第8回【イベントレポート】基調講演 生成AI活用普及協会「国・企業の動向から紐解く生成AI導入。いま企業に求められる「生成AI人材」の育成」
一般社団法人生成AI活用普及協会 事務局次長 小村氏
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不動産テック協会とは
不動産とテクノロジーの融合を促進し、不動産業界の健全な発展と公共福祉の増進に貢献することを目的として、不動産テック業務に関する調査・研究や情報発信、ルールの確立、ビジネス機会を創出するイベントの開催など、さまざまな事業を行っている協会です。
2018年の発足以降、不動産テックカオスマップの公開や様々な情報発信を精力的に行っています。
活動内容
不動産テック協会は6つの部会を組織し、活動を行っています。
しています。2022年からは国土交通省が推進している不動産IDプロジェクトに検討会メンバーとして参加しています。
多くの不動産会社とテック企業が交流することで、新しいビジネス提携が次々と生まれています。
近年では、オンラインで不動産投資をするマーケットが広がりをみせています。特に、不動産クラウドファンディング、不動産特定共同事業法(不特法)の電子取引業務をつかったマーケットに着目をしています。今年の夏時点ではオンライン不動産投資を行っている会社が81社あると確認し、これから益々増えていくと考えています。
健全な業界の発展のために、中立的な協会の存在が必要だと考え2023年8月に「一般社団法人 不動産クラウドファンディング協会」を発足し、信頼性・透明性・認知度を高める活動を実施しています。
しました。各カテゴリーの理解を深めるため、業界マップの各カテゴリーに属する企業の登壇イベントも開催しています。
世界のテック企業のトレンドなどの事例調査と発表、有識者を招聘した勉強会などを開催
しています。
し、最新のAI技術と不動産業界での具体的な応用例について、理解を深められる機会を創出しています。
国・企業の動向から紐解く生成AI導入。いま企業に求められる「生成AI人材」の育成
一般社団法人 生成AI活用普及協会
小村 亮 氏
GUGAとして知られる「生成AI活用普及協会(Association to Generalize Utilization of Generative AI)」は、生成AIリスクを予防する資格試験「生成AIパスポート」の実施や、生成AI活用のスキルを有する人材の育成支援として企業向けの研修や有識者による最新の生成AI活用講習、生成AI活用に関する市場動向や最新技術などの情報提供、政策提言を通じた産学官連携の推進など、生成AIの社会実装に向けて、生成AIパスポート(人材育成)を軸としたサービスを展開し、多くのステークホルダーの方々とともに生成AIインフラの企画・提供を推進しています。
Copyright©2024 一般社団法人生成AI活用普及協会
生成AIとは
となっており、テキスト生成・画像生成・音楽生成・音声生成・動画生成など様々なコンテンツを簡単に創造することができます。
これまであった従来のAIはエンジニアやデータサイエンティストなどの技術職の方々が、いかに精度の高いモデルを作るかという「作る」が主体となるものでした。対して生成AIは、すべての人が自身のビジネスなどに対していかに付加価値を高めるために使うかという「使う」が主体となります。誰もが使えるようになったことで、AIは「作る」ものから「使う」ものへと変化
しました。
そして、生成AIのトレンドはすでに移り変わっております。独自のデータを活用して特化型に仕上げていくことがトレンドになってきています。
- 【これまで】汎用型の普及
- ChatGPT(OpenAI)
- Copilot(Microsoft×OpenAI)
- Gemini(Googleの対話型AI) など
- 【現在】組織特化型の開発
- 社内のデータ・マニュアルを汎用型に学習させたり、RAG(検索拡張生成)を用いてAIが検索できる環境を整えたりして、組織に必要な情報をアウトプットできる状態を整える。
- 【これから】産業特化型・個人特化型へ派生
- 社内だけではなく、産業全体、業界共通の課題を解決する動きに派生していく。
- AIエージェントと呼ばれるような、より個人に特化したAIが誕生してくる。
Copyright©2024 一般社団法人生成AI活用普及協会
ここでいうステップは「順番」ではなく「階段の高さ」のように捉えてください。上の図ではステップ1の難易度を「低」としていますが、ステップ1〜4を相対的に比較すると低いというだけで、決して簡単というわけではありません。
現在、既にステップ4の技術活用ができるところまで進んでいますが、多くの企業がステップ1で苦戦しているのが現状です。
生成AIに関する市場動向と未来予測
内閣府は2023年5月に第1回「AI戦略会議」を開催しています。そこから2024年9月の現時点までの国の動きとして主に11の生成AIに関するトピックが挙げられます。これらから生成AIについて国が本気で施策を推進していることが伺えます。
2024年4⽉19⽇、総務省・経済産業省が共同で発表した「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」では、構成に『AI利⽤者に関する事項』を、対象者に『AI利用者』が記載されています。これまで開発がメインで語られてきたAIですが、これからは”どの立場”でもAIに携わる以上押さえておかなければならない観点が存在するということです。
