贈与税が非課税対象になる「住宅性能証明書」とは何か|中古マンションの場合はどうする?

投稿日 : 2020年03月18日/更新日 : 2023年04月10日

住宅購入を希望するお客様にとって家を買うことは重要なライフイベントであり、両親の力を借りて購入するケースもあるかと思います。

今回は家を購入するときに、あらゆる申請で役立つ「住宅性能証明書」について解説していきます。

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住宅性能証明書とは

住宅を購入する際に祖父母や両親といった親族から金銭の援助を受けることもあるかと思います。

これらの行為は法律上、贈与として取り扱われ、原則贈与税が課せれることになります。ちなみに贈与税とは、個人からお金などの財産を受け取ったときに発生する税金のことをいいますが、年間110万円までの贈与であれば、贈与税はかかりません。

しかし上記に係る贈与税においては特例制度があり、その条件に当てはまる場合は、贈与税の非課税枠が増額されるという恩恵を受けることができます。

その特例制度のことを「住宅取得等資金の非課税制度」といい、それを証明するために必要となってくるのが「住宅性能証明書」です。

 

住宅取得等資金の非課税制度

住宅取得等資金の非課税制度とは、住宅を購入する際に親族の資金援助などで発生する贈与税における特例制度のことをいいます。

具体的には、直系尊属(両親・祖父母・曾祖父母)から住宅等不動産を購入する資金として贈与を受けた場合、最高1,200万円までの贈与税が非課税対象となる制度です。期間については2021年12月31日までになっています。

ちなみに住宅取得等資金とは、自分が家に住むためのお金のことを指し、家の新築または増改築の費用などの他に、家を建てるために必要な土地の借地権取得といったものまで含まれています。

ただし親族等と特別な関係ある場合は(例:建設会社の人で請負契約を結んでいる)住宅取得等資金には含みません。

 

さらに贈与税の特例を受けるには

住宅取得等資金の非課税制度の適用を受けた際、不動産が「良質な住宅用家屋」として適用を受けた場合は、贈与税の非課税枠がさらに500万円増加します。

この良質な住宅用家屋であることを証明する書類として、住宅性能証明書が必要となってきます。

また住宅取得等資金の非課税制度以外にも贈与税に関する特例制度としては、相続時精算課税制度という生涯の間で2,500万円までは贈与税が掛からないといったものもあります。

住宅性能証明書を発行するには

住宅性能証明書を発行するには、住宅性能評価機関として、国土交通大臣に登録をおこなっている評価機関に依頼します。

その際に設計図等の専門的な書類を揃える必要があるため、あらかじめ設計をおこなった工務店などに相談をしておくほうがよいでしょう。

 

画像引用:ダイレクト火災保険

 

住宅性能証明書の発行を行う評価機関の一覧はこちらになります。

一般社団法人 住宅性能評価・表示協会

 

各評価機関へ申請の際は、手数料も必要となっています。手数料は各機関によって異なるだけでなく、申請する住宅のケースによっても異なってきます。

以下手数料の一例です。※地域や各機関によって金額は異なります。

 

画像引用:一般財団法人 富山県建築住宅センター

良質な住宅用家屋

 

良質な住宅用家屋とは、平成12年4月1日に住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)が施行され、その法律のメインともいえる住宅性能表示制度(全10項目)における日本住宅性能表示基準に基づいた以下の3つの条件のいずれかを満たした住宅(国土交通省告示第389号)を指します。

 

➀省エネルギー性能が高い住宅

◎省エネルギー対策等級(平成27年4月以降は断熱等性能等級)に係る評価が等級4の基準に適合している住宅

 

省エネルギー対策等級 省エネルギー性能基準
等級4 次世代省エネルギー基準(1999年)
等級3 新省エネルギー基準(1992年)
等級2 旧省エネルギー基準(1980年)
等級1 等級2に満たないもの

 

省エネルギー対策等級が高いほど、住宅の断熱性も高く冷暖房費も節約できるため、地球温暖化防止に役立てることができますが、その分断熱材等の材料費が増加するため、この基準は個人負担の軽減及び等級が高い住宅建設の促進という2つの目的に則しています。

