住宅ローン審査が通らない場合の最終手段!審査のチェックポイントも解説
住宅ローンの審査は年々厳しさを増していると言われており、審査落ちするケースは決して珍しくありません。
審査落ちしたお客様が購買意欲を失わないように、次の審査で通過できるようなアドバイスが求められます。
今回は住宅ローンの審査を通過できない方向けの最終手段について解説します。
住宅ローンの審査に通過するための最終手段
住宅ローンの審査に落ちた場合、無策で別のローンに申し込んでもまた審査落ちするリスクがあります。
審査通過できなかった方が次回通過できるための最終手段を考えてみましょう。
頭金を増やす・希望額を減らす
住宅ローンは頭金を入れる方が審査通過の可能性が上がります。
住宅ローンを提供する金融機関は「支払いできなくなった場合に担保の物件を競売していくら回収できるか」を考えているためです。
頭金を自分で用意できれば融資額を回収できなくなるリスクが下がるため、銀行としても融資がしやすいといえます。
同じような理由で、希望額を減らした方が審査通過の可能性が上がります。
担保物件を変える
支払いができなくなった際にいくらで売却できるかは、銀行の融資判断に関わります。
よって、審査では物件の担保としての価値も重要です。購入する物件が変わるだけで、審査通過のキッカケになる場合があります。
大手銀行から地方銀行などに切り替える
審査に通過できない場合、金融機関を変えてみるという手もあります。
最初にメガバンクと呼ばれる大手銀行の住宅ローンに申込をして審査に落ちた場合、地方銀行に切り替えると審査を通過できる可能性もあります。
民間のローンからフラット35に切り替える
民間銀行の住宅ローンから、フラット35に切り替えることも検討しましょう。
自営業者の場合、民間の住宅ローンは通過できなくてもフラット35なら通過できる可能性があります、
一般的な金融機関の住宅ローンでは、自営業者の平均所得が直近の3期連続で黒字を確保していることが条件です。開業1~2年目では基本的に審査通過はできません。
他方、フラット35で審査される所得は直近の1期分のみです。開業後3年経っていない場合でもフラット35なら審査対象に含まれます。
実際に私の知り合いも自営業2年目で一戸建てと土地を買うための資金を融資してもらうべく、地方銀行の住宅ローンに申し込みましたが結果は審査落ちでした。
その後、自営業2年目でも融資してくれる可能性があるフラット35に切り替えて審査通過できました。
▶個人事業主の住宅ローン審査について詳しくは以下の記事をご参照ください。
追加書類を提出する
住宅ローン審査に通らない場合、必要書類以外の追加書類も提出できないか交渉してみましょう。
情報の信ぴょう性が増すことで、評価が上がる可能性もあります。
納税証明書など、税金を間違いなく納めていることを証明する書類が評価アップにつながりやすいでしょう。
ただし、追加書類を受け付けてくれるかは金融機関の担当者の判断次第です。必ずしもプラスに働くとは限りません。
担当者と話し合う
審査に落ちた原因や、どこを改善できるのかを審査担当者から教えてもらえれば、次の審査で通過する可能性が高まります。
すべては教えてもらえず、あくまでヒントに留まります。とはいえ、次の行動を決めるキッカケにはなるでしょう。
1年以上の期間を空けて再申し込みする
カードローンなどの場合、短期間に何度も申込を繰り返していると審査で不利になるとされます。
住宅ローンの場合でも、あまりに短期間に複数申込をしていると審査に影響を与えることが考えられます。
短期間に何社にも申込して審査通過できない場合、少し期間を空けてみることも検討しましょう。
1年以上の期間を空けると勤続年数も1年増えるため、審査での評価も高まります。
夫婦の共有名義で申し込む
1人で申込しても審査を通過できない場合、夫婦の共有名義で申し込むと通過できる場合があります。
▶夫婦の共有名義について詳しくは以下の記事をご参照ください。
住宅ローンは仮審査・本審査の2回ある
住宅ローンの審査を通過するために、審査体系についての理解を深めておきましょう。
