工務店としての独立と事業の始め方とは?必要な要件と準備を解説

投稿日 : 2024年01月09日/更新日 : 2024年06月06日

工務店やハウスメーカーの従業員経験をお持ちの方の中には、独立開業を考えている方もいるのではないでしょうか。

工務店の独立開業には建設業者としてのスキルはもちろん、建設業許可をはじめとした各種手続きが必要です。

今回は工務店として独立する方が知っておきたい、開業の要件や手続きの方法を解説します。

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工務店とは

工務店とは

工務店は注文住宅の設計・施工・リフォームなど、建築業務全般を手掛ける会社のことです。

具体的には産業分類として「建設業」に該当し、木造建築・鉄骨造、鉄筋コンクリート造の建築物を、新築あるいはリフォームする工事業者が「工務店」と呼ばれます。

全ての工程を自社で対応するケースが一般的で、営業から設計、施工管理など1人で行っている場合も多くみられます。

工務店とハウスメーカーの違い

工務店とハウスメーカーの仕事内容に大きな違いはありません。企業規模が大きい会社のことをハウスメーカーと呼びます。

坪単価を見ても、両者に大きな違いはありません。ただ、工務店は大手のハウスメーカーと比較してエリアを狭く設定し、地域密着型で事業運営を行うことが一般的です。

住宅の建て方に関して工務店はオーダーメイドを採用しており、顧客の要望に合わせた住宅を建てられます。一方のハウスメーカーはいくつかの間取りパターンから選択できるセミオーダーを採用するケースが多いです。

工務店の種類

ひとくちに工務店といっても、方向性によっても営業方法が異なります。

  • 独立自営:注文住宅の設計・施工、融資相談まで幅広く受け持つ
  • 施工特化:注文住宅の施工のみを請け負う
  • 下請け:大手ハウスメーカーの下請け施工をメインで行う

自由度が高いのは「独立自営」です。しがらみに縛られず、自身の意向に沿った形で工務店を運営できます。ただし、集客・営業まで自社で行う必要があるので、本来の業務に集中できないというデメリットもあります。

下請け案件なら顧客対応を行うことなく、施工に集中できるでしょう。

その代わり、ハウスメーカーの意向に沿った建築を行うため自由度は低下します。ハウスメーカーの要求を実現できる技術力も必要です。

工務店の独立方法

独立

工務店として独立する形態について、代表的なものを紹介します。

個人事業主

職人が独立するのに、一人親方になる選択肢があります。法人を設立するには会社設立の初期費用が必要になり、決算では税理士への報酬も発生します。

個人事業主ならコストをかけずに、開業届けさえ出せば業務を始められます。

一人親方として独立開業するためには、税務署に開業届を提出することが必要です。青色申告を選択する場合は3月15日まで、1月16日以降に開業した場合は事業開始から2ヶ月以内に、青色申告の手続きを行います。

法人

株式会社や合同会社として開業する方法です。個人事業主として仕事を請け負うよりも、法人として開業した方が顧客から信頼を得やすいというメリットがあります。

特に「新規開拓をして事業拡大すること」を考えている場合は、法人化をした方が有利でしょう。

フランチャイズ

本部を運営するフランチャイザーと加盟店契約を結び、加盟店となる方法です。

加盟金やロイヤリティを支払う代わりに、商標を利用してサービスを提供できるようになります。単独では開発できない画期的な商品を扱うことができ、技術や販促ツールなどの経営ノウハウを活用できる点がメリットです。

