路線価を用いて不動産を評価する|調べ方・計算方法・利用方法など
不動産評価法のひとつに、路線価を用いて評価する方法があります。
その路線価は、何の団体が何の目的で、どのように決めているのでしょうか。そして不動産評価には具体的に、どのように影響してくるのでしょうか。
今回は路線価とは何か、路線価の調べ方、計算方法、利用方法を確認しましょう。
路線価とは
路線価は、国税庁が年1回発表している日本全国の土地評価額です。毎年7月1日に国税庁ホームページや全国の国税局・税務署で公示されます。
道路(路線)に面する標準的な土地の単価を定めているために路線価と名付けられています。
路線価の検討にあたっては毎年1月1日時点における対象地の路線価を地価公示価格・売買実例価額・不動産鑑定士等による鑑定評価価額・精通者の意見などを参考にし、同年4月に発表された公示価格のおよそ8割程度を基準に決定されます。
路線価が定められていない地域の場合
路線価はすべての地域で定められているわけではありません。
路線価が定められていない地域を倍率地域と呼びます。倍率地域の評価額は各市区町村が発表している評価倍率表により確認できます。
路線価でわかること
それでは不動産評価に、路線価がどのように関わってくるかを確認しましょう。国税庁では路線価の適用について以下のように説明しています。
この財産評価基準は、平成31年1月1日から令和元年12月31日までの間に相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによります。 |
路線価は相続税路線価と固定資産税路線価の2つに大別され、それぞれに対応する税金の計算をするときに使用されます。
- 相続税路線価:相続税の計算に使用
- 固定資産税路線価:固定資産税の計算に使用
これにより対象不動産の価値(住まい・収益物件・相続不動産など)が定まり、売却時の価格決定や資金計画を立てる際の参考になります。
路線価の調べ方
対象地域の路線価の調べ方を説明します。日本全国の路線価は、前述のとおり国税庁ホームページで確認することができます。
上記ホームページでは過去7年分の路線価が公開されています。平成27年以降の路線価を調べたいときは、以下の手順で確認します。
- トップページの日本地図で都道府県をクリックする
- 「路線価図」を選択する
- 市区町村を選択する
- 町丁名索引画面の該当箇所を選択する
- 選択地域の路線価図が表示される
画像引用:国税庁|路線価図の説明
路線価の計算方法
路線価を実際に不動産査定に用いる際には、奥行きも計算する必要があります。
接道している部分は路線価の数値ですが、接道部分から奥に向かって伸びる奥行きの距離によって評価が変わります。これを奥行き価格補正と呼びます。
奥行き価格補正率は国税庁で定められています。路線価に奥行き価格補正率をかけたものが、実際の土地評価額となるのです。
2つの道路に接道する角地については、奥行価格補正率を計算して価格が高い方の路線を正面路線として扱います。もうひとつの路線は側方路線と呼ばれます。
路線価 ×奥行価格補正率 = 1㎡当たりの路線価
1㎡当たりの路線価×土地面積(地積) = 土地評価額
路線価以外にもある不動産評価法
不動産査定額の調べ方では、路線価を用いた評価法以外にも参考とすべき評価法があります。
まとめ
今回は不動産評価法のひとつである路線価について解説しました。
正確な不動産査定を行うためには、路線価の意味や調べ方、計算方法などを詳しく知り、必要に応じて使えるようにならなくてはいけません。
今回の記事を参考に、路線価を使いこなしましょう。
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