最速で宅建に合格|学習期間を短くするための効率的な勉強法とは
資格講座の人気ランキングで、常に人気トップの資格の1つが宅建(宅地建物取引士)です。
合格率は約15%と、決して高いものではありません。さまざまな勉強方法の中から自分に合うものを見つけ出し、効率的に勉強を進めることが合格のカギです。
今回は、それぞれの勉強方法の特徴と、おすすめの勉強の仕方について解説します。
宅建試験の合格率
国家資格としての宅建の難易度は、どれくらいの難しさなのでしょうか。過去10年間の合格率等の推移を表にまとめました。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
令和元年 | 220,797 | 37,481 | 17% | 35点 |
平成30年 | 213,993 | 33,360 | 15.6% | 37点 |
平成29年 | 209,145 | 32,644 | 15.6% | 35点 |
平成28年 | 198,463 | 30,589 | 15.4% | 35点 |
平成27年 | 194,926 | 30,028 | 15.4% | 31点 |
平成26年 | 192,029 | 33,670 | 17.5% | 32点 |
平成25年 | 186,292 | 28,470 | 15.28% | 33点 |
平成24年 | 191,169 | 32,000 | 16,74% | 33点 |
平成23年 | 188,572 | 30,391 | 16.12% | 36点 |
平成22年 | 186,542 | 28,311 | 15.18% | 36点 |
過去10年の合格率は、約15%~17%程度で推移しています。一方で受験者数は右肩上がりで増えており、令和元年には22万人を超えました。
さらに注目すべきは、「合格点が上がっている」点です。平成24年~27年までは31~33点で推移していたものが、平成28年~令和元年は35点以上が必要になっています。
宅建試験は難化傾向
前述の通り、合格に必要な点数が右肩上がりの傾向にあります。なぜ、このような事態になっているのでしょうか。
大きな原因の1つは、「受験者のレベルアップ」にあります。
受験者のレベルが毎年上がっているから
2回目以降の受験者が増えることや、市販テキストが洗練されている等の理由によって、受験者のレベルは年々上昇しています。宅建は相対評価で15%前後の合格率に抑えられるため、必然的に合格点数が高くなります。
一方で令和元年には、問題そのものが難しくなったために合格点数が前年より下がる結果となりました。
受験者のレベルが上がることによって、結果として試験の難易度が上がっていきます。
権利関係が鬼門
宅建の試験を難しくさせている原因の1つは、「権利関係」の科目です。
権利関係では、大半が「民法」から出題されます。民法は条文が1,000以上もある上、関連する判例(裁判所の判断)も覚えなくてはいけないことから、勉強量が膨大になるのです。
民法を含めた「権利関係」の勉強を、いかにコツコツ進めるかが現在の合格のカギです。
各勉強方法のメリット・デメリット
宅建の勉強としては、「独学」「通信講座」「塾・スクール」と大きく3つに分かれます。それぞれの勉強法の特徴と、かかる費用について解説していきます。
市販のテキストで独学
書店や通販でテキストを購入し、自分で勉強を進めるスタイルです。教材費が少なくて済むうえ、自分のペースに合わせて勉強できることができます。
学生や専業主婦など、使える自由時間が限られている人に人気がある方法です。
メリット1|自分に合った教材を選べる
市販の教材には、それぞれ特徴があります。オールカラーか二色刷りか、文章が多いかイラストが多いかによっても使い勝手が違ってきます。
これらの選択肢の中から、自分に合った一冊を選べることが独学の魅力です。
メリット2|他の方法よりお金がかからない
独学は、費用がもっとも安い点も魅力です。テキストと問題集を1冊ずつ買って勉強をするなら、税込みでも1万円かからずに済みます。
これが通信講座なら、教材一式で10万円以上することも珍しくありません。スクールであれば更に高くなります。
デメリット|勉強の進み具合が分からない
独学のデメリットは、合格に向かっているのか客観的に判断できないことです。
通信講座や塾・スクールであれば、模試をやるチャンスが複数回あります。講師からのフィードバックを受けて対策を立てることも可能です。
独学の場合は、勉強が正しい方向に進んでいるか自分で判断する必要があります。
かかる費用の例
例えば、TACの宅建テキストは1冊3,300円です。問題集は2,750円になります。
