【2025年5月】住宅ローンの金利比較と5月のポイント

投稿日 : 2025年05月03日

2025年5月の各金融機関の住宅ローン金利を比較して、今月のポイントを解説します。
直近の出来事も踏まえて、今後の住宅ローン金利の動向予想にお役立てください。

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住宅ローン金利比較

メガバンク

■メガバンクの特徴
圧倒的な知名度を誇る大手銀行であるため全国に支店があります。主要都市に多く、地方にいくほど支店数は減少するため、地方においては地方銀行や信用金庫の方がアクセスが良いケースもあります。

また、規模の大きさを活かした商品開発力も最大の特徴です。メガバンクは経済基盤が強く信用力も高いため、他の金融機関に比べて低い金利設定や融資額の上限を高く設定しているケースもあります。投資信託や保険商品といった総合的な金融商品を活用したパッケージ型商品を提供し多様なニーズに対応しています。対面での相談が可能なため、直接専門家と話すことができるのでネットでの手続きに不安をもっている方にとっては安心感に繋がります。

変動金利、固定金利(全期間固定型、固定期間選択型)など多様な金利タイプが提供されており、メガバンクを普段の給与振込口座として利用している場合は、住宅ローンの借入れの際に新たな口座を開設する必要がないため、住宅ローン返済管理の手間も省くことができます。

メガバンクの特徴まとめ

金融機関 変動金利 10年固定 20年固定 HP
三菱UFJ銀行 0.595% 1.63% 2.3% HP
三井住友銀行 0.595% 1.80% 2.20% HP
みずほ銀行 0.525% 1.60% 2.4% HP
りそな銀行 0.64% 2.055% 3.435% HP

(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください

メガバンク5月金利のポイント
2025年5月のメガバンクの住宅ローン金利は、以下のような傾向が見られます。※前月比
●変動金利
全行、先月と変わらず据え置きとなりました。
●10年固定
三菱UFJ銀行(▲0.26)、三井住友銀行(▲0.2)、みずほ銀行(▲0.25)、りそな銀行(▲0.23)と、大手4行すべてが引き下げました。
●20年固定
三菱UFJ銀行(▲0.21)、三井住友銀行(▲0.15)、みずほ銀行(▲0.15)、りそな銀行(▲0.16)と、10年固定同様に4行すべてが引き下げています。

ネット銀行

■ネット銀行の特徴
ネット銀行の住宅ローン金利は、地方銀行と比較して低く設定されていることが多いです。オンラインで手続きが完了するため、地域制限がなく全国どこの地域でも申込みをすることが可能です。WEB申込みであるため、窓口の時間を気にせず自分の都合の良いタイミングで手続きができることも特徴のひとつです。

一方で、対面でのサポートが限られるため複雑な相談や手続きが必要な場合には不便さを感じる可能性があります。金利の低さと利便性を重視する方に適していますが、丁寧な説明を求める方には不向きかもしれません。

ネット銀行の特徴まとめ

金融機関 変動金利 10年固定 20年固定 HP
住信SBIネット銀行 0.698% 1.479% 1.949% HP
楽天銀行 1.021% 2.08% HP
イオン銀行 0.78% 1.39% HP
ソニー銀行 0.897% 2.037% 2.687% HP
auじぶん銀行 0.784% 1.45% 2.06% HP
PayPay銀行 0.78% 1.38% 2.13% HP
SBI新生銀行 0.68% 1.44% 1.90% HP

(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください

ネット銀行5月金利のポイント
2025年5月のネット銀行の住宅ローン金利は、以下のような傾向が見られます。※前月比
●変動金利
住信SBIネット銀行、イオン銀行、auじぶん銀行、PayPay銀行は先月から据え置きとなりました。
楽天銀行(▲0.022)と引き下げ、ソニー銀行は(+0.25)とSBI新生銀行(+0.25)は半年ぶりに引き上げを実施しています。
●10年固定
7行すべてのネット銀行が引き下げをしています。
先月から最も引き下げたのは、住信SBIネット銀行(▲0.31)、引き下げ幅が低かったのは楽天銀行(▲0.159)でした。

