建築士とはなにか?仕事内容と建築士試験について解説

投稿日 : 2021年05月04日/更新日 : 2023年06月11日

建築士とはなにか?仕事内容と建築士試験について解説
建築士の仕事自体はとてもメジャーなので、名前だけは知っていても、仕事内容までは理解していない人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、建築士は建築の現場においてどんな役割を持った職業なのか、1級・2級建築士がそれぞれどんな仕事を担当できるのかなどについて解説します。

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建築士とは

建築士とは、建物を建てるにあたって、安全性を考慮して設計を行ったり、内装・外装のデザインをしたりする仕事です。

この仕事においてはクライアントの要望や予算に沿ったものを提案しながら仕事を進めていきます。

また、建築士は設計・デザインのフェーズだけでなく、工事業者に依頼した後の施工段階でも、定期的に現場を訪れ、設計書の通りに作業が進んでいるかどうかも確認します。

具体的な仕事内容については次の段落で紹介します。

建築士の就職先は?

建築士の就職先は建築事務所やゼネコン、ハウスメーカーなど様々です。

また、内装に特化してデザインがしたいならデザイン事務所、家具のデザインに関わりたいならインテリアメーカーという選択肢もあります。

加えて、数は少ないですが、自治体の都市開発部門などといった選択肢もあります。建築士の中には独立して自分の事務所を持っている人もいますが、資格を取得していきなり独立ということはできません。

基本的には建築士として経験を積んでから独立という流れになります。

就職先によって業務内容も大きく変わるので、建築士は就職・転職活動時に業界ごとの業務内容をよく調べておく必要があります。

また、建築事務所だと、所長の思想が経営に大きく反映され、デザインや設計にも影響が出てきます。

そのため、建築事務所に就職する際は、デザインや設計にどのような傾向があるかもしっかり調べることが大切です。

建築士と設計士・建築家ってどう違うの?

建築士と似たものとして、設計士や建築家が挙げられます。

この2つは似ているように思えますが、少しだけ建築士との違いもあるのです。

まず設計士は無資格で設計業務を行っている人のことを言います。

設計業務は建築士の資格が必要と思うかもしれませんが、面積が100平方メートル以下の建物などは無資格でも担当できます。

また、建築家は建築士の中でも特にデザイン面に重点を置いて働いている人のことを指すことが多いです。

オシャレで個性的な住宅は需要があります。

そこで独自の発想力・想像力を用いてクライアントの要望を叶えるのが建築家の仕事です。

ただ、建築家も建築士の資格さえ持っていれば誰でも名乗れます。

建築士の仕事内容

建築士の仕事内容
それでは、建築士の仕事内容は具体的にどんなものが挙げられるのでしょうか。

代表的な建築士の仕事を確認していきましょう。

設計業務

建築士の主となる業務が設計業務です。

設計業務は大きく分けると構造設計と設備設計の2つがあります。

構造設計とは建物そのものの設計の事を言います。

建築物は耐震基準をはじめ、様々な基準をクリアした安全性の高いものでなければいけません。

そこで基準をクリアした建造物を作るために複雑な計算を行うのが構造設計です。

設備設計は建造物の中にある設備に関する設計業務を言います。

家で例えると、キッチンやお風呂、トイレ、エアコンなどの設備を、導線を考えながら配置していきます。

管理業務

工事現場の現場監督を建築士が担当することもあります。

工事現場側の担当者が現場監督として働いていることもありますが、建物の設計を一番理解しているのは設計書を作った建築士本人でしょう。

そのため、建築士が現場監督として直接作業員をまとめ、指示を出すことも多いです。

現場監督として働く場合は、予算管理や品質管理、人員管理などの管理業務がメインとなります。

ただ、現場監督をするには施工管理技士の資格が必要です。

住宅評価業務

一軒家を建てた際に建築基準をクリアしているかどうか、助成金・補助金の申請を行う際に申請条件をクリアしているかどうかを判断するのは、行政や行政から委託を受けている建築会社などに所属している評価員です。

この評価員の仕事は、建築士の資格を持っているかつ、住宅性能評価員講習会を受講して、住宅性能評価員として登録を受けなければいけません。

特に住宅性能評価関連の仕事は、需要が年々上がっており、建築士の業務の中でも特に注目の分野と言えるでしょう。

建築士になる方法(資格)

建築士になる方法(資格)
建築士は国家資格であり、1級と2級、木造建築士の3種類があります。

本記事では場面の限られる木造建築士を除いた1級・2級建築士について解説します。

まず、建築士は資格を取得していないと、業務に携わることができません。

それでは、1級・2級建築士それぞれどのような違いがあるのか見ていきましょう。

1級建築士と2級建築士の受験資格や試験内容の違い

1級建築士と2級建築士を比べると、1級建築士の方が上の資格となります。

受験資格は1級建築士だと大学・短大・高専などで指定の科目を受講していた人もしくは、2級建築士・建築整備士資格を取得している人が対象です。

また、例外として海外の大学を卒業している人など国土交通大臣が認定する人も対象となります。

かつて1級建築士は実務経験が無いと受験資格がありませんでしたが、令和2年に建築士法が改正され、実務経験がなくても受験できるようになりました。

ただし、1級建築士として免許登録を行うには実務経験が求められます。

また、2級建築士は1級建築士と同じように大学などで所定の科目を受講した人に加え、中等教育学校や高校で建築関連科目を受講しており、3年以上の実務経験がある人も対象となります。

加えて、建築関連の学歴がなくても7年以上建築の現場での実務経験があれば受験可能です。

受験日は1級と2級で異なり、1級は7月の第4土曜日、2級は第1日曜日の各年1回が基本。ただ、行事などの関係でずれこむこともあります。

試験内容は1級建築士も2級建築士も学科試験・製図試験・面接の3つ。

ただ、面接は受験資格を満たしているかの確認を行うためのものであり、実務経験に関する内容などについて問われるだけです。

学科試験は1級だと建設計画/環境・設備/法規/構造/施工の5つの項目で構成されています。

それに対して、2級建築士では環境・設備を除いた4科目となります。

そして、1級・2級どちらでも製図が課されますが、毎年試験の3ヶ月前から製図試験の課題が公表されるので、それに備えて学習を行います。

1級建築士と2級建築士の仕事内容の違い

1級建築士と2級建築士では担当できる仕事内容に大きな差があります。

2級建築士が携われる建物は、 高さ13mかつ軒の高さが9m以下かつ述べ1,000平方メートル以下の建物など、制限が設けられています。

そのため、実質2級建築士が設計に携われるのは、一般的な一軒家程度です。

それに対して1級建築士にはこの制限がなく、ビルや公共施設など幅広い建造物を担当することができます。

また、2級建築士の場合試験範囲に設備が存在しないことから、設備設計を担当するケースは少ないです。

このようにできることに大きな差があることから、転職市場においても1級と2級では差があります。

そのため、2級建築士の人はより良い環境で働くために1級建築士の勉強をしながら働いている人も多いです。

建築士は安全な建物を造るのに欠かせない仕事!

建築士は人々が安全に過ごせる建物を設計するのが仕事であり、人の命が関わる仕事なので、資格も難関〜超難関資格に分類されるほどの難易度です。

その高い壁を越えて建築士の資格を取得できれば、可能性が大きく広がります。

自身のキャリアアップのきっかけとして、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。