不動産業界のCRMとは?導入のメリットや注意点・選び方について解説

投稿日 : 2022年07月29日/更新日 : 2023年06月04日

不動産業界のCRMツール

これまでの不動産営業は社内で顧客情報や商談情報などがあまり共有されておらず、人に仕事が付いている状態が多くみられました。

そのような状態が続くと、担当営業マンが不在の時に顧客から電話があった際に担当者を探して慌てふためき、挙句の果てには顧客を逃がしてしまうことも考えられます。

近年は不動産業界でもCRM(顧客関係管理)を導入し顧客情報を一元管理することで、効率よくアプローチすることが求められるようになりました。

そこでこの記事では、不動産業界でCRMを導入する目的やメリット・選び方・おすすめのCRMツールについて解説します。 

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CRMとは

CRMCustomer Relationship Managementの略で、顧客情報を的確に管理し一人ひとりの顧客に対して最適で効率的なアプローチをすることで、競争に打ち勝つ経営手法を言います。

具体的には次のようなことが求められます。 

  • 顧客情報管理…対応履歴や購入履歴などの情報を蓄積し一括管理する
  • 顧客分析…顧客の購入履歴を把握・分析することで新規客の獲得につなげる
  • メールマガジン配信…メールマガジンや商品情報などを自動送信する
  • 問合せ管理…ホームページの問合せフォームより受信した情報を蓄積し活用する

不動産業におけるCRM導入の目的

不動産業界の営業は、チラシや店頭広告・テレビCMなどの広告手法により、顧客の来店につなげていました。

しかし近年はインターネットの普及により、顧客はスマホやパソコンで物件情報を収集することが多くなっています。

そのため従来のようなアナログ的な営業手法では限界があり、新たなビジネスモデルを確立する必要が生じてきました。すなわちCRMを活用して、顧客の囲い込みや将来にわたってよい関係を持続するような戦略が必要になってきた訳です。 

不動産業でCRMを導入するメリット

それでは不動産業でCRMを導入すると、どのようなメリットがあるのか解説します。

  • メリット1.「社員間で顧客情報の共有ができる」
  • メリット2.「データ分析により営業の効率化が図れる」
  • メリット3.「メールを使って直接お客様にアプローチできる」
  • メリット4.「顧客満足度が向上する」

