いつが正解?ワンルームマンションの売却タイミングと6つの注意点

更新日 : 2025年01月27日

東京オリンピック→コロナ収束→中国の不動産危機の流れで、マンション価格は落ちると予想されていましたが実際は上昇傾向にあります。

そん中、そろそろマンション価格が暴落するのではないかと言われています。

投資家に人気なワンルームマンションなどの物件で資産を増やすコツは売却と購入を繰り返すことです。

ただし持ち続ける投資よりも売却を繰り返す不動産投資の方が非常に難しいと言えます。

いわば、絶対に損をしない方法は買値よりも高く売ることです。

そこで今回は、ワンルームマンションを高値で売るための対策と注意点を解説します。

本記事のまとめ
  • 収益物件は、マイホーム売却とは違う方法で査定額を算出するため少し低めになる
  • 今は不動産バブルなので金利が安い、価格が高騰などの理由でワンルームマンションの売却はベストタイミング
  • 【注意!】損をしないためには収益物件に強い不動産会社に査定依頼をする
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Table of Contents

ワンルームマンション価格の決定方法

まず、ワンルームマンションの価格の価格はどのように決めるのでしょうか?

投資用のマンションは「収益還元法」で算出する

投資用ワンルームマンションの価格算出には、収益還元法を用います。

計算式は以下の通りです。

収益価格 = 純収益 ÷ 利回り

※純収益(NOI):年間の家賃収入から、固定資産税や管理費等の年間費用を控除した金額
※利回り:NOIに対して投資家が期待する利回り

ワンルームマンションの一般的NOI利回りは、4.5%~6.5%です。

NOI利回りは、以下の式で求められます。

NOI利回り = 金利 + 不動産リスクプレミアム

※不動産リスクプレミアムとは、投資家が不動産に対して感じるリスクを数値で表したもの

例えば金利が1%で、不動産リスクプレミアムが4%ならNOI利回りは5%となります。

不動産リスクプレミアムは、築古の物件や地方の物件は高くなり、築浅の物件や都市部の物件の方が低くなります

  • 築古の物件や地方の物件:NOI利回りが高くなるため収益価格は低くなる
  • 築浅の物件や都市部の物件:NOI利回りが低くなるため収益価格は高くなる

持ち家としてののワンルームは「取引事例比較法」で算出する

単身者用のマイホームであるワンルームの価格は取引事例比較法により価格を算出します。

これは通常マイホームを売るとき同じ査定方法です。

筆者がマイホームを売るときはいつも取引事例比較法により査定されています。

例えば、下記は野村不動産でで自宅マンションを査定してもらった時の査定に入っていた書類になります。

周辺地域・同じマンションの売却事例

取引事例比較法では、同地域でのマイホーム用ワンルームの一般的な参考価格となる比準価格を算出します。

例えば東京のような大都市で単身者がマイホーム用のワンルームを購入する人がいるような地域では、高く売れることがあります。

ですが、地方都市でマイホーム用でワンルームを購入する人があまりいない地域では、マイホーム用のワンルーム価格は非常に低くなります。

そのため、地方都市でワンルームを売る場合は、マイホーム用ではなく投資用ワンルームとして売りましょう。

また、地方都市では空室のままのワンルームは安値となりますが、入居者を埋めた状態にすれば高く売れます

不動産会社での直接買取の価格決定方法

急遽売却をしなければいけないときは不動産会社での買取という方法もおすすめです。

買取とは主に転売を目的とした下取り価格で買うことですが、その場合価格が安くなってしまうというデメリットがあります。

相場として通常の売却価格のおよそ80%と言われています。

買取専門の査定を利用することで、その価格に納得出来たら即売却できるというメリットもあります。

買取を依頼する時は、できるだけ多くの業者に査定を依頼・比較し、見積もりで高価格を算出してくれる業者を探しましょう。

そのために便利なのが買取査定サイトです。以下の買取査定サイトからなるべく多くの買取価格の見積を取ることをおすすめします。

ワンルームマンション売却における6つのポイント

次にワンルームマンション売却のポイントを説明しましょう。

6つのポイント
  1. 【重要】投資物件を得意とする不動産会社を探しましょう
  2. 媒介契約の種類は慎重に決めましょう
  3. 空室は埋めてから売りましょう
  4. 悪質な入居者は退去させましょう
  5. ローンを確認しアンダーローンで売りましょう
  6. 税金が安くなるタイミングをつかみましょう

