不動産契約のクーリングオフ|ややこしい解約条件と宅建業者の説明義務を解説

投稿日 : 2019年11月08日

 

宅建業法における「クーリングオフ」

「クーリングオフ」とは、一度申込・契約した商品やサービスでも、一定の条件のもと説明不要で撤回・解約できる制度です。

販売員や営業担当者から勧誘を受ける際には冷静さを失いやすいため、消費者を守るために定められています。

不動産取引におけるクーリングオフ制度は、以下のように「宅地宅建取引業法(第37条2)」で定められています。


◇宅建業法によるクーリングオフの条件

  1. 売主が宅地建物取引業者である。
  2. 買主が宅地建物取引業者ではない。
  3. 対象が売買物件である。
  4. 事務所等以外(喫茶店やレストラン、買主の自宅や勤務先など)での購入の意思表示または申込みである。
  5. 代金の支払いまたは物件の引き渡しの前である。
  6. クーリングオフについて書面で告知されてから8日以内である。

 

◇宅建業法によってクーリングオフできない場合

  1. 売主が個人である。
  2. 買主が宅地建物取引業者である。
  3. 対象が賃貸物件である。
  4. 事務所等(店舗、案内所、住宅展示場など)で、購入の意思表示または申込みを行っている。(購入の意思表示さえ事務所などで行えば、契約はそれ以外の場所でもクーリングオフできない)
  5. 買主が指定した自宅・勤務先での契約や申込みである。(銀行や喫茶店などであればクーリングオフできる)

 

「誰と」「どこで」契約したかが重要

宅建業法のクーリングオフ制度の適用には、「誰との契約であるか」「どこで購入意思を確認したか」が重要になります。

特に注意が必要なのは、「購入の意思表示をした場所」です。

宅建業者の「事務所等」での申込みなら、クーリングオフは適用されません。

逆に「事務所等以外」なら、適用されると定められています。

この「事務所等」には、細かい規定がありますので、確認しましょう。

 

◇宅建業法が定める「事務所等」の条件

  1. 宅地建物取引主任者を設置している宅地建物取引業者の事務所・店舗・営業所など。
  2. 宅地建物取引業者が10区画以上の一団の宅地または10戸以上の一団の建物の分譲(分譲の代理・媒介を含む)をする案内所。
  3. 住宅展示場やモデルルーム。
  4. 継続的に業務を行うことができる施設を有する場所。(仮設小屋やテントは不可)
  5. 買主が要望し指定した買主の自宅または勤務先。(銀行や喫茶店などは買主指定でも不可)

 

クーリングオフを受けないために

宅建業者には、クーリングオフについて買主への説明義務があります。

説明を行っていない段階での申込みや契約は、その時点でクーリングオフの対象となるのです。

また、その後も説明を行うまで、期限なくクーリングオフが可能です。

契約後のクーリングオフやトラブルを回避するためには、お客様に充分な説明をし、理解を得ることが大切です。

そのために、以下のポイントを徹底しましょう。

  • クーリングオフの条件などについて書面にし、説明する。
  • 買主からの購入の申し出は、事務所など法令で定められた場所で受ける。
  • 買主が指定した場所で契約を行う場合は、その旨を書面に残しておく。