「宅建とは」宅建士の仕事内容やメリット・なるための方法などを徹底解説
「不動産の営業は、宅建を持っていた方がいいの?」
「宅建を持っているメリットって?」
不動産の営業マンが宅建の資格を持っていなくても、法律的には問題ありません。
毎日多くのお客様と接する営業マンは、業務をこなすだけでも大変です。「取らなくてもいい資格なら、無理して取らなくてもいいのでは…」と思う気持ちもわかります。しかし、宅建の資格を持っているかいないかで、あなたの営業マンとしての将来が大きく変わります。
今回は、不動産取引に欠かせない宅建はどんな資格なのか、資格が人気の理由などについての解説です。
宅建(宅地宅建取引士)とは
宅建(宅地建物取引士)とは、宅地建物取引業を適切に行うための、専門知識があることを示す国家資格です。宅建試験に合格後、都道府県知事の登録を受けると、宅地建物取引証という顔写真付きのカードが交付されます。宅地建物取引業とは、土地や建物の売買・仲介・賃貸を言います。
土地や家の購入は、多くの人が人生ではじめてになるため、知識がない人が多いです。高額な買い物で、消費者が不利な契約をしてしまわないように、契約前に宅建士の資格を持つ人が、しっかりと説明することが法律で決められています。消費者に納得して契約してもらい、契約内容に責任を持つことが、宅建士の役割です。
宅地建物取引士とは|宅建士の専門業務・倫理規範・資格試験など解説
不動産営業に宅建は必須!?
不動産の営業マンになるために、宅建の資格は必須ではありません。
しかし、家を買う人は数千万かけて人生に一度の買い物をするんです。そんな高価な買い物を任せるなら、きちんと資格を持っている人の方が安心ですよね。宅建士の資格を持っていれば、お客様からの信頼を得やすいですし、不動産営業マンとしての知識も広がります。
宅建士の資格は、5人に1人は必ず持っている資格です。宅地建物取引業を営むには、宅建士の資格を持った人が、一つの事業所で5人に1人以上は持っていなければいけないという決まりがあります。
5人中4人は持っていなくても大丈夫ということになりますが、宅建士の資格があればできる業務の範囲も広がるので、不動産営業マンなら持っておくべき資格です。
あなたの周りの営業マンが宅建士の資格を持っていないのであれば、一足先に資格を取ると、周りよりも一歩リードできるかも知れません!
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宅建士にしかできない業務内容とは?
宅建士にしかできない業務内容は、以下の3種類です。
- 重要事項の説明重要事項の説明
- 書面への記名・押印
- 契約書への記名・押印
どの業務も、宅地建物取引でとても大切な仕事です。それぞれの内容を、順番に解説していきます。
重要事項の説明
重要事項の説明は、契約前に必ず行わなければいけないものです。宅建士の資格を持つ人が、契約者へ口頭で説明することが必要。
重要事項の説明では、
- 契約金額
- 手付金
- 建物の構造、広さ
など契約内容や建物の状態など、さまざまな取引条件を説明します。
重要事項の説明を行うことによって、契約者の認識のずれを防いだり、購入後に不動産会社がクレームを受けたりすることを防ぎます。
重要事項の説明書面への記名・押印
重要事項の説明書への記名・押印ができるのも、宅建士の資格がある人のみです。
不動産の取引は専門用語が多く、法律や税金など難しい内容になり、説明する量が多いため、重要事項の説明書面を作成・交付します。
重要事項の説明は、書面へ宅建士が記名・押印すると、書面の内容に責任を持って重要事項の説明を行った証拠となるため、非常な重要な手続きです。
契約書への記名・押印
重要事項の説明の書面と同じように、契約書への記名・押印ができるのも、宅建士のみです。
重要事項の説明が終わると、売買契約のために契約書の作成、手続きとなります。契約書は売買取引をした証明書となる、重要な書類です。重要事項の説明書と同じように、記名・押印したからには、内容に責任を持つ必要があります。
以上のように、宅建士の資格を持っている場合、売買取引で最も重要な場面で活躍することができます。書類に自分の名前と押印が残るので、とても責任のある役割です。
宅建が人気な3つの理由
宅建が人気である理由は、以下の3つです。
- 需要が高く、就職や転職に有利
- 年収アップが期待できる
- 誰でも受験できて、比較的受かりやすい
将来転職をする可能性がある場合、不動産業界以外でも宅建が歓迎される業界があるため、転職に有利です。
転職予定がない人も、不動産会社でのキャリアアップの道が開け、年収アップが期待できます。そんなメリットの多い「宅建士」が人気の理由を解説していきます。
需要が高く、就職や転職に有利
宅建士の知識が役に立つのは、不動産業界だけではないため、就職・転職に有利です。宅建士は国家資格になるため、持っていれば専門知識を証明することが可能です。履歴書に記載すれば、書類選考や面接でのアピール材料になりますし、アピール内容に説得力が生まれます。