 

◎一次エネルギー消費量等級に係る評価が、等級4または等級5の基準に適合している住宅

一次エネルギーとは、壁・屋根・窓などの建物における外側部分と冷暖房や給湯器といった設備部分を含めた省エネルギー性能を示す基準です。建物内外における材料や設備を計算することによって、さらに省エネルギー性能を高めていくのが狙いです。

 

②耐震性能が高い住宅

◎耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)に係る評価が等級2または等級3の基準に適合している住宅

 

耐震等級 耐震等級の目安
等級3 等級1の地震力の1.5倍の地震力に対抗できる
等級2 等級1の地震力の1.25倍の地震力に対抗できる
等級1 数百年に一度発生する地震の地震力に対して倒壊・崩壊せず、数十年に一度発生する地震の地震力に対して損傷しない程度。建築基準法と同じ耐震基準

 

◎地震に対する構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止に係る評価が免震建築物の基準に適合している住宅

免震建築物とは、積層ゴムアイソレーター等の免震部材を使用することで建物内部の揺れを緩くすることによって、人や家具などを損壊から守る構造になっている建築物のことをいいます。

 

③バリアフリー性能が高い住宅

◎高齢者等配慮対策等級に係る評価が、等級3・等級4・等級5の基準に適合している住宅

 

性能表示等級 性能等級の概要
等級5 a:移動等に伴う転倒、転落等の防止に特に配慮した措置が講じられていること

b:介助が必要となった場合を想定し、介助式車いす使用者が基本生活行為を行うことを容易にすることに特に配慮した措置が講じられていること

等級4 a:移動等に伴う転倒、転落等の防止に配慮した措置が講じられていること

b:介助が必要となった場合を想定し、介助式車いす使用者が基本生活行為を行うことを容易にすることに配慮した措置が講じられていること

等級3 a:移動等に伴う転倒、転落等の防止のための基本的な措置が講じられていること

b:介助が必要となった場合を想定し、介助式車いす使用者が基本生活行為を行うことを容易するための基本的な措置が講じられていること

等級2 移動等に伴う転倒、転落等の防止のための基本的な措置が講じられていること
等級1 移動等に伴う転倒、転落等の防止のための建築基準法に定める措置が講じられていること

 

いわゆるバリアフリー基準のことを指し、平成7年に高齢化社会に対応する住宅を増やすために、加齢などの理由で身体機能が低下した場合でも住み続けることが可能な住宅の指針として、長寿社会対応住宅設計指針(建設省、現国土交通省)が発表されました。

その後、平成12年に住宅性能基準内において、上記の表である高齢者等配慮対策等級が定められました。

 

良質な住宅用家屋を証明できる書類

良質な住宅用家屋を証明する書類としては、住宅性能証明書以外にも複数が存在し、いずれか1点を取得する必要があります。

ただし➀新築住宅②中古住宅及びリフォームや増改築など、条件に応じて証明できる書類が異なってくるので、その点には注意が必要です。

住宅性能証明書は、いずれの場合にでも取得することが可能です。

それぞれのケースにおいて取得することができる書類は以下の通りです。

 

➀新築住宅

  • 住宅性能証明書
  • 建設住宅性能評価書の写し
  • 長期優良住宅に係る認定通知書及び認定長期優良住宅建築証明書等
  • 認定低炭素住宅に係る認定通知書及び認定低炭素住宅建築証明書等

 

②中古住宅及びリフォームや増改築など

  • 住宅性能証明書
  • 既存住宅に係る建設住宅性能評価書の写し(耐震等級・免震建築物・高齢者等配慮対策等の専有部分のみ)

 

まとめ

親や親戚からの支援を受けられると、お客様の住宅選びの幅が広がります。不動産営業として、贈与税の特例も把握しておく必要があります。

お客様の意識も、環境に優しく長く住める家にシフトしてきています。夏涼しく冬暖かい、いわゆる住みやすい住宅が、環境に優しい住宅と評価されるだけでなく、非課税対象にまでなることは、住宅を購入してからの満足度にもつながります。

住宅性能証明書の重要性についても理解を深めておきましょう。

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。
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