登記簿の「共同担保目録」とは|不動産売買が複雑な代表的事例と対応手順

投稿日 : 2019年10月26日

「共同担保目録」があれば高難易度案件

宅建業者が担当した不動産の調査を行う場合、登記簿謄本の参照が重要となります。

その際、登記簿謄本の中に「共同担保目録」の記載がある場合、より注意深く対応する必要があります。

お客様の不動産売買がスムーズに行えない可能性があるのです。

今回は、登記簿謄本に記載された「共同担保目録」についてご説明します。

「共同担保目録」とは

「共同担保」とは、ある抵当権または根抵当権に対して、複数の不動産が担保として設定されている状態を言います。

「権利部(乙区)」と同じく、所有者の債務状況を知る手掛かりとなる情報です。

そして「共同担保目録」とは、登記簿謄本にまとめて記載される共同担保のリストのことを差します。

共同担保は、主に以下のような場合に採用されます。

◇一般的な共同担保の例

  1. 住宅ローンにおいて、土地と建物を共同担保にして抵当権を設定するケース。
  2. 事業用融資を受けるため、複数の不動産を共同担保にして根抵当権を設定するケース。
  3. 事業用融資の追加申し込みをする際に、極度額(借入上限額)を上げるために、担保となる不動産を追加するケース。

共同担保の不動産売却は複雑

事業用融資の場合、共同担保の形をとるだけでなく、融資追加のため更に担保を追加する、といったケースが少なくありません。

その場合、複数の債権と不動産が複雑に関係し合って、目的の不動産の根抵当権を簡単には抹消できない状態となっています。

事業用融資の借り換えや担保不動産の売却が容易ではないのは、そのためなのです。

◇金融機関が共同担保を取りたい理由

金融機関が共同担保を選ぶメリットは、不動産価値が変動・下落して担保評価が不足する(担保割れ)場合のリスクを分散し軽減させることにあります。

複数の不動産を担保にすることで、1つの担保不動産が担保割れを起こしても、その影響を一部に留めることができるのです。

共同担保の不動産を売却する手順

お客様が売買する不動産の登記簿謄本を調査して、共同担保の設定がされていた場合には、目的の不動産への対応だけでは取引を進められないことがよくあります。

目的物件の共同担保となっている別の不動産についても調査する必要があるのです。

また、共同担保から1つの不動産を外すことで担保割れを起こしてしまう場合には、新たな資産で担保追加が必要となります。

不動産取引を進めるためには、以下のように対応します。

  1. 共同担保目録に記載されたすべての担保不動産について担保評価を試算する。
  2. 債権者である金融機関と担保抹消について相談する。

担当する宅建業者としては、高度な対応が求められます。

個々の権利関係を丁寧に確認することが大切です。

関連記事

不動産の担保評価で金融機関がチェックしているポイント