●20年固定
10年固定と同様に、全行引き下げています。
引き下げ幅が大きかったのはauじぶん銀行(▲0.23)、低かったのはソニー銀行(▲0.127)でした。

地方銀行

■地方銀行の特徴
地方銀行は、地域に根ざした銀行であるため地域の特性やニーズに応じた柔軟な対応を可能としています。また、特定エリアでの住宅購入に対して特別な金利優遇や、地元の提携不動産事業者を利用した際の特典など、地域の振興を目的とした住宅ローンの優遇措置やキャンペーンを実施していることもあります。

地方銀行はメガバンクやネット銀行ほどの低金利商品は少ないものの、個別事情に応じた柔軟な審査を可能としていることが多いです。支店が地域に密集し地元の不動産市場にも精通しているため、対面でのきめ細やかなサポートが期待できます。

地方銀行の特徴まとめ

金融機関 変動金利 10年固定 20年固定 HP
横浜銀行 0.65% 1.875% HP
千葉銀行 0.975% 1.86% 3.03% HP
静岡銀行 0.90% 2.00% 2.50% HP
筑波銀行 1.00% 1.20% HP
北陸銀行 1.375% 1.35% HP
福岡銀行 1.125% 1.95% HP
南都銀行 0.875% 2.00% 2.60% HP
京都銀行 1.175% 2.1% 2.15% HP
愛媛銀行 0.90% 1.45% HP
宮崎銀行 0.725% 1.90% HP

(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください

地方銀行5月金利のポイント
2025年5月の地方銀行の住宅ローン金利の傾向は以下の通りです。※前月比
●変動金利
横浜銀行、千葉銀行、静岡銀行、筑波銀行、北陸銀行、京都銀行、宮崎銀行は先月から据え置いています。
引き上げたのは、福岡銀行(+0.25)、南都銀行(+0.25)、愛媛銀行(+0.25)です。
先月に引き上げをした銀行が据え置き、先月に据え置きをした3行が今月に引き上げを行っています。
●10年固定
引き下げをしたのは、横浜銀行(▲0.25)、千葉銀行(▲0.3)、静岡銀行(▲0.15)、筑波銀行(0.3)、福岡銀行(▲0.25)、京都銀行(▲0.1)です。
南都銀行と愛媛銀行はともに(+0.05)の引き上げを行いました。
北陸銀行は先月から据え置きとしています。

●20年固定
千葉銀行(▲0.2)、静岡銀行(▲0.05)、京都銀行(▲0.2)が先月の引き上げから転じて、今月は引き下げをしています。
先月は据え置きだった南都銀行は、今月(+0.2)と引き上げています。

