【2024年9月】住宅ローンの金利比較と9月のポイント
2024年9月の各金融機関の住宅ローン金利を比較して、今月のポイントを解説します。
住宅ローン金利比較
メガバンク
■メガバンクの特徴
圧倒的な知名度を誇る大手銀行であるため全国に支店があります。主要都市に多く、地方にいくほど支店数は減少するため、地方においては地方銀行や信用金庫の方がアクセスが良いケースもあります。また、規模の大きさを活かした商品開発力も最大の特徴です。メガバンクは経済基盤が強く信用力も高いため、他の金融機関に比べて低い金利設定や融資額の上限を高く設定しているケースもあります。投資信託や保険商品といった総合的な金融商品を活用したパッケージ型商品を提供し多様なニーズに対応しています。対面での相談が可能なため、直接専門家と話すことができるのでネットでの手続きに不安をもっている方にとっては安心感に繋がります。変動金利、固定金利(全期間固定型、固定期間選択型)など多様な金利タイプが提供されており、メガバンクを普段の給与振込口座として利用している場合は、住宅ローンの借入れの際に新たな口座を開設する必要がないため、住宅ローン返済管理の手間も省くことができます。
金融機関 | 変動金利 | 10年固定 | 20年固定 | HP |
三菱UFJ銀行 | 0.345% | 1.05% | 1.854% | HP |
三井住友銀行 | 0.475% | 1.75% | 2.20% | HP |
みずほ銀行 | 0.375% | 1.35% | 2.00% | HP |
りそな銀行 | 0.340% | 1.725% | 2.935% | HP |
(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください
ネット銀行
■ネット銀行の特徴
ネット銀行の住宅ローン金利は、メガバンクや地方銀行と比較して低く設定されていることが多いです。オンラインで手続きが完了するため、地域制限がなく全国どこの地域でも申込みをすることが可能です。WEB申込みであるため、窓口の時間を気にせず自分の都合の良いタイミングで手続きができることも特徴のひとつです。一方で、対面でのサポートが限られるため複雑な相談や手続きが必要な場合には不便さを感じる可能性があります。金利の低さと利便性を重視する方に適していますが、丁寧な説明を求める方には不向きかもしれません。
金融機関 | 変動金利 | 10年固定 | 20年固定 | HP |
住信SBIネット銀行 | 0.298% | 1.593% | 3.203% | HP |
楽天銀行 | 0.844% | 1.663% | – | HP |
イオン銀行 | 0.38% | 1.50% | – | HP |
ソニー銀行 | 0.597% | 1.744% | 2.245% | HP |
auじぶん銀行 | 0.329% | 1.215% | 1.765% | HP |
PayPay銀行 | 0.270% | 1.075% | 1.855% | HP |
SBI新生銀行 | 0.420% | 0.95% | 1.35% | HP |
(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください
地方銀行
■地方銀行の特徴
地方銀行は、地域に根ざした銀行であるため地域の特性やニーズに応じた柔軟な対応を可能としています。また、特定エリアでの住宅購入に対して特別な金利優遇や、地元の提携不動産事業者を利用した際の特典など、地域の振興を目的とした住宅ローンの優遇措置やキャンペーンを実施していることもあります。地方銀行はメガバンクやネット銀行ほどの低金利商品は少ないものの、個別事情に応じた柔軟な審査を可能としていることが多いです。支店が地域に密集し地元の不動産市場にも精通しているため、対面でのきめ細やかなサポートが期待できます。
金融機関 | 変動金利 | 10年固定 | 20年固定 | HP |
横浜銀行 | 0.330% | 1.405% | – | HP |
千葉銀行 | 0.600% | 1.660% | 2.730 | HP |
静岡銀行 | 0.500% | 1.600% | 2.000 | HP |
北洋銀行 | 0.70% | 1.40% | – | HP |
筑波銀行 | 0.600% | 1.050% | – | HP |
北陸銀行 | 0.975% | 1.300% | – | HP |
福岡銀行 | 0.925% | 1.85% | – | HP |
南都銀行 | 0.775% | 1.75% | 2.25% | HP |
京都銀行 | 0.775% | 1.55% | 1.90% | HP |
愛媛銀行 | 0.691% | 1.400% | – | HP |
(掲載順不同)
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9月のまとめ
2024年9月の変動金利は0.3%〜0.4%台と低水準で据え置きとなっており、特徴的な変動は見られませんでした。一方で(10年・20年)固定金利は全体的に引き下げ傾向となりました。フラット35の固定金利は1.820%で先月より▲0.03%とこちらも引き下げとなりました。日銀が2024年7月に開いた金融政策決定会合で、政策金利を0.25%程度に引き上げる追加の利上げを決定し、長期国債買入れの減額計画を発表しましたが、その影響は限定的だったと考えられます。
日銀の政策金利(無担保コールレート)の0.25%程度引き上げをうけ、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などの主要都市銀行は2024年9月2日から短期プライムレートを0.15%引き上げました。9月の金利では据え置き傾向となりましたが、多くの金融機関が4月1日と10月1日に変動金利の見直しを行うため、10月以降は変動金利の上昇が予想されています。
日銀の植田総裁は、年内にさらなる利上げに踏み切る可能性があるのかについて「ここから先のデータ次第ということになるかと思う。従って、それが見通しどおり、あるいは見通し対比上振れるような際には、短期金利の一段の調整があり得るということかと思う」と述べています。経済状況を注意深く観察しながら、段階的に調整されていくものと思われます。また、長期国債買入れ減額の方針により、国債の需要が減少し価格が下がることで利回りが上昇するため、長期金利(10年国債金利など)が上昇する可能性があります。これは、金融市場において長期金利がより自由な形で形成されるようにするためであり、急激な量的引き締めが目的ではないため金利の変化は緩やかになると予想されます。
住宅金融支援機構が実施する【住宅ローン利用者調査(2024年5月調査)】では「今後、住宅ローンを返済していくにあたり、不安に思っていることはありますか。」という設問に対し、64.7%の人が「借入れ金利の上昇」と答えています。住宅購入者の関心高い住宅ローンの金利。日銀の政策や金利の動きを注視しつつ、お客様の状況に合わせた選択ができるようご案内することが重要となるでしょう。
※本コンテンツは、住宅ローンを選択する際の参考情報を提供することを目的としております。特定の金融機関・商品を推奨するものではございません。金融機関に関する情報は各金融機関のHPより最新情報をご確認ください。(本コンテンツ記載の情報は2024年9月17日時点の情報となります)