売却依頼者へのヒアリングポイント9つ|信頼構築が聞き取りの秘訣

投稿日 : 2019年11月08日

売却依頼を受けたらまずすべきこと

お客様から物件の査定依頼・売却依頼を受けたら、まず何をすべきでしょうか。

それは、依頼者への入念なヒアリングによって対象物件の「売主しか知らない事情」を聞き出すことです。

このヒアリングは、現地調査や役所での調査よりも優先して行うべき事項です。

なぜなら、ヒアリング内容によっては法務局や管轄役所で調査すべき内容が大きく異なる場合があるからです。

限られた時間の中で、二度手間三度手間のロスは避けなくてはいけません。

また、過去や現存する建物の状態や地中埋設物により、売却時に余計な費用がかかることもあり得ます。

売主へのヒアリングは基本中の基本ですが、聞き出すべき内容を把握していなかったり、売主の言いしぶりにうまく対応できない営業マンもいるようです。

今回は売主に必ず確認したいヒアリングのポイントと、ヒアリングを上手にする方法について解説します。

 

売却依頼者へのヒアリングポイント

売主に聞き出すべき内容とは、一言で言えば「対象物件にまつわるすべての事柄」です。具体的には、以下の内容を明確にしておく必要があります。

  1. 売却動機
  2. 残債務などの売主の財務状況および今後の予定
  3. 現存する建物の状態(設備類の不具合の有無、過去の修繕履歴・リフォーム履歴)
  4. 現存する建物の基礎や浄化槽などの地中埋設物の状態
  5. 土地・地盤の状態(土壌汚染の有無、軟弱地盤など)
  6. 心理的瑕疵の有無(火災、浸水、自殺、他殺など事件および事故の発生履歴)
  7. 隣接地との境界に関する取り決め(覚書などの有無)
  8. 居住環境(騒音、悪臭、振動、電波障害の有無)
  9. 近隣の環境(近隣トラブル、火葬場・墓地・廃棄物処理場・下水処理場・暴力団事務所などの嫌悪施設の有無、町内会の持ち回り制度など)

上記を見てわかるとおり、ヒアリングポイントは対象物件のみならず周辺環境についても含まれます。

そして近隣トラブルの有無などは役所で調べても出てこない事項なので、売主自身に聞き出すしかありません。

いくら土地や建物の状態が良くても、周囲にマイナスポイントが多くあれば物件の価値は下がってしまいます。

つまり物件評価の決め手は、売主しか知らない事情にあるのです。

 

ヒアリングが難しい場合の対処法

事件・事故の履歴がある心理的瑕疵物件や、周辺に嫌悪施設がある物件などの場合、売主としても積極的には話しづらいでしょう。

しかし、それを隠して取引を行ない、後になってそれが明るみになると、買主との間で大きな問題に発展します。

買主から「それを聞いていたら、その価格では買わなかった。」と、賠償金を請求されることも起こり得ます。

たとえ言いづらいことであろうと、隠すことで生じるリスクについて他の案件のトラブル事例などを説明しながら、正確なヒアリングを行なう必要があります。

また、昔に行なった近隣住民との取り決めや、工事の履歴を売主自身が忘れてしまっていることもあります。

例えば、ライフラインについて、新築時には前面道路に本管がなく、引き込みが裏の別の道路から隣地経由で行われていたりすることもあります。

隣地との古くからの近所づきあいで、現状は特に問題になっていない状態であっても、別の所有者(=買主)に代わった途端に、隣地からライフラインの撤去を要求されるというようなことも起こり得ます。

その他にも、相続により所有者が代替わりしているような場合には、そもそも売主自身が詳しい状況をわかっていないケースもあります。

売主からのヒアリング後に行なう現地調査や役所調査などを通じて、疑問に思う点が出てきた場合には、改めて売主や近隣住人にヒアリングを行ない、問題に発展しそうな要素がないかを確認するようにしましょう。

 

まとめ

不動産売却は、売主と宅建業者がチームを組んで行います。

チームメイトが協力しあわなければ、売却という勝利は勝ち取れません。

売主だけが知っている情報を宅建業者も共有できるように、繰り返しヒアリングを行って団結力を深めましょう。