年収アップが期待できる
不動産会社で頑張りたいと思っているあなたは、宅建士の資格を持っていれば年収アップが期待できます。
宅建の資格を持つ人の30代年収は、約481万(平均年収.JP 宅建の年齢別年収参照)となり、30代の全職種の平均年収444万(doda 平均年収ランキング参照)よりも少し高いです。
さらに、資格を持っていると主任や支店長などに昇進の可能性が広がったり、資格手当などで給料面が優遇される可能性もあります。
インセンティブが入る会社の場合、資格取得でお客様の信頼を得られ、成約率が上がるなど、収入アップが期待できます。
誰でも受験でき、勉強さえすれば取得できる
宅建が人気の3つ目の理由は、実務経験がない人でも勉強さえすれば合格できる点です。
令和2年10月に実施された宅建の合格率は17.6%となり、約6人に1人が合格していることになります。合格率は決して高くはありませんが、頑張って勉強すれば誰でも取れるという点が、人気の理由です。
宅建士が活躍しやすい職場3選
宅建士が活躍しやすい職場は、以下3つです。
- 不動産会社
- ハウスメーカー
- 金融機関
具体的にどのようなことで宅建士が役に立つのか、解説していきます。
不動産会社
宅建士の知識を最も活用できるのは、不動産会社になります。不動産会社と言っても、売買・仲介・賃貸など事業内容はさまざまですが、どの事業内容でも宅建士の知識は必要です。
宅地取引業を行う不動産会社では、5人に1人以上の宅建士の資格を持つ人が必要になり、宅建士しかできない仕事もあるので、資格取得者は歓迎されます。
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ハウスメーカー
ハウスメーカーは建築業に分類されますが、営業の場合は、お客様と土地や家のことを話すので、宅建士の資格を持っていると、お客様との信頼を築きやすいです。
また、ハウスメーカーの中には、建築だけでなく自社で販売まで行う会社もあります。売買の取引には宅建士の資格を持った人が必要なので、資格所有者は重宝されます。
金融機関
銀行や保険会社などの金融機関でも、宅建士の資格が役に立つ場合が多いです。銀行が融資を行っている住宅ローンでは、土地や家を担保とするため、土地や家の評価について知識があると、業務で役に立ちます。
また、保険の契約では、住宅ローンの有無や、マイホームか賃貸かなど住宅の持ち方なども関係します。そのため、不動産の知識があると有利です。
その他にも、不動産管理会社でも、不動産分譲の仲介・管理をする会社が増えています。また、不動産投資を行っている企業で資産運用のアドバイザーとしても活躍の場があります。
宅建士になるには?
宅建士になるまでの流れは、以下の通りです。
- 宅建試験を受験
- 宅建試験に合格
- 実務経験が2年以下の場合は講習を行う
- 都道府県知事の登録を受ける
- 宅地建物取引士証の交付を受ける
※宅建士の登録を受けるには、過去10年以内に実務経験が2年以上必要です。2年以上の実務経験がない人は、実務講習を受ける必要があります。
宅建試験は毎年一回、10月の第3日曜日に行われます。年一回のみの試験なので、チャンスを逃さないように、事前に日程を確認してくださいね。
宅建の試験内容
試験範囲は多岐にわたり、
- 土地や建物の構造や種類
- 税金
- 価格の評価
- 宅建業法
- 民法
- 建築基準法
などです。
勉強方法は、独学・専門学校・通信講座という選択肢があります。独学ならお金をあまりかけずに済みますが、チャンスは年に一度しかなく、出題範囲が広いため、絶対に合格したい人は、専門学校や通信講座を選択するのも一つの手段です。
合格後に交付される宅地建物取引士証の有効期限は5年となっており、5年おきに講習を受講して免許更新します。
やっぱり宅建は不動産の営業マンにとって必須資格!
不動産の営業マンが宅建士の資格を持っていなくても、業務を行うことは可能です。しかし、宅建士の資格を持っていれば、若い営業マンでもお客様と信頼関係を築きやすいため、成約率にも影響します。
もしもあなたが数千万の家を買うなら、専門知識がある人に任せたいですよね。宅建士の資格があれば、「この人に任せたい!」とお客様に思ってもらえる可能性が高いです。
また、お客様との信頼関係だけでなく、社内での信頼も上がり、自分に自信がつきます。宅建士の資格を取ることで他の人と差をつけて、できる営業マンへの道を開きましょう!
まとめ
宅建士は重要事項の説明、書類への記名・押印など宅建士にしか取り行えない業務を扱っています。
不動産営業を行なっていくにあたっても重要な資格となっています。キャリアアップにもつながるため積極的に取得していくことをおすすめします。
宅建士への資格取得チャレンジについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
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