宅建の合格率が低い理由は何?関連資格との難易度も比較

投稿日 : 2022年07月28日/更新日 : 2022年08月11日

宅建試験のマーク用紙

宅地建物取引士資格試験(以下、宅建)を初めて受験する方の中には、合格率が低いことで受験をためらう方もいるでしょう。たしかに合格率だけ見ると、合格が非常に難しいようにも見えます。

だからといって諦める必要はありません。合格率が低いのには理由があります。

この記事では宅建の合格率が低い理由と、学習時間の目安について解説します。

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宅建の合格率は低い?

配点

宅建は国家試験であり、現在は弁護士や司法書士などの「士業」の仲間に含まれます。決して簡単な試験ではありません。

過去の宅建の受験者数と合格点・合格率の推移は以下のとおりです。

実施年度 受験者数 合格者数 合格率 合格点(一般受験者) 合格点(登録講習修了者)
令和3年度

(10月試験)

209,749人 37,579人 17.9% 50問中34点 45問中29点
令和2年度

(12月試験)

35,261人 4,610人 13.1% 50問中36点 45問中31点
令和2年度

(10月試験)

168,989人 29,728人 17.6% 50問中38点 45問中33点
令和元年度 220,797人 37,481人 17.0% 50問中35点 45問中30点
平成30年度 213,993人 33,360人 15.6% 50問中37点 45問中32点
平成29年度 209,354人 32,644人 15.6% 50問中35点 45問中30点
平成28年度 198,463人 30,589人 15.4% 50問中35点 45問中30点
平成27年度 194,926人 30,028人 15.4% 50問中31点 45問中26点
平成26年度 192,029人 33,670人 17.5% 50問中32点 45問中27点
平成25年度 186,304人 28,470人 15.3% 50問中33点 45問中28点
平成24年度 191,169人 32,000人 16.7% 50問中33点 45問中28点
平成23年度 188,572人 30,391人 16.1% 50問中36点 45問中31点

出典:一般財団法人不動産適正取引推進機構|試験実施状況(過去10年間)

受験回によって合格点が変動する相対評価方式が採用されます。合格率は最低で13.1%~最高で17.9%で、平均すると15%程度でしょう。

【あわせて読みたい】宅建の合格点はいくつ?過去の推移と今後の予想

宅建の合格率が低い3つの理由

宅建の合格率が低いのは、単に難関資格だからということではありません。合格率が低い理由を見てみましょう。

1.受験資格に制限がなく母数が多い

宅建の合格率が低い理由の1つは、受験資格の制限がないことです。

ほかの国家試験の場合、受験資格が設けられていることもあります。例えば最難関の試験の1つである司法試験の合格率は、2021年は41.5%に達しました。

しかし、合格率が高いからといって司法試験が宅建より簡単ということではありません。

新司法試験は,法科大学院課程の修了者及び司法試験予備試験の合格者を対象に行われることになりますが,その受験については,期間及び回数に関する制限があります。

引用元:法務|新司法試験Q&A

法科大学院過程を修了するか、司法試験予備試験をクリアしていないとそもそも受験できません。受験者も3424人と宅建よりはるかに少ないです。

一方の宅建は受験資格がありません。誰でも受験できるので「記念に受けてみる」「合格するかは分からないけど、とりあえず受けてみる」という層も存在します。

母数が大きくなることで合格率が低くなると考えられます。

2.勉強が不十分でも会社に試験を受けさせられる

不動産業界では必須の資格ということも、合格率を下げている要因の1つです。

不動産業者に入社してすぐに宅建の資格にチャレンジさせられることも少なくありません。社会人になりたての忙しい時期に受験勉強しても十分な学習時間を確保できず、そのまま試験に挑む方も多いのです。

3.マークシート形式の試験である

気軽に受験できる理由として受験資格がないことに加えて、マークシート方式の試験であることも考えられます。

行政書士など記述式の試験がある試験と違い、宅建の場合は全問がマークシート方式です。選択肢のうち明らかな間違いを排除したうえで、勘で答えることもできてしまいます。

記述式と比較して受験に対するハードルが低くなると、気軽に受験する方が増えてしまいます。

【結論】宅建の合格率が低い理由は「受験者が圧倒的に多いから」

受験勉強

宅建の合格率が低い理由を解説しましたが、受験者が圧倒的に多いということが大きい理由です。人気資格であることに加えて勉強が不十分でも試しに受けることができる試験内容が影響しています。