1.【重要】投資物件を得意とする不動産会社を探しましょう

まず一番重要なポイントはワンルームマンションのような投資物件は、投資物件を専門に扱う不動産会社に依頼することです。

不動産会社の得意・不得意:投資物件

街の小さな不動産会社では経験や実績が少ないため投資物件に対して不得意である可能性があります。

投資などの収益物件の売却を始めるにはまず、不動産会社に査定してもらいましょう。

収益物件の主な買主である投資家は、主に収益物件を扱っている不動産会社で物件を探します。

そのため、効率的に売却するには多くの投資家を抱えている不動産会社に依頼することが必要です。

不動産会社がいくらで売れるかを判断した価格が査定額です。

そのため査定額は不動産会社ごとに算出方法や実績が異なるため差が出てしまいます。

不動産査定の結果(書面)

特に収益物件は、賃料収入や収益性など様々な条件を加味する必要があるため、不動産会社の経験で査定額にバラつきが出てきます。

そこで複数の不動産会社に査定依頼をして比較検討する必要があります。

オススメは不動産一括査定サイトになり、簡単に複数の査定額を見れることができます。

一括査定サイトの流れ

そんな不動産一括査定サイトも、提携している不動産会社にそれぞれの特色があり、投資用の不動産会社と多く提携しているサイトは下記になります。

【2025年】不動産一括査定のおすすめランキング!27サイトを徹底比較

2.媒介契約の種類は慎重に決めましょう

媒介契約とは不動産会社と結ぶ仲介契約のことです。

媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。

媒介契約について

それぞれの特徴は以下の通りです。

比較項目 専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
他社との契約 × ×
売主と買主の直接取引 ×
契約有効期限 3ヶ月以内 3ヶ月以内 3ヶ月以内
売却依頼できる会社 1社 1社 制限なし
※レインズ登録 5営業日以内 7営業日以内 任意
業務処理 1週間に1度 2週間に1度 なし
補修サービスの利用 ×
買取保証の利用 × ×

※出典:国土交通省ホームページ

一般媒介とは数社の不動産会社に対して一度にに依頼することができる契約です。

それぞれの不動産会社が競合関係となり、早く売れる確率が高まります。単純に売却することが目的の場合、一般媒介がオススメです。

専任媒介または専属専任媒介は一つの会社に限定して依頼する契約です

一つの会社がすべてを請け負うことで売却と購入のタイミングを調整してくれるために、買い替えをする場合、専任媒介または専属専任媒介がオススメです。

また、不動産会社に対する仲介手数料は成功報酬なので、一般媒介でも専任媒介等でも最終的に売却を進めた会社に支払うため、どの媒介契約を結んでも手数料は同じになります。

そのため媒介契約の種類は「買い替え」か「売却のみ」かによって適切な方を選びましょう。

3.空室は埋めてから売りましょう

ワンルームマンション高く売るポイントは空室を埋めて投資物件として売ることです。

なるべく入居者を埋めて空室をなくしてから売却してください。

もし空室が埋まらない時は、フリーレントを使って埋めることもオススメです。

フリーレント=入居後1ヶ月間の賃料を免除するなどのサービスを付けて貸し出すことです

フリーレントを使う場合、賃料は下げすに貸し出しましょう。

高い賃料で貸すことにより、買主に対して高賃料で貸し出せることがアピールでき、高く売却することができます。

4.悪質な入居者は退去させましょう

家賃の不払いなどの悪質な行為を行う入居者は退去させてから売ることも重要です。

家賃不払が3ヶ月以上続いた場合、信頼関係が破壊されたことを理由に立ち退き料なしで退去させることが可能になります。

買主は、家賃の不払いなどがないかを聞いてくるため、悪質入居者がいるとスムーズに売ることが出来ません。

そのため、悪質入居者は速やかに立ち退かせ、きちんとした入居者で埋めてから売却することも早く高く売るためのポイントと言えるでしょう。

立ち退き料を節約するために、立ち退き料を払う必要のない家賃不払が3ヶ月以上続いた時に退去してもらうことがコツです。

悪質入居者は、管理会社とよく相談して退去してもらうようにしましょう。

5.ローンを確認しアンダーローンで売りましょう

不動産投資ローンや住宅ローンが残っているマンションは、アンダーローンであることを確認しましょう。

アンダーローン=不動産投資ローンの残りが売却価格を下回っている状態のこと

ワンルームマンションは、アンダーローンで売ることが大切です。

ワンルームマンションは、少ない自己資金で購入することが多いため、売り出すときにオーバーローンとなってることがあります。

オーバーローンの場合、残ったローンを、貯金等を切り崩して返済しなければいけません。

アンダーローンとオーバーローンの比較

ローンが残っている人は、「リガイド」等で査定をしてアンダーローンであることをきちんと確認してから売却しましょう。

6.税金が安くなるタイミングをつかみましょう

ワンルームマンションのような不動産売却で譲渡所得が発生した場合、税金を払う必要があります。

譲渡所得とは以下の計算式で求めます。

譲渡所得 = 譲渡価額(売却額)-取得費(購入額)-譲渡費用(売却に掛かった経費)

