火災報知器の設置は義務?消防法と条令・罰則・設置基準・設置場所の決まりと宅建業者の責任とは

投稿日 : 2019年11月28日/更新日 : 2023年06月06日

消防法ではすべての建物に対して火災報知器の設置が義務づけられています。それは公共の建物や大型施設・事務所だけではなく、個人の住宅でも同じです。

お客様が土地を購入して新築住宅を建てるときや、中古戸建・マンションを購入するときには、火災報知器の設置を忘れずにご案内しなければなりません。

今回は火災報知器の設置基準や設置場所などの決まりを確認しましょう。

 

住宅ローン業務を軽減したい
不動産事業者様はこちら
\ 住宅ローン業務を軽減したい不動産事業者様はこちら/
資料請求・お問合せはこちら

火災報知器の設置義務について

新築住宅への火災報知器設置が義務となったのは2006年の消防法改正によるものです。中古住宅に対しても猶予期間満了後の2011年以降、設置が義務づけられています。

国としての基準を満たすことはもとより、各自治体でもそれぞれの設置基準を設けていますので、それに準拠する個数の火災報知器を取り付ける必要があります。

宅建業者が不動産売買契約の前に行う重要事項説明の中には火災報知器の有無は対象項目に含まれていませんが、未設置であることを知りながら媒介した場合には、何らかの責任を追及される可能性があります。

媒介時に火災報知器設置状況を確認することも、宅建業者の重要な注意義務であると心得ましょう。

 

火災報知器未設置の住宅に対する罰則の有無

実は、火災報知器が設置されていない住宅に対する罰則はありません。そのため依然として2割近くの中古住宅では、火災報知器が未設置になっている状態です。

火災報知器が未設置の物件を媒介した宅建業者に対しても罰則規定はありませんが、前述のとおり注意義務を怠ったとして法的に追及される恐れがあります。中古住宅を売買する際には必ず火災報知器の設置状況を確認しましょう。

なお、スプリンクラーや自動火災報知設備があるマンション等の場合には個別区画内の火災報知器設置は免除されています。

 

火災報知器の設置場所

火災報知器の設置場所は、国としての規定(消防法)と自治体としての規定(条例)により定められています。どの都道府県でも共通している場所と、自治体によって異なる場所に分けてご紹介しましょう。

 

共通の設置基準

国全体の消防法で設置が義務づけられている火災報知器の場所は、寝室と寝室がある階段上部(1階の階段を除く)です。

画像引用:総務省消防庁|住宅防火関係

関連記事:火災報知器の設置基準や義務を解説|戸建や罰則、設置場所なども紹介

 

市区町村の設置場所の調べ方

自分が住んでいる市区町村の規定は、自治体が公開しているホームページなどで調べることができます。また自治体の広報誌などを使っても、広く啓蒙活動が行われています。

以下は埼玉県さいたま市の火災報知器設置場所に関する案内です。多くの自治体では、さいたま市とほぼ変わりない基準を設けています。

 

画像引用:さいたま市|住宅用火災警報器はどこに設置するの?

 

火災報知器のタイプ

火災報知器には、警報形式や感知方式の違いによりさまざまなタイプがあります。

 

警報形式による分類

  • 音(ブザー音・声)
  • 光の点滅
  • 振動

 

感知方式による分類

  • 煙感知式
  • 熱感知式

 

連動の有無による分類

  • 単独型
  • 連動型

 

火災報知器はどこで買えるか

火災報知器は家電量販店やホームセンター、インターネット通販などで市販されています。一般的な単独型・煙感知式・音による警報のタイプの火災報知器の平均価格は3,000円程度です。連動型の場合は7,000円程度となります。

また、市区町村や町会が斡旋しているケースもあり、市場価格よりも安価に購入できる可能性があります。

 

まとめ

今回は火災報知器について解説しました。

火災報知器は住む人の命と財産を守るための重要な装置です。消防法の義務だからというだけでなく、買主様を守るためにも適切な機器の設置をおすすめしましょう。

この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。