不動産仕入れ営業とは何か?基本情報からお役立ち知識までまとめて紹介

投稿日 : 2023年12月18日

不動産仕入れは、仕入れた不動産を売るというシンプルかつ利益を獲得しやすい事業の要となる仕事です。

今回の記事では、その不動産仕入れ営業について、基本的なことから、成果を上げるために知っておきたいお役立ち情報までを紹介します!

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不動産仕入れ営業の仕事内容は?

不動産仕入れ営業の仕事内容を理解できるように、ここでは仕事の流れや適性のある人を紹介していきます。

不動産仕入れの流れ

不動産仕入れ営業が最初にするのは、買取候補となる不動産を探すことです。

どのような不動産でも良いわけではありません。収益性のある不動産が、買い取り候補となる不動産です。

仕入れた不動産の用途は、マンションなどを建てて販売する、建物をリノベーションして販売する、社屋を建てたり賃貸事業を始めたりと自社で利用する、などになります。

不動産仕入れ営業は、仕入れた不動産の立地や面積といった条件から、どのような用途に使えるのか、いくらの収益を得ることができるのかを計算します。

買取候補の不動産を探しだしたら、現地調査を行います。交通量や周辺の環境など、登記簿や地図だけではわからない情報を調べます。

交通量や日当たりなどは、曜日や時間帯によって異なるので、現地の状況を正確に把握するためには複数回の現地調査をしなければならないでしょう。

また、都市計画法や条例に基づく制限がかけられていたり、抵当権が設定されている可能性もあります。そうした情報は、役所調査として、法務局や地方自治体で調べる必要があります。

現地調査や役所調査を経て、残った買取候補の不動産があれば、オーナーや売買の仲介をしている不動産会社との交渉を始めます。

価格や取引条件について話し合い、合意に至れば売買契約を結びます。一度断られても、粘り強く交渉すれば良い結果につながることもあるので諦めてはいけません。

不動産仕入れ営業が向いている人

不動産仕入れ営業に向いているのは、まず計算が得意な人です。

収益性のある不動産を見極めるためには、いくらで仕入れていくらで売れるのか、どのようなマンションを建てられるのかを、物件情報から計算しなければいけません。計算が得意な人でなければ、時間を掛けてもわずかな数の不動産しか検討することができないので、仕事にならないでしょう。

他には、情報収集を得意とする人、コミュニケーション能力が高い人も向いている人と言えます。

情報収集が得意であれば、比較検討する物件情報が増えるので収益性の高い不動産を探し出す可能性が高まります。

コミュニケーション能力については、買取交渉で必要となるスキルです。オーナーや不動産会社との交渉で、真正面から不動産を売ってくれというだけでは警戒されてしまいます。

相手との信頼関係を構築し、不動産を売却するならば頼りになる存在となるのが理想的です。コミュニケーション能力が高ければ、相手の信頼を得られるように話をうまく進めていくことができるでしょう。

不動産の仕入れはなぜ重要?

不動産の仕入れが重要である理由は、仕入れがなければ何も販売できないためです。

不動産仕入れ営業の仕事は、不動産を買い取る段階までになります。ときには買い取った土地に商業施設やマンションを建設するなど商品化の段階までやることもありますが、販売は別に担当者がいます。

不動産を販売して会社に利益をもたらすのは販売担当者ですが、それは良い商品があるからこそ成り立つ話です。

もし、仕入れる不動産がなければ、販売担当者は何もすることがなくなり、会社は利益を得られなくなります。

不動産仕入れが難しいと言われるワケ

不動産仕入れが難しいと言われるワケは、タイミングと買取価格の問題があるためです。不動産、特に買取候補となる収益性のある不動産というのは、いつでも市場にあるわけではありません。

