「保証」とは|保証契約の成立と保証人の要件・保証債務の性質を解説
保証に関する知識は、宅建の業務において住宅ローンを取扱う際に必要なため、宅建士にとって必須です。
宅建業者が業務を行う場所である事務所には、標識の掲示を始めとするさまざまな規制があります。
しかし、宅建業者が営業する場所は、本店や支店などの事務所に限った話ではありません。案内所や出張所、モデルルームや不動産フェアなど各所あります。
事務所以外の場所には、事務所と同様の規制は存在するのでしょうか。
今回は事務所以外の場所における宅建業法の規制について解説します。
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この記事の監修者: 不動産会社や金融機関にて、ローンの審査業務、金消・実行業務などに従事。その過程で、キャリアアップのため自主的に宅建の取得を決意。試験の6ヶ月前には出勤前と退勤後に毎日カフェで勉強、3ヶ月前からはさらに休日も朝から閉館まで図書館にこもって勉強。当日は37℃の熱が出てしまったが、見事1発で合格した。現在はiYell株式会社の社長室に所属。 |
宅建業法
事務所
★★★★★ 事務所との違いを理解しましょう
70%
事務所に関する出題率は過去の宅建試験でも非常に高いので、それに絡めて事務所以外の場所についても出題される可能性があります。
「事務所」と「事務所以外の場所」には、どのような規制の違いがあるかを確認しておきましょう。
まず、宅建業法ではどのような場所を事務所以外の場所と定義しているか確認しましょう。
宅建業者が宅建業に従事する場所で、何らかの規制の対象となるのは以下の場所です。
継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で事務所以外の場所 | 特定のプロジェクトを行う現地出張所など |
一団の宅地建物(10区画以上の宅地又は10戸以上の建物)の分譲を行う際の案内所 | 現地案内所など |
他の宅建業者が行う一団の宅地建物(10区画以上の宅地又は10戸以上の建物)の分譲の代理媒介を行う際の案内所 | 他社物件の現地案内所など |
業務に関する展示会その他の催しを実施する場所 | 不動産フェア・住み替え相談会など |
一団の宅地建物(10区画以上の宅地又は10戸以上の建物)の分譲をする際の当該宅地建物の所在する場所 | マンション等の所在する場所 |
上記で定義された事務所以外の場所には、以下3つの義務が課せられます。
それぞれの義務について詳しく見ていきましょう。
案内所等の事務所以外の場所も事務所と同じように、来訪者に対して正規の宅建業者である旨を証明するための標識の掲示が必要です。
ただし、事務所と事務所以外の場所では、標識に掲示する項目が若干異なります。
標識に記載する事項 | 事務所における掲示 | 事務所以外の場所における掲示 |
免許証の番号 | 必要 | 必要 |
免許証の有効期間 | 必要 | 必要 |
会社の商号(または名称) | 必要 | 必要 |
代表者氏名 | 必要 | 必要 |
主たる事務所の所在地および電話番号 | 必要 | 必要 |
専任の宅地建物取引士氏名 | 必要 | 宅地建物取引士を置かない場合は不要 |
当該場所における業務内容 | 不要 | 必要 |
売主の名称および免許証番号 | 不要 | 必要 |
事務所以外の場所に専任の宅地建物取引士を置かない場合には、クーリングオフ制度の適用がある旨も標識に記載する必要があります。
事務所以外の場所で契約・予約・申し込みを受け付ける場合には、成年者である専任の宅地建物取引士を最低1名以上設置する義務があります。
成年者であると見なす基準や専任と見なす基準は、通常の事務所と同様です。
同一の物件を販売するために、売主の宅建業者と代理・媒介をする宅建業者が同一場所で業務にあたる際には、売主か媒介・代理いずれかの宅建業者が1名以上の宅地建物取引士を設置すれば足ります。
ただし、複数業者がそれぞれに異なる物件を販売する不動産フェアなどの場所では、それぞれの宅建業者が各1名以上ずつ宅地建物取引士を設置しなければいけません。
前項の宅建士を置いた案内所等においては、同時に案内所等についての届出義務も課せられます。この義務を果たさなくてはならないのは、当該場所に関わる全ての宅建業者です。
案内所等を設置した宅建業者はもちろん、売主、あるいは代理・媒介業者など、どのような業務内容であってもそれぞれに届け出る必要があります。
案内所等についての届出期限は、当該案内所等で業務を開始する10日前までです。
届出の際に知らせる内容は以下の事項です。
案内所等についての届出先は以下の2箇所です。
この項目に関連する法律は以下のとおりです。
宅地建物取引業法施行規則(令和2年3月1日時点)
第15条の5の2(法第31条の3第1項の国土交通省令で定める場所) 法第三十一条の三第一項の国土交通省令で定める場所は、次に掲げるもので、宅地若しくは建物の売買若しくは交換の契約(予約を含む。以下この項において同じ。)若しくは宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介の契約を締結し、又はこれらの契約の申込みを受けるものとする。
第15条の5の3(法第31条の3第1項の国土交通省令で定める数) 法第三十一条の三第一項の国土交通省令で定める数は、事務所にあつては当該事務所において宅地建物取引業者の業務に従事する者の数に対する同項に規定する宅地建物取引士(同条第二項の規定によりその者とみなされる者を含む。)の数の割合が五分の一以上となる数、前条に規定する場所にあつては一以上とする。
法第五十条第一項の国土交通省令で定める業務を行う場所は、次に掲げるもので第十五条の五の二に規定する場所以外のものとする。 |
問題:
宅地建物取引業者が、一団の宅地建物の分譲を案内所を設置して行う場合、その案内所が契約を締結し、又は契約の申込みを受ける場所であるときは、当該案内所には、専任の宅地建物取引士を置かなければならない。(令和元年度本試験 問40より抜粋)
答え:〇
分譲マンション等の案内所が「契約を締結し、又は契約の申込みを受ける」場所であるときは、その案内所に専任の宅地建物取引士を設置する義務があります。
この項目で押さえておくべきポイントは以下のとおりです。
今回は、宅建業者が業務を行う事務所以外の場所における規制について解説しました。
宅建業者は、業務の拠点となる事務所以外の場所で営業活動をする際にも、来訪されるお客様に対して「安心」と「誠実」をお約束する必要があります。
事務所以外の場所に課せられている3つの義務も、お客様や取引相手に対して「安心」と「誠実」を提示するためのものであることを理解しましょう。