移住先はAIで決める時代!最新の街探し「DX3選」

投稿日 : 2024年09月10日

「そうだ!引っ越しをしよう!!」と思い立った時、人はどのような行動をとるでしょうか?
SUUMO、HOME’S、アットホームといった不動産情報サイトを検索したり、そこから得た情報を基に実際に不動産屋さんに行ったりすることが一般的かと思います。
ですが、例えば東京への異動は決まっているけれど、東京のどの街に引っ越そうか…。
これまで、物件そのものを調べる方法は沢山ありましたが、「自分に合った住みたい街」を探せるツールはあまりありませんでした。
今回は、最新のテクノロジーを活用して街探しのサポートをするサイトをご紹介します。

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移住先を検討する人が直面する問題

引っ越しすることは決まっているものの、どこに住もうか?移住先を検討した時、私たちは様々な問題に直面します。

■ 情報の不足や偏り
新しい街についての詳細な情報を得ようとした時、多くの人がインターネットを活用して情報収集を行います。ですが、その情報が偏っていた場合、正確な判断が難しくなります。

■ 交通の利便性
通勤や通学の利便性も考慮したいところですが、実際の交通事情(混雑状況や乗換えの便利さ)を確認するのが難しい場合があります。

■ 家賃・住宅費
インターネット等で物件検索をしても、なじみのない土地での相場観が分からないと価格の妥当性を判断するのが難しいことがあります。

■ 治安
安心した生活をおくるうえで移住先の治安は重要な検討指標となります。各地域で統計データが公表されていたり、物件サイト等でも地域ごとの特徴が紹介されていたりしますが、各地域をひとつずつ確認するのはかなりの手間となります。

■ 周辺施設・環境
スーパー、病院、学校、公園などの日常生活に必要な施設が近くにあるかどうかを確認することも移住先選びでは欠かせません。物件紹介サイトでも近隣施設の紹介がありますが、住所を基にマップ検索をするなど、一軒ずつ検索するのは大変な作業となります。

■ 気候・災害リスク
移住先の気候や災害リスクを考慮することも非常に重要です。災害リスクが高いエリアでは保険料も高くなります。こうした情報はハザードマップで調べることができます。

移住を検討する際には様々な情報を調べる必要がありますが、それぞれ別の情報元を探す必要があり、たくさんある候補地すべての地域の情報を調べるのは煩多な作業が必要となります。忙しい生活の中でこれらの情報を探し、調べることは移住を検討する人にとっては想像以上に時間と手間がかかることになります。

東京で住みたい街を探す方法3選

移住先の様子を知る術としてはGoogleマップで検索をしたりSNSやコミュニティサイトを活用したり自治体の公式サイトを確認したりと、焦点を絞って検索するといった方法が主流でしたが近年では、オープンデータを地図に搭載し視覚的に情報を取得できるサービスやAI技術の発達により“自分の希望”と“街”をマッチングしてくれるようなサービスが登場しています。

まちしるべ

パシフィックコンサルタンツ株式会社が2024年3月6日にリリースした「まちしるべ」は、東京で住みたい街の家賃、最寄駅、コンビニの立地状況、治安情報や災害情報などを地図上で簡単に探せるサイトです。スマートフォンからも簡単に操作でき、自分に合った最適な街を検索・比較することができます。

■ 「まちしるべ」の特徴

1.家賃の相場を確認できる
「まちしるべ」は過去3年間に入居募集のあった賃貸物件の情報から家賃相場を集計しています。一人暮らし用とファミリー用それぞれの家賃相場を地図上(100m四方単位)で検索することができます。

2.駅までの距離を確認できる
地図上で選んだ100m四方のエリアから最寄り3駅までの距離(徒歩時間)や位置関係を瞬時に確認することができます。

3.生活の利便性をチェック
コンビニ・スーパー・ドラッグストアの立地状況を地図上で確認することができます。

4.治安情報を確認できる
不審者、自転車盗難、空き巣に関する過去3年間の発生件数をエリア毎に表示。住みたい街の安全性を確認できます。

5.災害予測情報をチェック
浸水予測・土砂災害警戒区域のほか、首都圏直下型地震が起きた場合の震度予測も地図上に表示され、災害予測情報も確認することができます。

TownU(タウニュー)

2021年にアルヒ株式会社(現:SBIアルヒ株式会社)よりリリースされた町や地域に関する情報を提供するプラットフォームで、都内近郊中心の街のデータベースをもとにAIによる「街診断」で”本当に住みやすい街”を提案してくれるWebサービス。街の特徴や近隣の店舗・施設、治安や公共料金などの情報を掲載しています。

■ 「TownU(タウニュー)」の特徴

1.AI技術を用いた「街診断」
ユーザー情報や今住んでいる街への評価、住む街へのこだわり条件を入力するとAIが自分に合ったお勧めの街を3つ紹介してくれるサービス。「本当に住みやすい街ベスト3」の他、勤務地や実家の最寄り駅までの所要時間、ユーザーの条件に合わせた街の評価、オススメポイントを紹介してくれます。

