住宅購入において頭金を出すならいくら?メリットデメリットを合わせて解説

投稿日 : 2023年02月27日/更新日 : 2023年06月08日

不動産業界で働いている方の中には、「住宅購入の頭金」についてよく理解できていないという方も少なくないでしょう。同時に、難しそうというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、それほど難しいことではありません。ここでは、住宅購入の頭金の金額の目安や、メリット・デメリットについて解説していきます。

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住宅購入の頭金とは

そもそも、「住宅購入における頭金とは何か」を知らないという方もいるかもしれません。住宅購入の頭金というのは、住宅ローンで借り入れる金額とは別に、購入者が自ら用意する自己資金のことを指します。

例えば、3,000万円の住宅を購入した際、全て住宅ローンにした際は頭金0円ですが、このうちの2割である600万円を支払った場合は、その600万円が頭金で、住宅ローンの借入額は未払い分の2,400万円となります。

要するに、「住宅の購入額のうち購入者が負担する分のお金」が頭金です。税金や登記費用などの諸費用とは別に用意するものなので、混同しないように注意しましょう。

住宅購入で頭金を入れるメリット

住宅ローン審査に通りやすくなる

知らない方も多いですが、実は住宅購入で頭金を入れると、審査に通りやすくなるというメリットがあります。審査に通りやすくなる理由はさまざまですが、大きな理由として挙げられるのが、「住宅ローンとして借りる金額が減るから」というものです。

住宅ローンは誰でも借りられるというわけではなく、ローンを組む際に必ず審査を受ける必要があります。審査に落ちる方も少なくないですが、審査が通らない主な原因は借りる金額です。借入額が高いと、審査の際に「住宅の購入者がしっかり支払えるほどの返済能力があるか」を厳しく審査されます。

住宅は数千万円のローンを組むことも多いので、アルバイトやパートなのど収入があまり高くなかったり、給与額が安定しなかったりする職業の場合は審査に通りづらくなるでしょう。一方、頭金を支払えば借入額そのものが減るため、審査する際に求められる返済能力の基準が下がります。つまり、頭金を入れることによって、年収が低いアルバイトやパートの方でも住宅ローンを組みやすくなるということです。

住宅ローン返済額が軽減される

住宅ローンの審査に通りやすくなる理由の一つでもありますが、返済額を軽減することができるというのは頭金メリットの一つだといえます。返済額を軽減することのメリットは、「返済ができなくなるような状態になりにくい」というところです。

住宅ローンという言い方をしていますが、これは要するに借金であり、住宅の購入者は借金を背負った債務者の一人となります。

ローンの中でも住宅ローンの金利はそれほど高くはありませんが、住宅の購入額が高ければ、その分金利によって発生する利息額も大きくなるので、返済が大変になってしまいます。

頭金を入れて住宅ローンの返済額を軽減しておけば、金利の負担も小さくなるので、「返済が苦しくなって債務整理をすることになった」といった状況を避けることも可能です。

不動産購入で頭金を入れるデメリット

頭金デメリットの一つは、必要な初期費用の金額が大きくなるというところです。

住宅ローンを組む理由はさまざまですが、代表的な理由として挙げられるのは「資金が手元にないから」ではないでしょうか。資金が手元になくても、収入を得ている場合は住宅ローンを組めることもあるので、初期費用があまり必要になりません。

また、もし頭金を入れるのに十分な貯金があったとしても、子どもや赤ちゃんがいるような家庭の場合、将来的に多くの費用が必要になることを考えると、貯金を頭金にするのが難しくなります。

初期費用として頭金を用意する際、そのときの家計や生活環境をよく考えた上で支払う必要があるというのは、頭金を入れる上でのデメリットだといえます。

しかし、頭金を入れる金額は明確に決まっているわけではないので、生活に余裕のある範囲でを支払ったり、貯金がない場合は購入を先延ばしにしたりするのが良いかもしれません。

頭金を入れるなら、目安は何割か?

頭金としてどれほどの金額を入れるかは人によってさまざまですが、一般的な頭金目安は「購入額のうち2割ほど」であるとされています。住宅ローンの金利はそれほど高くないので、利息の軽減を重視する必要性が大きくはないことから、購入額の2割未満を頭金にする方が多いです。

また、頭金に限度額はないですが、最大でも購入額の5割ほどにしておくべきだといえます。

理由は、6割以上の頭金が支払えるのであれば、全額キャッシュでの購入を検討した方が良いといえるからです。

住宅の購入を急いでいるのであれば、頭金6割以上を支払って残りを住宅ローンにするのは悪い選択ではありません。

しかし、住宅ローンを組む際にはローンや頭金とは別に保険料などの諸費用がかかります。それだけではなく、ローンを組むことによって利息分も追加で支払う必要があります。

頭金を6割以上出せるほど収入や家計が安定している方にとって、これらの費用は無駄な出費であるともいえるでしょう。

そのため、可能であれば残りの金額を貯金し、全額キャッシュで支払う方が良いというわけです。

まとめ

頭金のメリットやデメリット、金額の目安について解説していきました。

住宅ローンの頭金は、不動産業界で働く上でも重要になる要素の一つです。不動産に関する失敗を避けるためにも、ここで解説した内容をしっかり理解することが大切だといえるでしょう。

この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。