買取価格が安いときには、オーナーや不動産会社も売りに出すのを控えるでしょうし、売りに出されても競合他社が先に交渉をまとめることもあります。

そのためタイミングが悪ければ、わずかな物件しか仕入れられない可能性も十分にあります。

仕入れ価格については、安く買うのが理想的ですが、相手も利益を得るため高く売りたいので、交渉で買取価格が上昇してしまうことが多いです。

また、収益性の高い不動産となれば、競合他社も狙うので価格競争となります。その場合も、買取価格の上昇を招きます。

こうした要因により不動産仕入れが難しくなっていますが、重要な仕事であることを理解していれば苦労以上のやりがいを得られるでしょう。

不動産仕入れ営業として働くメリット

出世しやすい

不動産仕入れ営業が収益性のある不動産を買取れば高値で販売でき、会社は大きな利益を手にします。

そうした不動産仕入れの重要性を会社は理解しており、成果を出した不動産仕入れ営業は高く評価されることが多いです。

そのため、不動産仕入れ営業となった従業員は、出世して要職に就ける可能性が高くなります。

将来、どのような自分になりたいのかというキャリアプランで、経営陣などを目指しているのであれば不動産仕入れ営業を目指すのも良いでしょう。

継続すれば仕事が楽になる

不動産仕入れ営業を継続すれば、地元のオーナーや不動産会社との親密度が高まります。

そうなれば、収益性のある物件の情報を苦労せずとも取得できるので、仕事が楽になるというのがメリットです。

無論、そのためには信頼される存在にならなければなりません。不動産仕入れ営業の仕事を始めたときには、好印象を与えられるように丁寧な挨拶や会話を心がけましょう。

不動産仕入れ営業として働くと大変な点

作業が多い

不動産仕入れ営業は、膨大な物件情報から収益性のある不動産を見つけなければなりません。

さらに、現地調査や役所調査、そしてオーナーや不動産会社との交渉も仕事に含まれます。作業量が多いので、気をつけないとオーバーワークに陥ります。

それでも、どの作業も収益性のある不動産を仕入れるためには必要なことですから、手を抜くことはできません。

コミュニケーション能力が高く、人脈を築くことが上手い人であれば、作業量を減らしていくことができるのでこの問題は解決できるかもしれません。

仕事が地味

不動産仕入れ営業というのは、販売担当の営業と違いスポットライトを浴びにくい仕事です。

そのため、他の従業員からは評価されにくいという問題があります。しかしながら、会社は不動産仕入れ営業を高く評価してくれる傾向があるので、仕事を頑張ればキャリアを築き出世できるでしょう。

失敗しない!不動産仕入れで成果を上げるポイント6選

不動産仕入れの仕事で成果を上げたいのであれば、押さえておきたいポイントがいくつかあります。

ここでは、6つのポイントを紹介するので参考にしてください。

人脈などのネットワークを広げる

人脈などのネットワークを広げることで、入手できる物件情報の数が多くなります。

中には、限られた人しか知らない優良物件もあるので、それを入手できれば大きな利益を獲得できるチャンスが生まれるでしょう。

人脈の広げ方は、不動産業界の関係者が集まる交流会に参加したり、SNSでお互いをフォローしあうといった方法があります。

不動産業界の流行りを押さえる

近年の不動産業界では、以下のような物件や場所の価値が高く評価される傾向にあります。

そういった業界の流行りを押さえておくことも、不動産仕入れにとってとても重要です。

空き家

少子高齢化や過疎化が進む日本では、空き家が増加しています。

空き家は扱いが難しいことから、扱いに困っているオーナーと話す機会ができれば安く買取ができるチャンスがあります。買取ができれば、リフォーム・リノベーションをしたり、解体して更地にすることで付加価値が生まれ高値で売れる可能性がでてきます。

駐車場

人口減少や自動車の普及台数の減少に伴い、駐車用の需要が減少しています。料金が入らなければ、駐車場経営は赤字です。そうした状態に陥っている駐車場に買取の話を持ちかければ、応じてくれる可能性があります。