これは、すべてのビジネスパーソンがAIと向き合う必要性があると言及しているとも言えます。
引用:PwCコンサルティング合同会社「生成AIに関する実態調査2024 春 ―試行錯誤の中で見え始める二極化の兆し:生成AIを経営資源の1つとする変革の始まり」
関心度の上昇が伺える一方で、活用前段階となる『推進中・検討中』が48%と前向きではあるものの、まだまだ足踏みをしている様子が伺えます。
引用:PwCコンサルティング合同会社「生成AIに関する実態調査2024 春 ―試行錯誤の中で見え始める二極化の兆し:生成AIを経営資源の1つとする変革の始まり」PDF版
「AIの民主化」が起こったことにより、すべての人がAIを利用できるようになりました。が、裏を返せばAI初心者が多く生まれたともいえます。
これから先、⽣成AI活⽤が当たり前となる社会が訪れます。生成AI を安全に活用できることが、取引や就職、転職などで選ばれる前提条件となるとすると、「⽣成AI活⽤レベル」を証明することが「選ばれる企業・⼈材」になるために重要なアクションとなります。
参照:生成AI活用普及協会
GUGAは、多くの企業・団体さまとともに、生成AI 人材を採用する意志を表明する共同プロジェクト「生成AI 人材採用宣言プロジェクト2024」を2024 年1 月10 日(水)に始動しました。1ヶ月程度の短い募集期間でしたが、92 の企業・団体さまに賛同を表明いただき、人材・教育・マーケティングなど幅広い業界でAI 人材への需要の高まりを感じております。
生成AI人材育成のキホン
そのため、GUGAでは暫定的に下記のように「生成AI人材」とはどのような人材かを定義づけています。
- 生成AIコンサルタント
- 生成AIマネージャー
- 生成AIアンバサダー
- プロンプトエンジニア
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が今、企業に求められているといえます。
AIリテラシーの重要性
「AIリテラシー」を身につけることで、AIとの付き合い⽅や”OK・NG”の線引きを把握することができ、⾃信を持って活⽤することができるようになります。
- AIを安全かつ実践的に活用できる人材
- AIを安全に活用できる人材
- AIに代替されていく可能性が高い人材
- AIを活用するリスクが最も高い人材
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スキルが高く様々な活用をすることが出来る一方で、リテラシーが低いということはリスクに関する観点が抜けているということなので、その分トラブルに発展しやすいことを意味しています。
生成AIのリテラシーを高めていくことが、安全に活用する土壌形成に必要不可欠といえます。
- 共通言語化
- 生成AIに対する知識レベルが揃うことで、コミュニケーションが円滑になる
- プロジェクトが推進しやすくなる
- 利用率向上・活用定着
- 入門的なスキルを習得することで、自分にあった活用がイメージでき応用できるようになる
- リスク予防
- 正しくリスクを把握することで、生成物や用途を適切に疑いトラブルの顕在化を防げる
生成AIパスポート
AIを活用したコンテンツ生成の具体的な方法や事例に加え、企業のコンプライアンスに関わる個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった注意点などを学ぶことができます。
【生成AIパスポート公式サイト】
https://guga.or.jp/generativeaiexam/
生成AIパスポート試験「年間スケジュール」 | ||
---|---|---|
申込期間 | 受験期間 | |
第1回 | 10⽉1⽇ 0:00 〜 1⽉31⽇ 23:59 | 2⽉1⽇ 0:00 〜 2⽉29⽇ 23:59 |
第2回 | 2⽉1⽇ 0:00 〜 5⽉31⽇ 23:59 | 6⽉1⽇ 0:00 〜 6⽉30⽇ 23:59 |
第3回 | 6⽉1⽇ 0:00 〜 9⽉30⽇ 23:59 | 10⽉1⽇ 0:00 〜 10⽉31⽇ 23:59 |
⽣成AIのポテンシャルを引き出すも、リスクを招くも、最終的に判断する役割を担う「⼈間次第」です。AIツールを導⼊するだけではなく、「⽣成AI⼈材」の育成が企業における⽣成AI導⼊の鍵を握ります。
まとめ
一般社団法人 生成AI活用普及協会(GUGA)小村事務局次長による基調講演でした。
ChatGPT(OpenAI)の普及により、私たちの生活は大きく変わりました。今はまだアンテナを高く張っていち早く情報をキャッチする層がメインプレーヤーとなっていますが、誰もが当たり前に生成AIを活用する日が来るのも遠くありません。
便利である一方で、正しく使えなければ個人情報保護、著作権侵害、商用利用可否といった権利侵害のトラブルを引き起こす可能性もあり、全体的なリテラシーの向上が不可欠となっています。
これからの社会で必ず必要とされるスキルである「生成AI」。
「生成AIパスポート」の資格試験を活用して、⽣成AIリスキリングの第⼀歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
関連情報
│一般社団法人 不動産テック協会
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
┃一般社団法人 生成AI活用普及協会
https://guga.or.jp/