メリット1.「社員間で顧客情報の共有ができる」

営業マンが個別に管理していた顧客情報や物件情報を一元管理することで、社員全員で情報を共有することが可能になります。

今までの不動産営業では、担当者が不在中に顧客から連絡を受けた場合には、社員は状況がわからず顧客に返事をするために時間と労力を使うことが往々にしてありました。

しかしCRMにより情報を一元管理することで、ほかの社員も情報を可視化し資産化ができます。

また情報を一括管理することで追客・案件漏れをなくし、顧客へ継続的にアプローチが可能になり、将来にわたって良好な関係を維持することができます。 

メリット2.「データ分析により営業の効率化が図れる」

CRMの導入により属性や購買履歴などを蓄積・分析することで、効率的な営業活動ができます。

これにより継続して良好な顧客関係を維持できるだけでなく、蓄積したデータを新規顧客の開拓にも利用できます。

またスケジュール管理と連動させれば、より効率的な営業活動を展開することも可能です。 

メリット3.「メールを使って直接お客様にアプローチできる」

メールマガジンや商品情報などを自動的に一斉配信することで、顧客からの反応を得られ、商談へのチャンスが生まれます。

また今まで時間と手間をかけていちいち作成したDMなどの作成を省くことができ、メールにより鮮度の高い情報を何度も送ることができます。

これにより浮いた時間を営業活動にかけられるようになり、売上拡大も期待できるようになります。 

メリット4.「顧客満足度が向上する」

CRMの導入により、顧客の好みや履歴を保存することで、条件に合った物件を素早く案内でき、結果的に顧客満足度を向上させることができます。

また情報の共有化により、担当者が不在でもほかのスタッフでもスムーズに顧客と商談できます。

お客様をお待たせすることなくサービスが案内できるようになるので、顧客満足度向上につながります。 

不動産業界向けCRMツールの選び方

不動産向けCRMツールは、どんな点に注意して選んだら良いか説明します。

選び方のポイントは以下のとおりです。

  • 選び方1.「自社に必要な機能があるか」
  • 選び方2.「スマホに対応しているか」
  • 選び方3.「費用対効果が期待できる」

選び方1.「自社に必要な機能があるか」

CRMツール導入に際しては、自社のニーズを把握する必要があります。

不動産業と一口に言っても、賃貸や売買・管理業務などさまざまであり、自社にはどの機能を重視するのかで導入するツールも変わってきます。

また追客への対応を重視するのであれば、SFA(営業支援ツール)と連携できるものを選んだ方が良いでしょう。 

選び方2.「スマホに対応しているか」

CRMツールはスマホやタブレットからでも入力できるものを選んだ方が良いでしょう。

営業マンは外出中でも顧客情報をモバイルに入力したり、モバイルから情報を得られれば、効率的な営業活動を行うことができます。 

選び方3.「費用対効果が期待できるか」

CRMツールは多機能で高価なものを導入しても、使いこなせないのでは無駄遣いになってしまいます。

導入に際しては、カスタマイズできるものを選んだ方が良いでしょう。

当初は必要最小限の機能を選び、自社に合った機能を少しずつ増やせば、無駄な費用を投下することなく効率的に導入できます。 

不動産業界向けおすすめCRMツール

CRMツールは汎用タイプではなく、不動産業向けに特化したツールを選んだ方が良いでしょう。おすすめのCRMツールを3つ選んでご紹介します。 

■不動産業界向けおすすめCRMツール

  • いえらぶCLOUD
  • ESいい物件One
  • ノマドクラウド

いえらぶCLOUD

いえらぶCLOUDは、株式会社いえらぶGROUPが提供するシステムで全国12,000社の導入実績があります。

仲介業務・管理業務のどちらにも対応した、オールインワンシステムです

【特徴】

  • 手間のかかる物件入力も補助機能で時間を大幅削減
  • 反響の取込も追客もいえらぶに取り込んで一括管理
  • 間取り図やちらし・各種書類の作成も一括管理
  • 仲介手数料以外に豊富な付帯商品で収益UP
提供会社 株式会社いえらぶGROUP
ホームページ https://cloud.ielove.jp/
対応する業務 賃貸・売買
概算費用 問合せ
主要機能
  • 顧客管理
  • チラシ作成
  • 反響分析
  • 物件管理
  • 賃貸管理

あわせて読みたい:いえらぶCLOUDの特徴と料金体系

ESいい物件One

ESいい物件Oneは、株式会社いい生活が提供するシステムで3,800店舗以上の不動産会社に導入されています。

賃貸管理や賃貸仲介・売買仲介などの業務・業態に合わせてサービスを選べます。

【特徴】

  • オーナーマイページで一人ひとりきめ細やかなサービスを提供
  • 希望条件に合致する物件を自動で物件紹介メールとして送信
  • 不動産ホームページを自社で編集
  •  賃貸・売買各不動産ポータルサイトへ一括入稿可能
提供会社 株式会社いい生活
ホームページ https://www.es-service.net/service/rent/
対応する業務 賃貸・売買
概算費用 月額料金:20,000円~、初期費用:200,000
主要機能
  • 顧客管理
  • 追客管理
  • ポータルサイト連携
  • 自社ホームページ反映
  • チラシ作成

あわせて読みたい:ESいい物件Oneの料金体系と使い方

ノマドクラウド

ノマドクラウドはイタンジ株式会社が提供するシステムで、大手から地域密着型不動産会社まで1,200店舗以上に導入されています。

賃貸仲介に特化した充実した機能があります。

【特徴】

  • 追客業務を自動化することにより、見込み顧客を来店につなげる
  • ポータル反響を即座に通知・対応し漏れを防止
  • 専用のマイページで顧客を囲い込みするので機会損失しない
  • スマホアプリ対応で外出中でも顧客対応が可能
提供会社 イタンジ株式会社
ホームページ https://lp.itandibb.com/crm/
対応する業務 賃貸
概算費用 問合せ
主要機能
  • 顧客の一元管理
  • ポータル反響の自動取込
  • 反響対応漏れ管理
  • 自動追客を簡単カスタマイズ
  • 連絡ツールの一括管理

あわせて読みたい:nomad cloud(ノマドクラウド)の特徴と料金体系

まとめ

CRMを利用して顧客情報の管理を適切に行えば、業務の可視化・自動化を図り業務を改善できます。

CRMの導入で浮いた時間を生産的な営業活動に回すことができ、売上の拡大と利益の追求に挑戦することができます。

不動産向けのCRMを前向きに検討し、自社に合ったツールを導入するようにしましょう。

この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。
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