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5月のまとめ

4月は多くの銀行が引き上げを行いましたが、5月は変動金利は据え置き、10年・20年固定は引き下げをする銀行が目立ちます。金利上昇傾向ではあるものの足元の市中金利の動向や金融市場の不透明感を反映し、各行は慎重な対応を取っているものと見られます。
フラット35買取型は、融資割合90%で1.82%(※団信加入の場合)。 前月より▲0.12となっています。
金融機関は今後の経済情勢を見据え、金利の調整に慎重な姿勢を取っているように見受けられます。
先を見据えるビジネスマンの画像
多くの金融機関が住宅ローン基準金利の引き上げを実施した2025年4月。国際通貨基金(IMF)が2025年の日本経済成長率1.1%と見通し、インフレ率の上昇や物価高騰は継続。2025年3月には長期金利(10年国債利回り)が15年ぶりに1.5%を超える水準まで上昇しており、日米金利差拡大・円安進行など様々な出来事が住宅ローン金利に影響を与えています。
■2025年4月の日銀発表
2025年4月21日 主要銀行貸出動向アンケート調査(4月)発表
2025年4月23日 金融システムレポート(2025年4月号)発表
2025年4月24日 企業向けサービス価格指数(3月)発表
2025年4月30日 決済動向(3月)発表
2025年5月1日 経済・物価情勢の展望(2025年4月)
2025年4月30日~5月1日 金融政策決定会合・政策決定
日銀の植田総裁は、米国で開催された主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議に出席後の会見で「基調的な物価上昇率が2%に収束していく見通しが実現していくとすれば、それに応じて金利を引き上げていく」「見通しがどう変わっていくかは、予断をもたずに適切に丁寧にデータを見ていきたい」と発言しています。
2025年4月30日〜5月1日の金融政策決定会合前には上述の調査報告が発表されており、これらの結果も参考に政策を決定することになります。
■主要銀行貸出動向アンケート調査
主要銀行貸出動向アンケート調査
日本銀行が市中の主要銀行に対し、企業への貸出に関するスタンスや需要動向を把握するために実施するもの。銀行の貸出態度が厳しい・緩やか、企業からの貸出需要の変化の増減などを調査する。
主要銀行貸出動向アンケート調査は、企業の資金需要や金融機関のリスク認識を反映しており、例えば、貸出態度が厳しくなれば景気後退懸念が強まっている可能性を示します。

参考:日本銀行_主要銀行貸出動向アンケート調査<2025/4月>をもとに作成
〔「個人向け」の住宅ローン、消費者ローンの資金需要の変化〕に着目すると、直近3カ月間の個人向け資金需要(住宅ローン等)は「横ばい」が88%、「やや減少」が6%、「減少」が2%と、増加傾向はほぼ見られません。住宅ローンの資金需要判断DIは▲3ポイントで、前回の調査からもマイナスになりました。
資金需要が減少した要因
参考:日本銀行_主要銀行貸出動向アンケート調査<2025/4月>をもとに作成
住宅ローン需要減少の要因として「住宅投資の減少」が2.50、「貸出金利の上昇」が2.25と高い数値で挙げられています。
調査結果では住宅ローンの需要が「横ばい」が88%、「やや減少」が6%、「減少」が2%と減少傾向にあるとし、その要因を貸し出し金利の上昇としています。金利が1%上昇すると住宅取得意欲は理論上5〜10%低下すると言われていますが、これは直近の金利上昇傾向を如実に表した結果だといえます。
■金融システムレポート
金融システムレポート
日本銀行が半年ごとに公表する金融システムの安定性を評価するレポートで、金融機関の健全性、信用リスク、システミックリスク(金融システム全体への波及)などを分析する。
金融システムにストレスがかかっているか、安定しているかを示しており、リスクが高まっている場合には政策対応の必要性を示唆するものとなります。
金融システムレポートの主なポイントは次の通りです。
金融システムの安定性
  • 日本の金融システムは全体として安定を維持。
  • 金融機関は積極的な融資姿勢を保ち、企業の資金需要増加に対応している。
  • 不均衡や過熱感は大きく見られない。
金利環境の変化
  • 日銀の政策金利引き上げや市場金利の変動を受け、貸出金利・預金金利ともに上昇傾向。
  • 貸出金利の上昇幅は預金金利より大きい傾向があり、金融機関の収益力は改善方向。
不動産関連
  • 大都市圏を中心に不動産価格は上昇。
  • 物件需要の堅調さ、資材高騰、人手不足、投資目的の取引増加、海外投資家の商業用不動産取得が価格押し上げ要因。
  • 不動産関連融資も増加傾向。
企業・家計の金利耐性
  • 企業の金利耐性は全体的に改善。
  • 家計では若年層を中心に住宅ローン保有世帯が増加しているが、賃金上昇が返済負担軽減に寄与。
  • ただし、景気後退や住宅価格下落時には返済負担増のリスクも。
国際金融市場の不確実性
  • 地政学リスクや各国経済政策の不透明感、海外ノンバンク(ファンド等)の動きが日本の金融市場に影響を与えるリスクが高まっている。

参考:日本銀行_金融システムレポート(2025年4月号)