※取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額
※譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用

まずは、譲渡所得がプラスかマイナスかを確認しましょう。

譲渡所得がプラスであれば税金が発生し、マイナスであれば税金は発生しません。

税金は、譲渡所得に税率を掛けます。

税金 = 譲渡所得 × 税率

税率は不動産の所有期間で決定します。

所有期間 所得税 住民税 合計税率
5年以内 30% 9% 39%
5年以上 15% 5% 20%

税金を安く抑えたい場合、長期譲渡所得のタイミングで売却するといいでしょう。

譲渡所得がプラスの場合、もうすぐで5年を超すときは少し待って、長期譲渡所得となったタイミングで売却するのもオススメです。

譲渡所得がマイナスであれば特に売却のタイミングは考えなくてもいいでしょう。

ただし、ワンルームマンションの売却は、マイホーム売却で使える3,000万円特別控除のような特例がないので注意しましょう。

次にワンルームマンション売却の流れを見ていきましょう。

ワンルームマンション売却の流れ

ワンルームマンション売却の流れについて以下を見てみましょう。

投資用不動産に関する売却の流れ

一般的に、ワンルームマンション売却は、準備から引渡しまでが5~6ヶ月かかります。

ワンルームマンション売却にかかる費用とは

ワンルームマンションを売却する際にかかる諸費用は下記になります。

費用の5つの項目
・司法書士への報酬
・仲介手数料
・抵当権抹消費用

・住宅ローン返済手数料
・賃貸管理やサブリース解約金
ではそれぞれ見ていきましょう。

費用1:司法書士への報酬

通常、ワンルームマンションに限らず、不動産を売却する際には、抵当権抹消手続きといった、登記に関する作業が発生します。

司法書士に依頼する人も多いので、司法書士への報酬費用を想定 しておきましょう。

相場は10,000~20,000円になります。

費用2:仲介手数料

不動産の売却が成立したときに不動産会社に成功報酬として支払う 必要があります。

法律によって上限額が決まっており、以下の通りです。

・取引価格が400万円超 : 取引価格(税抜) × 3% + 6万円 + 消費税
・取引価格が200万円超~400万円以下: 取引価格(税抜) × 4% + 2万円 + 消費税
・取引価格が200万円以下 : 取引価格(税抜) × 5% + 消費税

一般的には、買主と売買契約を結んだときに仲介手数料の半額を不動産会社に支払い、物件を引渡した際に残りの半額を支払います。

費用3:抵当権抹消費用

住宅ローンの融資がある場合、不動産を担保にした抵当権を登録しています。

売却するには、その登記を抹消する必要があり費用がかかります。

そこまで大きな費用でなく、不動産1つにつき1000円の登録免許税がかかり、登記事項証明書も取得(600円) が必要なので、

合計で2000円弱になります。

費用4:住宅ローン返済手数料

住宅ローンの繰り上げ返済する際に、金融機関に対して支払う手数料です。

手数料は金融機関によって異なりますが、おおよそ30,000円から50,000円が相場 になり、店舗でなくネットの場合は無料 である銀行も多いため、借りた銀行を調べてみましょう。

費用5:賃貸管理やサブリース解約違約金

投資用として所有している場合、賃貸管理やサブリース解約違約金を支払うケースがあります。

管理委託やサブリース期間の満了以前に解約する場合に、違約金を支払うかどうかは管理会社やサブリース会社によって異なります

管理委託契約書を確認しましょう。

 

