建築設備士とはなにか?仕事内容と種類を解説

投稿日 : 2021年04月20日

建築設備士とはなにか?仕事内容と種類を解説
建築関連の国家資格の一つとして建築設備士があります。

建築設備士とはどのような職種なのでしょうか。

今回は仕事内容や建築士との違い、建築設備士の資格を取得する方法などをわかりやすく解説します。

建築設備士とは

建築設備士とは建築に欠かせない設備に関して専門家として建築士にアドバイスをする職種です。

建築技術の向上や設備の多様化に伴って建築設備は高度でより複雑なものになってきています。

建築士が建築物の設計や工事監理をする際にも信頼性が高い内容になっているかが懸念視されるようになりました。

建築設備士は建築設計に関するプロとして高度な知識や経験を持ち、設計から工事監理に至るまで確かに安全で要件に合っている内容になっているかを吟味して、より良い形で建築を行えるようにする役割を果たしています。

建築設備士の仕事内容

建築設備士は資格制度が定められた際から想定されていた本来の業務に加えて、建築設計のプロとしても業務に従事できます。

以下の4つが建築設備士の主な仕事内容です。

建築士への建築設備設計に関する助言

建築設備士は建築士が建築設備設計をする際に助言をするのが重要な仕事内容です。

建築士が設備設計を考案して図面を引いた後、問題点を指摘して改善を求めるのが典型的な仕事です。

設計をする段階で相談を受けたり、設備の選定や設計について予め提案をしたりする場合もあります。

原案の提案を受けて、電気設備や給排水などの設計図を引いて建築士に提案するのも建築設備士の業務の範疇に入ります。

建築士への工事監理に関する助言

建築設備士は建築士が工事を請け負う際に行う工事監理に関して助言をする役割を果たします。

建築士が設計した建築物や設備などについての照合や確認作業をする際に、特に設備に関してアドバイスをするのが建築設備士の業務です。

プロとして建築設備士はミスや見落としがないか、工事監理報告書に正しい内容が記載されているかなどをチェックすることもあります。

設計通りに正しく施工されたかどうかを確認する重要な作業なので責任の大きい仕事です。

建築設備の設計

建築設備士は建築設備のプロとして設計の仕事にも携わることができます。

設計事務所や建設会社に所属している場合には電気設備や給排水設備、衛生設備などの設計に携わることがよくあります。

一つの設備に特化した専門家として設計を任されることも多く、他の建築設備士や建築士と打ち合わせをしながら設計を進めるのが一般的です。

建築設備の保守と保全

建築設備士は知識や技術があることを生かし、建築設備の保守や保全に関連する業務にも従事できます。

建築設備が老朽化などによって本来あるべき機能を発揮していなくては意味がありません。

建築設備士は設計図や仕様書に基づいて保守や保全を実施し、建築設備がもともと求められている役割を果たしているかどうかを確認し、改善について提案する仕事も担っています。

教育や研究開発

建築設備士の中には大学などの教育施設での建築設備に関連する教育や、研究機関での技術開発などを仕事としている人もいます。

教育や研究開発では建築設備士の資格が必須というわけではありません。

しかし、プロとしての知識や技術を持っていることを生かし、次世代の建築設備士を育てたり、新しい技術を生み出したりするのも社会的に見ると重要な役割です。

建築設備士と建築士の違い

建築設備士と建築士の違い
建築設備士と同様に有名な建築関連の資格として建築士があります。

建築設備士と建築士は何が違うのでしょうか。建築士が担わなければならない仕事と比較して建築設備士の役割を見ていきましょう。

建築設計における役割の違い

建築設備士は建築士と建築設計における役割が違います。

建築士は建築物全体の設計を行うのが重要な役割です。

建築物の設計には建築物で使用する設備設計も当然ながら含まれます。

この設備設計の部分に特化してアドバイスをするのが建築設備士の役割です。

建築設備士は設備設計の部分だけ自ら実施することができますが、建築物全体の設計はできません。

工事監理業務の違い

工事監理は建築士が責任を持って実施することが必要になります。

建築設備士は工事監理について意見をすることが求められますが、建築設備士自身は工事監理を全て担うことはできません。

建築設備士は設備に関連する部分だけに特化して監理を行えるものの、建築工事の現場では業務を一元化した方が効率的です。

そのため、一般的には工事監理業務は建築士が担っています。

建築設備士になる方法(資格)

建築設備士になるためには国家資格を取得して免許を申請しなければなりません。

ここでは建築設備士の国家試験の受験に際して知っておくと役に立つ情報を紹介します。

受験資格や実施時期、試験内容などについて確認しておきましょう。

試験の受験資格

建築設備士試験には受験資格があります。

学歴と実務、資格と実務、実務のみの三つに分類されていて、いずれか一つに該当すれば受験が可能です。

学歴の場合には建築学科や建築設備学科などの関連課程を修了していることが求められ、実務についても設計事務所などで建築設備の設計や工事監理に関わってきたり、大学や研究時で教育または研究に携わってきたりしたことが必要になります。

大卒であれば2年以上、短大卒なら4年以上、高卒なら6年以上の実務経験が求められます。

一級建築士や1級電気工事施工管理技士などの資格を持っている場合には2年以上の実務経験が必要です。

実務のみで試験を受ける場合には9年以上の経験を持っていなければなりません。

試験の実施時期・申込時期

建築設備士試験は第一次試験と第二次試験に分かれています。

第一次試験は学科試験で、6月に実施されるのが通例です。第一次試験の合格者は第二次試験の受験資格を得られます。

第二次試験は設計製図に関する試験で、8月に実施されています。

実施場所は北海道から沖縄県まで広がっていて、札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪府、広島市、福岡市、沖縄県の8か所です。

また、建築設備士試験の申込時期は3月の上旬から中旬になっています。

2月中に受験総合案内書が公表されるので、必要書類を整えて申し込みをしましょう。

なお、申し込みの際には受験手数料として36,300円が必要になります。

試験の内容

第一次試験は建築一般知識、建築法規、建築設備に関する筆記試験が実施されます第二次試験の内容は建築設備基本計画と建築設備基本設計製図です。

建築設備基本計画は記述式の筆記試験で、建築設備基本設計製図は空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備の中から選択式の実技試験になっています。

試験の難易度・合格率

建築設備士試験の難易度は国家試験の中では高い水準です。

近年の傾向では第一次試験の合格率が25%前後、第二次試験の合格率が50%程度です。

第一次試験と第二次試験を合わせると19%くらいの合格率なので、5人に1人程度しか合格していません。

学科試験では幅広い建築設備に関する知識を求められることから、学習負担が大きいのが難易度が高い理由です。

二次試験は高い専門性が要求されるため、実務経験が十分にないと制限時間内に筆記と実技を同時に進めるのが難しいというのが実情です。

建築設備のプロとして建築設備士を目指そう

建築設備士は建築物に欠かせない電気設備や給排水設備、空調設備などのプロとして役割を果たします。

建築士にアドバイスをする立場として、今後も高度化が進んでいく建築設備の設計や工事監理をより良いものにできるやりがいのある職種です。