審査は大きく分けて「事前審査」「本審査」に分かれます。
事前審査
事前審査は正式に住宅ローンを申し込む前に、申込者の信用情報や返済能力等を最小限の情報から判断することです。
住宅ローンは契約の前に必ず事前審査を行います。金融機関で事前審査することで、問題なく返済できることを確認しています。
事前審査を通過しない限り、本審査に進むことはできません。
本審査
本審査は銀行と保証会社が一緒になって提出した書類をもとに厳しく行われる審査です。
事前審査の項目に加え、物件の担保評価や団体信用生命保険に加入できるかの健康状態も判断されます。
審査の際は住民票や印鑑証明、課税証明書等の公的証明が必要です。
事前審査を通過できても本審査で審査落ちの可能性もあります。
事前審査で物件の担保評価を確認しない銀行の場合、本審査の結果で融資額が減額されることもあります。
住宅ローン審査でチェックされるポイント
住宅ローン審査では申込の際に申告した内容に従って審査を進めます。
審査で主にチェックされるポイントを押さえておきましょう。
年齢
住宅ローンの申込条件で年齢要件が定められており、条件を満たさない場合は審査を通過できません。
満20歳以上でないと申込することができないのはもちろん、条件内の年齢でも高齢では審査に影響があります。完済までに必要な期間がどうしても短くなるため、返済できなくなるリスクから審査落ちの可能性が高まります。
健康状態
フラット35等の一部商品を除くと、住宅ローンを利用する際は団体信用生命保険に加入することが必須です。
持病があるなど健康状態に不安がある場合、団体信用生命保険への加入ができません。団体信用生命保険に加入できない以上、加入が必須の住宅ローンの利用ができません。
収入の安定性
住宅ローンに限ったことではなく、融資をする側は毎月安定して返済・完済してくれることを重視します。
収入の安定性は審査において重要なポイントです。
公務員や大企業の会社員は景気が悪化しても収入が下がりにくいことで、評価が高まりやすいとされます。
中小企業の会社員や自営業者では景気悪化による収入減少のリスクが高く、相対的に審査では不利です。
担保の評価
住宅ローンを利用する際、購入予定の物件を担保として提供することが必須です。
返済が困難になった際は、金融機関と保証会社で競売にかけて現金化して融資額を回収します。
物件の価値が低い場合は希望する金額が借りられない場合もあるほか、あまりに評価が低いと融資を受けること自体ができない可能性もあります。
返済負担率
年収に対する1年間の返済額の割合が「返済負担率」です。返済負担率が低いほど審査では有利とされています。
フラット35以外は基準が公表されませんが、一般的には20%以内が望ましいとされています。
年収500万円なら1年の返済額100万円以内が好ましい基準です。20%より返済負担率が高い場合、審査では不利になるケースがあります。
▶オーバーローンについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
信用情報
住宅ローンの審査では信用情報機関に照会を行い、過去の返済遅れなどがないかを確認します。
延滞記録の対象はカードローンのほか、クレジットカード、奨学金、スマートフォンの本体代金の割賦分割などです。
61日以上または3ヶ月以上の返済を遅らせると「異動情報」として記録されます。
異動情報の記録は最長5年間にわたって残り続けます。いわゆるブラックと言われる状態です。
異動情報が残された状態では審査通過はできないと考えたほうが良いでしょう。
▶融資審査の確認内容について詳しくは以下の記事をご参照ください。
まとめ
今回は住宅ローンの審査を通過できない方向けの最終手段について解説しました。
ローンの審査基準は公表されていませんが、審査落ちする方には一定の傾向があります。勤務先を中小企業から大企業に変えることは簡単ではありませんが、「頭金を自己負担する」「返済負担率を下げる」などの対策はできます。
次回のローン審査を通過できるように、さまざまな視点からアドバイスを行いましょう。