2.気になる街を選んで探せる「街情報」
気になる街の周辺施設等を「子育て・教育環境」「生活利便性」「安全性」などの項目ごとに地図上で絞り込むことができます。街の不動産相場や口コミ情報のほか、住宅ローンを取り扱う企業が運営しているならではの「住宅ローン平均金額」情報を掲載しているのが特徴です。

上京物語

2022年度の都知事杯オープンデータ・ハッカソンを受賞した「上京物語」は、地域密着型の情報サイトとして、地元の人々や東京都に関心のある人々に向けた情報提供を行っているサイトです。東京都内3,000のエリアからAI技術を使って、運命の街を見つけてくれるサービス。近隣施設情報の他、行政サービスについても充実した情報を掲載しています。

■ 「上京物語」の特徴

1.おすすめの街ランキング10
ユーザーの価値観とライフスタイルからAIが選んだおすすめの街を10位まで紹介してくれます。

2.ユーザーとのマッチ度
「子育て」「教育」「利便性」「周辺環境」「医療」「治安防災」の6つの項目からAIが導き出したユーザーとのマッチ度を掲載。各項目もそれぞれ星5つ評価によりユーザーの理想との差異を視覚的に教えてくれます。

3.充実の行政サービス情報
「妊娠・出産関連の手当」「公立学校の学校選択制」「居住関連の手当」「その他独自の取り組み」と4つの項目からその街の行政制度の一部を掲載している点が特徴的です。

不動産テクノロジーの最前線

社会全体のDX化

2016年に「官民データ活用推進基本法」が施行され、国や地方公共団体に対しオープンデータの推進が義務付けられました。そして、2018年には経済産業省が「DXレポート」を発表し、これを契機に多くの企業がDXの重要性を認識するようになりました。業務効率、顧客体験の向上など、様々な企業・団体がデジタル技術を用い、ビッグデータやAIを活用することで新しいビジネスモデルを創出しています。不動産領域においても、これまで住居選びに必要な情報が一般消費者に分かりやすく整備されておらず課題となっていました。社会全体でDX化が進んだことで「不動産情報ライブラリ」が公開されるなど国を挙げて街の情報が整備され必要な情報が迅速かつ効率的に取得できるようになりました。

不動産業界のDX

不動産業界でもDX化は進んでいますが、一般的には他の業界と比べて遅れていると言われています。その理由としては、規制や法律が複雑であったり、多くの会社が古いシステムを使用していたり、不動産データのフォーマットや情報の標準化が進んでいないため、データの統合や分析が難しいといった状況が挙げられます。また、不動産取引では人間関係や信用が重要な要素でありコミュニケーションが重視されることが多いこともDX化が進みにくい要因のひとつになっています。 全体的にはまだまだ改善の余地が多いものの、不動産業界も着実にDX化が進んでいます。特徴的なものでいうと「バーチャル内覧」「電子契約」「スマートホーム技術」「ビッグデータ解析」「AIによるマッチング」といったものが挙げられます。

移住先を検討する人に有意義な情報を提供する

ビッグデータやAIを活用した新たなサービスが続々と登場し、パーソナライズされた情報が迅速に提供されることが当たり前となってきました。現在でもSUUMO、HOME’S、アットホームといった不動産情報サイトで情報を得てから不動産屋さんへ足を運ぶという流れが定着していますが、少し先の未来では上述したような街選びサービスを活用して移住検討エリアの情報を携えて不動産屋さんへ行くという人が増えていくかもしれません。

検討段階からタッチポイントをつくる

これまで物件情報サイトに集まっていた消費者が街探しサイトに集まるようになりました。不動産業界にとって、新しいタッチポイントとなります。「まちしるべ」ではサイト内に広告掲載枠を設けることで引っ越しを検討している人にとって必要なサービスを提供している企業を紹介する活動を行っています。ターゲット層となる消費者に対して、効果的に販売物件や仲介物件のPRをする場としての活用も広がっていくでしょう。

データ連携を活用する

「まちしるべ」に搭載しているデータを自社Webサイトへの連携、販売資料へ活用することができます。データを活用することにより、正確な市場予測や顧客ニーズの把握、戦略的な経営判断が下せるようになります。

まとめ

今回は「東京で住みたい街を探す方法3選」をご紹介しました。
DX化により新しいサービスが次々と誕生する昨今、消費者は「まちしるべ」に代表されるビッグデータを活用したWebサービスを用いて家賃の相場・最寄駅までの距離・周辺環境・治安や災害情報などの知見を深めて不動産屋さんへ来店します。 紹介した上記のサイトは全て一般ユーザー向けのWeb サイトですが、データを地図上で視覚的に見ることができるため、不動産事業における市場分析にも大いに役立つツールです。広告掲載などを活用すれば販売物件や仲介物件のPRをすることも可能となります。 不動産領域における新たなサービス。ぜひ一度、チェックしてみることをオススメします!

関連情報

│まちしるべ
https://www.machi-shirube.jp/
パシフィックコンサルタンツ株式会社

│TownU(タウニュー)
https://www.townu.jp/
SBIアルヒ株式会社

│上京物語
https://user.tokyo-story.net/
上京物語

│不動産情報ライブラリ
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
国土交通省

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