宅建の合格率が低いだけで諦めてはいけない

合格率が約15%と聞くと狭き門のように思いますが、必ずしもそうではありません。会社から強制で受けさせられる方や記念受験組を除いて、まじめに学習した方だけに絞ることができれば合格率はもっと大きくなります。

自分自身が「とりあえず受験するグループ」に入らないよう、後述する必要な学習時間を意識して計画的に学習を進めていくことが大切です。

学習の目安は約300時間

宅建に合格するための目安時間は人によって大きく異なりますが、一般的には約300時間と言われています。

一概には比較できませんが、他の士業・国家資格と比較すると必要な学習時間は少ない部類です。

ほかの資格の学習時間の目安と比較してみました。

  • 宅建士:300時間
  • 社労士:800~1,000時間
  • 行政書士:500~1,000時間
  • 1級FP技能士:600時間
  • マンション管理士:600時間
  • 管理業務主任者:300時間

上記はあくまでもネット上でささやかれている学習時間の目安です。

宅建についても、受験者がもともと持っている知識量次第で200時間になることもありますし、500時間になることもあります。

それでも他の試験と比べると、確保すべき学習時間は少なく済む可能性があります。

宅建と関連資格の難易度を比較

比較

宅建に関連する資格である「管理業務主任者」「FP」の難易度と宅建の難易度を比較してみましょう。

管理業務主任者

管理業務主任者は、マンション管理業者が取得する必要がある資格です。マンション管理会社の従業員として従業員に重要事項を説明したり、組合に管理状況を報告したりする際に必要になります。

令和2年度
受検
申請者数
受検者数 合格者数 合格率
18,997 15,667 3,379 23.9%

管理業務主任者の合格率は23.9%で、宅建よりもやや高めです。ただし、宅建よりはマイナーな資格のため受験者数が少なくなっています。学習時間の目安は宅建と同じ約300時間で、難易度は同程度といえます。

FP

FP(ファイナンシャル・プランナー)はお金に関するさまざまな悩みに対する解決策をアドバイスする専門家のことです。

受験科目が6科目と幅広いことが特徴で、不動産についてもお金が絡む内容を主に学習します。

士業とは違い、受験級が3~1級まで存在します。

それぞれの直近の合格率は以下のとおりです。

3級 2021年9月
学科・実技 受検
申請者数
受検者数 合格者数 合格率
学科試験 44,725 36,368 30,801 84.69%
実技試験
(資産設計提案業務)
45,998 37,414 30,119 80.50%
2級 2021年9月
学科・実技 受検
申請者数
受検者数 合格者数 合格率
学科試験 32,697 26,352 13,324 50.56%
実技試験
(資産設計提案業務)
27,400 21,294 12,832 60.26%
1級 2021年9月
学科・実技 受検
申請者数
受検者数 合格者数 合格率
学科試験 10,978 7,134 930 13.03%
実技試験
(資産設計提案業務)
1,231 1,201 1,126 93.8%

2級までの難易度は低めですが、1級は宅建士よりも合格率が低いです。学科と実技の両方をクリアしないと合格になりません。

両方を合わせた合格率は13.03×93.8%=12.22%です。

1級に必要な学習時間は600時間と、宅建と同等以上の難易度の試験といえます。

以下の記事も参考にしてください。

【あわせて読みたい】宅地建物取引士とは|宅建士の専門業務・倫理規範・資格試験など解説

まとめ

宅建の合格率が低い理由と、学習時間の目安について解説しました。

宅建士の合格率は約15%と、決して高いとはいえない水準です。

ただし、難関資格であるということ以外に「受験資格がない」「マークシート方式」という理由で受験者が圧倒的に多いことも影響しています。

学習の目安は約300時間と、士業の中では易しい部類です。合格率だけを気にすることなく、効率的な勉強で合格を目指しましょう。

【あわせて読みたい】宅建免許とは?不動産開業の流れや宅建免許が不要のケースを解説

kobayashi この記事の監修者:小倉 大将
「いえーる 住宅研究所」編集長
学生インターン期間を経て、新卒一期生としてiYell株式会社に入社。開発マネジメント部門・メディア事業部門を経験し、入社2年目にして「いえーる 住宅研究所」の編集長に異例の抜擢を果たす。現在、同メディアを不動産業界のDX推進の一翼を担う媒体とすることをミッションに、日々業務に励む。
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