賃貸中のワンルームマンション売却後に必要な手続きとは

ワンルームマンション売却後には特有の手続きがあります。

敷金、賃料の精算について

マイホームのマンション売却の場合、管理費や修繕積立金、前払いしている固定資産税の精算を行います。

精算とは売主が受領済みの金銭や支払い済みの金銭の負担や利益を、引渡日以降買主に移転させること

賃貸に出しているワンルームマンションでは、固定資産税や管理費等のほかに敷金、賃料の精算も必要です。

賃料は通常翌月分が当月末に支払われます。

月の途中で引渡をした場合は、売主が受領済みの賃料から、引渡日以降の賃料を算出して買主へ渡します。

また、敷金返還義務も売主から買主へ移行させる必要があります。

ただし、買主が今の入居者から新たに敷金を預かり直すようなことはありません。

通常、入居者から預かっている敷金は、売買代金から敷金の額を減額することにより引き継ぎが完了したとされます。

賃貸人の地位承継通知について

賃貸中のワンルームマンション売却は、売却後、賃貸人の地位承継通知をする必要があります

オーナーチェンジが行われることに、入居者の事前の同意は必要はありません。

ただし売却後、地位承継通知によってオーナーチェンジが行われたことを入居者に知らせる必要があります。

賃貸人の地位承継通知書には、

  • 売買によって賃貸人が変わったこと
  • 敷金の返還義務の引継ぎ完了について
  • 新しい家賃の振込先について

等を記載しましょう。

賃貸人の地位承継通知書を不動産会社で作成してもらい、売主と買主の連名で判子を押します。

売却後には賃貸人の地位承継通知を忘れないようにしましょう。

不動産を高く売るためには

続いて、不動産を高く売るためのポイントを説明します。

1.投資用マンションは入居者がいる状態で売却する

投資用マンションは入居者を入れてから売却した方が高く売れます。

空室のままの場合、賃料を低く見積もられて値引き交渉されやすくなります。

入居者がを埋めて賃料がすでに支払われている状態にして値引き交渉されないようにしましょう。

2.古い家はリフォーム後が売却のチャンス

古い家はリフォーム後が売り時と言えます。

ただし、売却のためにわざわざリフォームする必要はありません。

もともとの価格が小さいワンルームマンションの場合、想定以上に高く売れるわけではありません。

例えリフォームをしても、売却価格でリフォーム費用が回収できるとは限りません。

リフォーム後1~2年ほどで売却の機会が訪れた場合、査定時にはしっかりアピールしましょう。

ワンルームマンション売却でよくある質問

最後にワンルームマンション売却においてよくある疑問にお答えしましょう。

Q1.ワンルームマンションを売るときにやるべきことは何ですか?

まずは、査定を受ける前に相場を調べておきましょう。

相場を知ることで、ベストな査定価格を決めることが出来ます。

Q2.急に売却する必要が出来たときはどうすればいい?

転勤やそのほかの事情で急に売却が必要になった時は、買取が有効です。

ただし、買取で価格が安くなることに抵抗がある人には、一般媒介による売却もオススメです。

一般媒介では一度に複数の不動産会社に売却依頼をすることができるため、買主を早く見つけることが出来る可能性があります。

Q3.ワンルームマンションをなるべく高く売る方法は?

ワンルームマンションを高く売るポイントは、金利が安いときに売ることです。

投資用ワンルームではNOI利回りが低くなり収益価格が高くなります。

また、マイホーム用のワンルームでは住宅ローンが安くなることで購入者が増え、価格が上がります。

2025年時点では日銀によるマイナス金利政策が継続されています。

よって、2025年時点では、ワンルームマンションは売りどきです。

Q4.マンションの賃料を高く設定したいのですが?

デザイン性の高いリフォームをすることで、高い賃料で貸し出すことが出来ます

また、管理規約や使用細則を確認した上で、楽器演奏可やペット可等の付加価値を付けて賃料を高く設定しましょう。

また、リフォームしないで貸し出す場合、フリーレントを導入して賃料を高くしたまま入居者を募集することもできます。

まとめ

いかがでしたか。

この記事ではワンルームマンションにおける売却時のポイント・流れ・注意点を説明してきました。

本記事のまとめ
  • 収益物件は、マイホーム売却とは違う方法で査定額を算出するため少し低めになる
  • 今は不動産バブルなので金利が安い、価格が高騰などの理由でワンルームマンションの売却はベストタイミング
  • 【注意!】損をしないためには収益物件に強い不動産会社に査定依頼をする

この記事が少しでもあなたのためになれば幸いです。

この記事の監修者
石川 貴裕
愛知県で企業勤めをしながら、親族の不動産会社にて不動産売買を経験。自らマンションを7棟、太陽光発電を1基を所有しており、不動産売買も実体験している。現在は、合同会社ラビッツにて不動産や中古車の情報メディアを運営、企画をしている。また、数々の不動産や中古車メディアの執筆・監修を行っている。
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