年収450万円で住宅ローンを組む際の借入・返済額はいくら?控除額も解説

投稿日 : 2022年07月28日/更新日 : 2023年06月04日

年収から住宅ローンを計算

住宅ローンの申込では「いくらまで借入できるのか」というのが顧客にとって常に気になるポイントです。

住宅ローンを組まないと家を建てられない方が大半ですから、借入れできる金額が分からないと物件探しの見通しが立ちません。

そこで今回は年収450万円の方をターゲットに、借入できる金額の上限や借入ごとの返済額についてシミュレーションしてみましょう。

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年収450万円の方が借りる住宅ローン金額シミュレーションの流れ

まず、住宅ローンで借入れできる金額をシミュレーションする際の流れを確認していきましょう。

  1. 年間収入を合計する
  2. ほかのローンの返済額があれば計算に含む
  3. 毎月の返済額を決める
  4. 年収の35%に収まっているか確認

1.年間収入を合計する

最初に年間の収入(年収)を計算するのが、借入金額を算出する第一歩です。

年間収入は手取りではなく「総支給額」で計算します。給与明細の総支給額でそのまま計算すれば問題ありません。

計算式は「1ヶ月の支給額×12ヶ月」です。

2.ほかのローンの返済額があれば計算に含む

これから計算する住宅ローンの借入額上限は、ほかのローンも含めた金額です。

すでにマイカーローンやカードローンなどを組んでいる場合、残高を差し引く必要があります。

月々のローン返済額に12をかけて、ローンの年間返済額を求めておきましょう。

3.毎月の返済額を決める

住宅ローンがいくらまで上限で借りられるか、これから計算していきますが、実際に毎月の返済ができる金額かどうかは別です。

人それぞれ家計の状態は違うため、無理のない返済額を決定していくことが大切です。それをもとに住宅ローンで借りる金額を決めます。

明確な基準はありませんが、一般的には手取り20%を返済に充てると無理がなく返済できると言われています。

月40万円の手取り月収なら8万円が無理なく返済できる金額です。

4.年収の35%に収まっているか確認

毎月の返済額を決めたら、借入可能な水準に収まっているかを確認しましょう。

以下の計算式で35%に収まっていることが条件です。

年間返済額÷(年間収入-既存借入の年間返済額)<=35%

毎月の返済額が8万円で年収を500万円、ほかのローン借入は無しと仮定した場合は以下のようになります。

8万円÷(500万円-0円)=16%

35%よりも小さい数字ですから、ローンを組める金額ということです。

毎月8万円の返済額でまだ余裕がありそうなら、返済額を増やして再計算してみます。無理なく返済できる金額かつ、年収の35%に収まる金額から返済額を考えましょう。

年収450万円の方が借りられる住宅ローンの上限は?

住宅ローンの返済が可能かどうかの判断は、給与所得者の場合は税込年収で判断します。

年収450万円の方が借りられる住宅ローンの条件の算出方法を解説します。

借入できるのは年収の35%まで

住宅ローンの審査基準には「返済負担率」があり、年収によって借入できる金額が変わります。

たとえばフラット35で定められている返済負担率は以下のとおりです。

  • 年収が400万円未満:年収額の30%以内
  • 年収が400万円以上:年収額の35%以内

フラット35を利用するなら年収450万円の方の返済負担率は35%以下でないといけません。

ただし、民間の金融機関では返済負担率の条件が異なります。返済負担率が40%の金融機関もあれば、30%台の場合もあります。

今回は便宜上、フラット35の返済負担率35%で考えます。

借入できる上限は3,680万円

実際に銀行でローンを組めるかの計算式は以下のとおりです。

年間返済額÷(年間収入-既存借入の年間返済額)<=35%

すでに借入している分の返済額を除き、既存借入の35%までしか借りられません。これを念頭に、次の計算に進みます。

実際に借りられる金額を算出するための計算式は以下のとおりです。

(年収×年間返済比率) ÷ (審査金利での返済100万円当りの月額返済額×12カ月) ×100万

審査金利での希望返済期間100万円当たりの月額返済額はWEB上の返済シミュレーションで計算できます。

りそな銀行のシミュレーションによると、審査金利を2.475%と仮定した場合の返済額は100万円あたり3,561円です。

結果を計算式に当てはめると、

(450万円×35%)÷(3,561円×12ヶ月)100万円=36,857,624円

借入できる金額は約3,680万円と算出できます。

今回は審査金利として2.475%を便宜的に使用していますが、実際の金利はもっと低いのが現状です。借入できる金額はもっと増えると考えられます。

出典:りそな銀行|住宅ローン シミュレーション(新規)

年収450万円の方が問題なく返済できるのはいくらまで?

住宅ローン 返済 電卓

年収450万円の場合、無理なく返済できるとされる借入額はいくらでしょうか?

年収といっても個々の家庭の状況は異なりますが、一般的な目安としては年間の返済額が手取り年収の20%以内であるのが望ましいとされます。

年収450万円の手取りを約350万円と仮定して賞与を考慮しない場合、手取り月収は約29万円です。

29万円の20%は58,000円ですから、月の返済額を60,000円以内に収めるのが理想です。

毎月6万円の35年返済で借入れできる金額は、フラット35なら2,013万円です。約2,000万円が無理せずに返済できる金額といえます。

年収450万円の方が3,000万・3,500万・4,000万円借りた時の月々の返済額

世帯年収450万円の夫婦がフラット35を使ってローンを申し込みをした場合を想定し、毎月の返済額を計算してみましょう。

金利はフラット35の最新金利でもっと適用が多いとされる1.33%を採用しています。

財形住宅金融株式会社のシミュレータを利用した場合、計算結果は以下のようになりました。

3,000万円借りた場合

  • 毎月の返済額:89,377円
  • 1年の返済負担率:約23.8%
  • 総返済額:37,538,410円

3,500万円借りた場合

  • 毎月の返済額:104,273円
  • 1年の返済負担率:約27.8%
  • 総返済額:43,794,845円

4,000万円借りたの場合

  • 毎月の返済額:119,170円
  • 1年の返済負担率:約31.78%
  • 総返済額:50,051,251円

毎月返済したあとの残り金額から生活費を差し引けば、いくら貯蓄できるのかも明らかになります。

子どもの教育費や親の介護費用など将来的に必要になる金額まで加味して、住宅ローンの借入金額を考えていきましょう。

▶住宅ローン審査の申込者確認項目について詳しくは以下の記事をご参照ください。

住宅ローン融資申込者の属性チェックポイント|年齢・年収・既存借入額を確認

まとめ

今回は年収450万円の方をターゲットに、借入できる金額の上限や借入ごとの返済額についてシミュレーションしてみました。

一般的には3,680万円までの融資を受けることができますが、毎月の返済額をカバーできるかは家庭ごとに異なります。

返済負担率20%に収めるのが返済しやすい基準とされているので、希望する住宅の金額や自己資金と相談しながらローンの申込額を調整していくことになります。

借入と返済のバランスが取れるように、営業としてもアドバイスをしていきましょう。

この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。