2冊買って勉強を始めるなら、約6,000円で教材が揃います。
宅建独学におすすめの市販テキスト5選|初めて受験する人向けに詳しく紹介
通信講座を利用する
大手予備校が実施している通信講座を利用する方法もあります。塾・スクールの本格的な教材を、格安の値段で利用できます。
「独学で進める自信はないけど、自分のペースでやりたい」という人におすすめです。
メリット1|自宅にいながら受講できる
通信講座は、申し込み後に教材が自宅に送られてきます。そのため、学校に通う時間がなくても自宅で学習を進めることが可能です。
メリット2|分からないことを質問しやすい
通信講座では、分からないことがあった場合は講師に質問ができます。全て自分でこなさなくてはいけない独学と比べ、これは大きなメリットです。
例えば通信講座の大手「フォーサイト」の宅建講座の場合、5回~15回まで(コースによって異なる)講師に質問を送ることができます。
メールでやりとりするため、24時間いつでも質問できることも魅力です。
デメリット|講師とのやりとりに時間がかかる
通信講座のデメリットは、講師とのやりとりに時間がかかる点です。例えば前述のフォーサイトの場合、回答は「質問してから10日以内に来る」ことになっています。
その場で回答がもらえる塾・スクールに比べ、回答までの空白期間にストレスを感じる方もいます。
通信講座で質問をした際は、その単元は後回しにしましょう。回答に時間がかかることを考えて、次の単元に進んだ方が効率的です。
かかる費用の例
フォーサイトの「バリューセット1 2020年試験対策」は税抜・送料別で56,800円です。
塾・スクールに通う
最後に紹介する方法が、大手予備校を始めとした塾・スクールに通って勉強する方法です。
メリット1|実績ある講師から教われる
この方法の魅力は、講師から実際に講義を聞くことができる点です。通信教育のCDやDVDと違い、感情がこもった生の声を聞いて勉強することができます。
法改正などの注意点を、講義の中でリアルタイムで聞ける点も魅力です。
メリット2|仲間と一緒に勉強できる
スクールでは、模試の結果を仲間と共有することができます。周りが自分より点数が高ければ刺激になり、みんなが間違えた問題を集中して勉強し直すことも可能です。
デメリット|費用が高額になる
この方法は、教室を使用して講師に教わるため、費用が最も高額になります。また、実際にスクールに足を運ぶ必要があるため、社会人はスケジューリングが大変です。
かかる費用の例
資格の大原の「2020年受験対策 完全合格週2コース」は一般価格で172,100円です。
宅建に合格するにはどの塾を選べばいい?資格学校の特徴と比較のまとめ
おすすめは独学か通信講座
これまで、「独学」「通信講座」「塾・スクール」の3つに分けて勉強方法を紹介してきました。
もしゼロから勉強を始めるとしても、おすすめは独学か通信教育です。
宅建は独学でも十分合格できる
なぜなら、宅建は独学で十分に合格できる資格だからです。
宅建の合格に必要な時間は、250~350時間と言われています。これなら独学でも1日1時間の勉強を1年続ければ合格圏内までいけます。
また、多少のお金がかかっても学習時間を短くしたいという方もいます。そのような場合は、5万円くらいのお金をかけて通信講座を利用しましょう。
宅建合格に必要な教材3つ|テキスト、過去問、予想問題
最後に、宅建におすすめの勉強方法を紹介します。
独学で勉強を進めていくと決めたら、3つの教材を購入しましょう。それは、テキスト、過去問、予想問題集の3つです。
まず、テキストを2週ほど読み込んで知識を身につけます。この時に、時間をかけすぎてはいけません。次のステップに進みやすくするために、大まかに読み進めるのがコツです。ここで時間をかけてしまうと、いつまでたっても次に進めません。
テキストが終わったら、次は過去問をやりこみましょう。予想問題よりも、まずは過去問を徹底的に繰り返します。なぜなら、宅建は過去問からの焼き直し問題が多いからです。
過去5年分と10年分の2つの過去問題集があったら、過去10年分のテキストを選びましょう。5年のものより解説が簡素ですが、分からないときはテキストに戻って覚え直せばいいのです。
過去問をやりこんだら、予想問題集を進めながら予備校の模試を受ければ合格にグッと近づきます。
まとめ
今回は、宅建の勉強を進める上で選択できる勉強法の違いを紹介しました。独学・通信講座・スクール通いのどれを利用しても、しっかり勉強すれば宅建の一発合格は可能です。
試験本番から逆算して、スケジュールを組んで計画的な勉強を進めていきましょう。
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