相次ぐ台風被害|あらためて考える 住宅の水害対策

投稿日 : 2019年10月21日


一条工務店は国立研究開発法人防災科学技術研究所と共同で、耐水害住宅の実大実験を実施

各地に甚大な被害をもたらした台風19号。河川の氾濫や土砂崩れなどによって、多くの住宅が被害を受けました。こうした水害に対するリスクを減らしていくために、住宅にはどのような対策が求められるのでしょうか。

自然災害のなかでも、最近になって相次いで大きな被害をもらしているのが台風や豪雨による水害です。日本は昔から風水害・土砂災害が多い環境でした。しかも、近年になってその発生頻度が高まっており、2018年の土砂災害発生件数は3459件で、国土交通省が集計を開始した1982年以降で最も多くなっています。人家被害も1505戸で最大となっています。

地震に比べて発生頻度が高いこともあり、ある程度事前に予測が可能であるにも関わらず、台風や豪雨によって毎年のように大きな被害が発生しているのです。

こうした水害などのリスクを抑制するために、住宅に関する対策を進めようという動きもあります。

例えば、開口部メーカーでは、水密性能を高めた窓や、防風雨対策のための性能を高めたシャッターを発売しています。また、IoT技術により予報や警報などの情報を提供し、自動でシャッターを閉めるシステムも開発されています。

一条工務店は耐水害住宅の実験を実施

こうしたなか、一条工務店は国立研究開発法人防災科学技術研究(防災科研)と共同でゲリラ豪雨・洪水対策の耐水害住宅の公開実験を行いました。

防災科研の敷地内に大きな水槽(920㎡)を設置。高さ3.5mの水槽に、降雨装置で大量の雨を降らし、機械で水流を発生させ、豪雨下での洪水状態を再現しました。そこに同社の耐水害住宅と一般的な住宅の2棟を建て、浸水状況などを検証しています。

その結果、耐水害住宅では室内の浸水を抑制することが分かったそうです。

耐水害住宅では、開口からの水の侵入を防ぐために、水深1mあたり1トンになる水圧に耐えるよう5㎜厚の強化ガラスを窓に採用するといった対策を施しています。

また、床下浸水の要因となる基礎換気口には、水が床下に侵入してくるとフロート式の弁が浮いて、蓋をすることで、床下への侵入を防ぐ工夫を行っています。水が引くと、フロート弁も下に下がり、再び元の状態に戻って換気口として機能する仕組みになっています。

洪水が発生すると住宅周辺の水位も上昇し、エコキュートなどの貯湯タンクも水に浸かる危険もあります。耐水害住宅では、ポンプや電磁弁などの電気動力部品、基盤や電源などの電気・電子部品を設備の最上部に配置することで、本体の一部が水没しても稼働できるものをメーカーと共同開発し、採用しました。

エアコンの室外機も基礎に固定された独自設計の専用架台に乗せて、水没しにくい高さまで上げています。

それ以外にも様々な対策が施されており、これからの住宅の水害対策を考えるうえで重要なヒントになりそうです。