土地区画整理事業で提供する土地の清算金と換地・減歩の関係性を知る

投稿日 : 2019年10月28日

地権者が自治体に土地を提供する「土地区画整理事業」

自治体が都市計画を考えるうえで、公園などの公共施設や道路の拡張が必要であると判断することがあります。

そのような場合に、周辺の地権者から少しずつ土地を譲り受け、地域の公共に役立てようとする事業を土地区画整理事業と呼びます。

土地区画整理事業が完了した場所は、生活環境の向上により地価も上がりますが、土地を提供する地権者にとっては痛し痒しといった側面もあります。

お客様の所有地、もしくはお客様がこれから購入しようとしている土地が土地区画整理事業の範囲内に入る場合は、土地提供による影響についてきちんとお客様に説明できなければなりません。

今回は、土地区画整理事業について確認していきましょう。

 

土地区画整理事業による換地とは

各自治体によって土地区画整理事業が計画され、整理区域内に土地を持っている地権者には土地の提供が求められます。

地権者も無償で土地を提供するわけではなく、その土地を手放す代わりに自治体から新しい土地が割り当てられます。これを換地と呼びます。

整理事業の開始前に換地を行った場合には、仮の土地割り当て=仮換地と呼びますが、ほとんどは仮換地がそのまま換地となるのが一般的です。

 

◎仮換地証明書が必要なケース

土地区画整理事業により仮換地になった区域は、法務局の図面と現況が一致しないため、融資を受けるときに登記証明が取得できません。

区画整理前の従前の土地が仮換地に指定され、換地によりどこの土地を使用収益するのかを証明する仮換地証明書が必要です。

仮換地証明書の交付が必要な際は、市区町村役場の開発指導課や区画整理課などの担当窓口で仮換地証明願を申請しましょう。

 

土地区画整理事業による減歩とは

事業によって立ち退きをする地権者には土地が割り当てられますが、通常、換地面積は元々所有していた土地面積よりも少なくなります。

これを減歩と呼び、減歩には以下の2種類があります。

  • 公益減歩:道路や公園などの公共施設用地に充てるために土地面積が減ること
  • 保留地減歩:事業費を確保するために土地を提供して所有面積が減ること

提供された保留地は自治体が売却し、売却益は土地区画整理事業費に充てられます。

 

◎保留地証明書が必要なケース

仮換地と同様、保留地となっている土地も土地区画整理事業が終結するまでの間は法務局への登記が行えません。

融資等の際には保留地証明書が必要になります。

こちらも仮換地証明書と同じく、担当窓口で保留地証明願を申請しましょう。

 

換地による清算金の有無は確認が必要

換地および減歩は、土地を提供した地権者全員が同じ割合にはなりません。ある程度の不均衡が生じるのはやむを得ないところです。

不均衡をただすために、自治体では清算金の徴収もしくは交付を行っています。

清算金が徴収・交付のどちらになるかは状況により異なります。また清算金の計算は、土地区画整理事業が完了した後の地価によって算出されます。

所有する土地面積は減少しても換地の資産価値は上がるという基本的な考え方のもとに清算金の計算が行われますので、地権者からすれば土地を提供するだけでなく、清算金も支払わなければならないという事態にもなり得ます。

お客様の所有不動産が土地区画整理事業区域内にある場合には、清算金トラブルを回避するために、事業の詳細や清算金の有無を役所で確認しておきましょう。

 

まとめ

今回は土地区画整理事業の説明と、土地区画整理事業が地権者に与える影響について解説しました。

土地区画整理事業の基本的な考え方を知らないと、お客様に思わぬ損失を与えてしまうかもしれません。

今回の記事を参考にしながら、土地区画整理事業に関する知識を高めていきましょう。