ある程度の広さがある土地ならば、戸建てやマンションを建てて販売できるでしょう。

新築マンション

収入源などの影響で、住宅ローンの返済に困る人が増加しています。

そのままでは、大きな負債を抱えそうな人に買取の話を持ちかければ、応じてくれる可能性があるでしょう。余裕がない状態であれば、買取価格の交渉は不動産仕入れ営業が主導権を握りやすくなるので、安く仕入れるチャンスが生まれます。

戸籍謄本から情報を読み取る

オーナーの戸籍謄本を見ることができれば、相続や贈与が行われたときに新たな権利者に素早くアプローチできます。

特に権利者が複数人いて揉めている状況であれば、売却利益を分けるという解決方法があるので、買取の話に応じてくれるチャンスがあるでしょう。

浅く広く種をまいておく

今はまだ売る気がないオーナーでも、信用を築いておくことでまとまったお金が必要になったり、年を取った際に売ってくれる場合もあります。

しつこく「売ってくれ」と深追いすると、相手は反発して不動産を売るときが来ても任せてくれません。

今は売ってくれない相手に対しては、将来顧客になる可能性を信じて、適度な距離感を保ち良好な人間関係を築くのが成果を上げるポイントの一つです。そうして浅く広く種を巻いておけば、いずれ多くの実を得られます。

税理士や銀行マン、不動産会社にも営業をかける

税理士や銀行マンは、オーナーの相続問題や住宅ローンについて相談を受ける立場です。

営業をかけて親しくなれば相続税の支払や住宅ローンの返済のために売却されそうな物件の情報を入手できます。不動産会社も、公開・非公開の物件情報を握っているので、魅力的な情報を入手できるでしょう。

一度断られてからが営業

不動産仕入れ営業では、一度断られることも想定の範囲内です。一度目は顔と名前を覚えてもらう機会だと割り切り、二度目から本格的な営業をしていきましょう。

何度も話をできれば、信頼を得られますし相手の悩みや潜在的な要望も聞き出しやすくなります。

相手の悩みを参考に話の切り口を変えていき、少しずつ条件を提示していけば応じてくれるチャンスが生まれます。

不動産仕入れで使えるツール3選

不動産仕入れ営業が最初にやらなければならない情報収集では、ツールを使うことで効率的に物件情報が集まります。

ここでは、役立つ3つのツールを紹介します。

自社ホームページ

自社ホームページを開設しているならば、不動産の買取を呼びかけることができます。売る気のあるオーナーや不動産会社が直接アプローチをしてくれるので交渉もしやすいでしょう。

同じようにホームページで不動産の買取を呼びかける競合他社もいるので、会社の特長や実績、得意とする不動産の種類などを掲載しておけば、選ばれやすくなります。

不動産一括サイト

不動産一括サイトとは、売却を考えているオーナーが高値で買い取りをする不動産会社を探すために一括査定を依頼するサイトです。

不動産一括サイトに登録しておけば、まだ表に出ていない物件情報を入手できるチャンスを得られます。
登録をするためには費用がかかりますが、それで多くの売買契約を結ぶことができれば、コストを回収できるでしょう。

広告(オンライン/オフライン)

広告は、不特定多数の人に不動産の買取を呼びかける方法と言えます。

リスティング広告の場合、不動産の売却に関する情報を検索で探している人の画面に表示される仕組みです。表示される地域をすることもできます。

したがって、広告に反応してもらえる可能性が高いです。チラシについては、新聞の折込チラシなどになります。
新聞で情報収集をしている経済的に余裕のある中高年に対して、不動産買取を呼びかけるのであれば効果的なアプローチです。

まとめ

不動産仕入れ営業の仕事は、簡単に収益性のある物件を買い取れないという難しさがありますが、工夫次第で成果を上げることは可能です。

人脈などのネットワークを広げ、自社ホームページなどのツールも活用することで魅力的な物件情報をいち早く集められます。

そうした工夫により多くの成果を上げれば、会社から高い評価を得て出世をすることも夢ではありません。
不動産仕入れ営業に挑戦したいのであれば、そうした点を踏まえて努力していきましょう。