは、金融業界や不動産業界(工務店、ハウスメーカー、売買仲介など)で働く人におすすめです。具体的には、以下のような人に向いています。

  • 住宅ローンの基礎知識を身に付けたい人
    →金融業界や不動産業界の若手、新入社員に人気です。
  • 顧客との信頼関係を構築したい人
    →住宅ローンアドバイザーとして登録すると、名刺へ記載できるようになります。
  • 不動産取引の成約率を高めたい人
    →知識の習得により、お客様に適した資金計画や融資先を提案できます。
  • 継続的な学習意欲がある人
    →資格を維持するには継続的な学習が必要です。

住宅ローンアドバイザーになるまでの流れ

住宅ローンアドバイザーの資格を取るには、指定の講座を受講後に効果測定(試験)を受験します。効果測定で一定基準を満たせば合格です。

  1. 申し込み
  2. 講座の受講
  3. 効果測定(試験)
  4. 合格・修了証書の受領
  5. 登録

注意が必要なのは、効果測定の合格後に登録が必要な点です。住宅ローンアドバイザーを名乗ることができるのは、登録後になります。

住宅ローンアドバイザーの講座内容

住宅ローンアドバイザーは、講座の受講後に試験を受ける仕組みです。講座は基礎編と応用編に分かれており、それぞれに効果測定(試験)が設けられています。

受験方法には、AコースとBコースの2種類があります。Aコースはオンラインが中心、Bコースは会場での実施です。

基礎編 応用編
映像学習 効果測定 映像学習 効果測定
Aコース オンライン 会場
Bコース 会場

※Bコースの実施は、新型コロナウイルスの影響で見送られています(2023年度)

住宅ローンアドバイザーの講座では、カリキュラムに沿った映像を視聴します。基礎編と応用編の内容について順番に解説しましょう。

基礎編

基礎編では、以下のように住宅ローンアドバイザーや住宅ローンの基礎知識を学習します。

【具体的な内容】

  • 住宅ローンアドバイザーの必要性
  • 住宅ローンの基礎知識
  • 住宅ローンの計算
  • 借り入れ額決定までのプロセス など

カリキュラムに沿った映像を視聴してから、効果測定を受験する仕組みです。

Aコース Bコース
映像視聴 オンライン(計4時間30分) 会場でDVDを視聴
効果測定 オンライン(目安45分) 会場で実施

応用編

応用編では、以下のようにお客様への提案に役立つ実務的な内容を学習します。

【具体的な内容】

  • 住宅ローンのリスクと注意点
  • 繰り上げ返済の仕組み
  • 手続きの流れ
  • 住宅ローンの選び方 など

応用編に進む条件は、基礎編の効果測定を終了することです。また、応用編の映像視聴を終了しなければ、効果測定を受験できません。応用編の映像視聴は受験日前日までとなっているため、早めに視聴することをおすすめします。

Aコース Bコース
映像視聴 オンライン(計4時間10分) 会場でDVDを視聴
効果測定 会場で実施(50分)

住宅ローンアドバイザーの試験日や試験概要

住宅ローンアドバイザーの試験は、年2回行われます。試験概要を以下にまとめました。

第1回 第2回
募集期間 4月下旬から6月下旬 9月中旬から11月中旬
効果測定(応用編試験日) 7月下旬ごろ 12月上旬ごろ
受講料(講座+試験) Aコース23,100円・Bコース27,500円
試験時間(応用編効果測定) 50分
試験内容(応用編効果測定) マークシート方式×40問
正誤問題(2択)×30問、計算問題(3択)×10問
合格発表 8月下旬 1月下旬
登録料 11,000円

※受講料は税込み表記です
※受験する年度によって内容が異なる恐れがあるため、受験時は必ず実施団体の公式サイトをご確認ください

住宅ローンアドバイザーの難易度や合格率

住宅ローンアドバイザーは一般的な資格とは異なり、講座の受講と試験がセットになっています。

2022年12月に実施された講座の修了率は81.1%でした。同じ金融系のFP3級の合格率も80%を超えるため、同等の難易度と言えるでしょう。

2022年12月の合格基準は、全体の正答率が約70%以上かつ計算問題の正答率が60%以上でした。

【注意】住宅ローンアドバイザーには更新が必要

住宅ローンアドバイザーの資格を維持するには、更新が必要です。登録更新には費用がかかり、継続講習課題を終了しなければなりません。更新時期が近づくと実施団体からお知らせが届くため、忘れずに手続きしましょう。

登録更新料 11,000円(税込)
登録有効期限 登録日から3年
継続講習課題の合格基準 6割程度

※上記は2023年7月時点の情報です。実施団体の公式サイトにて最新情報をご確認ください。

住宅ローンアドバイザーの勉強法

住宅ローンアドバイザーは、実施団体が提供するテキストと映像視聴を組み合わせて勉強します。受講料の入金が完了した人から順次、映像を視聴できるようになり、テキストが届きます。

住宅ローンアドバイザーの受験概要を見ると、募集期間が約2ヶ月あり、募集期間終了から応用編の効果測定日までの期間が約1ヶ月です。Aコースの映像は繰り返し視聴できるため、学習時間に余裕を持たせたい人は早めに決済をしておくとよいでしょう。

住宅ローンアドバイザーの将来性やキャリアパス

住宅ローンアドバイザーは、時代の流れに合わせて創設された資格です。住宅ローン商品の種類が多様化する日本では、将来性のある資格と言えるでしょう。

特に資格と相性の良い職種は、不動産業界の営業です。住宅購入の窓口として資金計画に関わる場合、ローンの知識を身に付けておくとお客様の安心につながります。

住宅ローンアドバイザーとして登録すると、実務に役立つ各種サービスを利用可能です。最新情報を効率良く入手できることで、購入や住み替えなど幅広いお客様の目的に応じたローンの提案も可能になるでしょう。

不動産取引に加えてローンの知識を深めて、お客様の満足度向上や社内での信頼構築を目指してはいかがでしょうか。

まとめ

住宅ローンアドバイザーは、金融業界や不動産業界で働く人と相性の良い資格です。講座と受験がセットになっているため、比較的、取得しやすいと言えます。

住宅ローンアドバイザーとして登録した後は、実務に役立つ各種サービスも利用できます。マイホーム購入を検討するお客様が最善の選択をできるように、知識の習得を検討してみてはいかがでしょうか。