住宅ローン金利に影響を与える主なポイントはどのようなことが挙げられるでしょうか。
  1. 市場金利と貸出金利の上昇
    • 長期金利の上昇が貸出金利に波及して住宅ローンの新規貸出金利にも影響を及ぼします。
    • 長期金利の上昇が続けば、フラット35などの固定金利型の住宅ローン金利が上昇基調になる可能性が高まります。
  2. 家計の金利耐性と返済リスク
    • 若年層中心に返済能力の維持・改善が見込まれ、金融機関は無理な貸出抑制や極端な金利引き上げを行う必要が小さくなります。
    • 一方で、所得減少や住宅価格の下落が重なると返済能力が悪化するため金融機関がリスクに備えて金利を引き上げる可能性があります。
  3. 金融機関の貸出姿勢
      • 金融機関がリスク管理を強化し新規貸出への条件が厳格化されています。
      • リスクを織り込んだ形で、金利がやや上振れする可能性があります。
■企業向けサービス価格指数(SPPI)
企業向けサービス価格指数(SPPI)
運輸、情報通信、広告、金融サービスなど、企業が提供・利用するサービスの価格を対象とした、企業間で取引されるサービスの価格動向を測定するための指数のこと。
企業活動のコスト動向やインフレ圧力の有無を示すものです。指数の上昇は、企業向けサービスの値上がり・コスト増加を意味します。上昇が続くと企業はコスト増を商品・サービス価格に転嫁しやすくなり、消費者物価(CPI)にも波及。日銀は物価上昇(インフレ)を抑制するために政策金利を引き上げる可能性が出てきます。
企業向けサービス価格指数
今回のSPPI上昇が示唆することとしては次のようなことが挙げられます。
  • 前年比+3.1%の上昇は、引き続きインフレ圧力が強いことを示しています。
  • SPPIの上昇は、企業コスト増→物価上昇→日銀の利上げ→住宅ローン金利上昇、という流れで間接的に住宅ローン金利を押し上げる要因となります。
  • 日銀が今後、追加利上げや金融政策の正常化を検討する材料となります。
  • 今後数か月〜1年程度で住宅ローン金利が上昇するリスクが高まると考えられます。
■経済・物価情勢の展望(2025年4月)
経済・物価情勢の展望
日本銀行が年に4回公表する報告書で、国内経済の現状や将来の見通し、物価の動向を分析し、金融政策の運営方針を示すものです。
4月のレポートでは、日本経済は海外経済の減速や各国の通商政策の影響を受けて成長ペースが鈍化するとしつつも、緩和的な金融環境などが下支えとなり、今後は海外経済の回復とともに再び成長率が高まると見込んでいます。
<消費者物価(生鮮食品除く)の見通し>
  • 2025年度:消費者物価(生鮮食品除く)の見通し
  • 2026年度:1%台後半
  • 2027年度:2%程度
消費者物価の基調的な上昇率は、2027年度後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移するだろうとしています。
日銀政策委員の見通し
政策委員見通しの中央値は、2025年度・2026年度ともに、実質GDP成長率・消費者物価上昇率の見通しが下方修正されました。
これにより、景気や物価の先行きに対して慎重な見方が強まります。
■日銀の追加利上げ見送り
これらの調査・レポート結果やアメリカの関税政策の影響などを考慮し、日銀は5月の政策会合において政策金利を0.5%程度に据え置き追加利上げの実施を見送ることとしました。
今後の金融政策運営について日銀の植田総裁は「現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえると、経済物価の見通しが実現していくとすれば経済物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と、経済が改善する兆しがあれば適切なタイミングで金利を引き上げ、金融政策を正常化していく考えを示しています。
金利記事まとめ

※本コンテンツは、住宅ローンを選択する際の参考情報を提供することを目的としております。特定の金融機関・商品を推奨するものではございません。金融機関に関する情報は各金融機関のHPより最新情報をご確認ください。(本コンテンツ記載の情報は2025年5月1日時点の情報となります)

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