フランチャイズで開業するには、まずフランチャイザーに問い合わせが必要です。説明会が開催されるケースのほか、担当者から個別の説明を受けられるケースもあります。

工務店(一般建設業許可)を得るための要件

要件

工務店の開業に必要なものは、建設業の許可を得るかどうかで異なります。普通なら一般建築業許可を取得して工事の受注を増やす流れになるでしょう。

ここでは一般建設業許可を受けるために必要な要件を紹介します。

経営業務管理責任者

工務店は常勤役員として「経営業務管理責任者」を1名置くか、経営管理業務を適正に行う体制を作る義務があります。

経営業務管理責任者は「経営戦略の立案」「市場調査」をはじめ、会社の経営面に関連する業務全般に携わります。

経営業務管理責任者になるのに必要な要件は以下のとおりです。

1, 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者であること。

2, 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験を有する者であること。

3, 建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者であること。

引用元:国土交通省|許可の要件

専任技術者

工務店として独立するには、営業所ごとに専任技術者を置かなければいけません。以下の条件(一定の学歴・実務経験・資格取得)のいずれかを満たす必要があります。

1, 指定学科修了者で高卒後5年以上、若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者

2, 指定学科修了者で専門学校卒業後5年以上実務の経験を有する者又は専門学校卒業後3年以上実務の経験を有する者で専門士若しくは高度専門士を称する者

3, 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、10年以上実務の経験を有する者

4, 専任技術者となる国家資格を有する者

5, 複数業種に係る実務経験を有する者

引用元:国土交通省|許可の要件

自己資本金500万円以上

請負契約を利用できる財産的基礎あるいは金銭的な信用が必要です。具体的には、資産額が500万円以上になることが求められます。

貸借対照表の純資産額合計が500万円以上になっていない場合、銀行預金の残高証明書の提出が必要です。

自己資本以外の開業資金も必要

許可を得るために必要な自己資本とは別に、開業のためには資金が必要です。

事務所の物件費用、機器・什器の調達、営業車両の購入費、手元資金まで全て含めると、一般的には約2,000万円は必要とされます。

独立・開業のための資金が不足する場合は、融資や補助金を活用しましょう。日本政策金融公庫では、限度額3,000万円の融資が可能な「新創業融資」制度を利用できます。

新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方で、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方なら申請できます。

【参考】日本政策金融公庫|新創業融資制度

欠格要件に該当しないこと

建設業の許可基準には欠格要件が定められています。事業主本人はもちろん、支配人、使用人の立場の人が欠格事由に該当する場合、許可を受けることができません。

欠格要件は多岐にわたりますが、代表的なものをここで紹介します。

  • 破産者で復権を得ないもの
  • 一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
  • 営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
  • 営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
  • 建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

欠格事由の要件は多岐にわたるので詳しくは国土交通省の「許可の要件」をご確認ください。

社会保険・労災保険への加入

法人である、または個人事業主でも従業員が5人以上いる場合、社会保険に加入する義務があります。

具体的には「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」の3つです。また建築業の許可の有無に関係なく「労災保険」への加入が求められます。

建設業許可申請をする方法

建設業許可を受けるために必要な要件がそろったら、許可申請書、添付書類を作成します。

建設業許可申請に必要な書類、申請の手順は各都道府県のサイトや国土交通省のサイトからダウンロードができるので、自分で手続きすることもできます。

しかし、建設業許可申請書の他にも役員の一覧表、専任技術者の一覧表、収入印紙等の貼り付け用紙、財務諸表、工事経歴書など多くの書類を用意しなければいけません。

忙しくて手が付けられない、事務作業が苦手な場合は行政書士などの専門家に頼むことをおすすめします。

工務店の開業に必要なもの

計画

工務店の開業には実際の業務に必要な道具だけでなく、工務店を軌道にのせ、運営していくための営業戦略や体制を整えていくことが必要です。

業務に必要なもの

開業後にスムーズに業務を行うためにも、業務に必要なものは事前に揃えておきましょう。

業務に必要なものは以下のとおりです。

  • 測量機器:トランジット・レベル・トータルステーション
  • 測定機器:シュミットハンマー・コンクリート測定器・水分計
  • 法律書:建築基準法や都市計画法などに関連する法律書
  • 図書:建築工事共通仕様書・建築施工管理技術マニュアル
  • 施工管理に必要なアイテム:アプリケーション・スマートフォン・タブレット・パソコン
  • 住宅地図:住宅地図、住宅地図アプリ
  • 移動・運搬用車両:小型トラック
  • 事務所・倉庫

営業に必要なもの

受注をしっかりとっていくためには、何のジャンルで、どのようなお客様を対象した営業展開をするのかといった戦略が必要です。

営業に必要な検討事項は以下のとおりです。

  • 自社の強み、弱みの分析
  • 分析にもとづいたジャンル、対象顧客(ターゲット)の設定
  • 営業先の選定、アタックリストの作成
  • 集客方法(ポスティング・SEO対策(ホームページ)・広告・SNS他)
  • 営業サポートツールの活用

対象顧客(ターゲット)を絞りこむことで、ターゲットに合ったジャンル、広告メディアなど営業としてやるべき事が明確になってきます。

ターゲットが多くいるところに、ターゲットに特化した提案ができれば受注率アップが期待できます。

受注が見込めるようになれば顧客管理や営業管理ツールなどを活用して、業務効率化も図っていきましょう。

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住宅ローンアプリ「いえーる ダンドリ」で業務効率化

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いえーるダンドリについて詳しくは以下の記事をご参照ください。

あわせて読みたい:「いえーるダンドリとは」メリット(魅力)や評判、費用を徹底解説|住宅ローン業務をサポート

まとめ

今回は工務店として独立開業するための必要な要件、方法について詳しく説明いたしました。

工務店として独立開業する方法には「個人事業主」「法人」「フランチャイズ」などがありますが、いずれも一般建設業許可の要件を満たす必要があります。

欠格事由に該当しないことや社会保険への加入も求められるため、要件を満たすことを事前に確認してから開業手続きに移りましょう。