【2025年12月】住宅ローンの金利比較と12月のポイント

各金融機関の住宅ローン金利を比較して、今月のポイントを解説します。
直近の出来事も踏まえて、今後の住宅ローン金利の動向予想にお役立てください。
Table of Contents
住宅ローン金利比較
メガバンク
■メガバンクの特徴
圧倒的な知名度を誇る大手銀行であるため全国に支店があります。主要都市に多く、地方にいくほど支店数は減少するため、地方においては地方銀行や信用金庫の方がアクセスが良いケースもあります。
また、規模の大きさを活かした商品開発力も最大の特徴です。メガバンクは経済基盤が強く信用力も高いため、他の金融機関に比べて低い金利設定や融資額の上限を高く設定しているケースもあります。投資信託や保険商品といった総合的な金融商品を活用したパッケージ型商品を提供し多様なニーズに対応しています。対面での相談が可能なため、直接専門家と話すことができるのでネットでの手続きに不安をもっている方にとっては安心感に繋がります。
変動金利、固定金利(全期間固定型、固定期間選択型)など多様な金利タイプが提供されており、メガバンクを普段の給与振込口座として利用している場合は、住宅ローンの借入れの際に新たな口座を開設する必要がないため、住宅ローン返済管理の手間も省くことができます。

| 金融機関 | 変動金利 | 10年固定 | 20年固定 | HP |
| 三菱UFJ銀行 | 0.67% | 2.26% | 3.01% | HP |
| 三井住友銀行 | 0.595% | 2.35% | 2.90% | HP |
| みずほ銀行 | 0.775% | 2.30% | 3.10% | HP |
| りそな銀行 | 0.64% | 2.665% | 4.165% | HP |
(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください。
※先月比プラス(赤文字)・先月比マイナス(青文字)。
三菱UFJ銀行のみ(+0.075)の引き上げをしました。
全行引き上げを実施しています。
三菱UFJ銀行(+0.09)三井住友銀行(+0.15)みずほ銀行(+0.20)りそな銀行(+0.18)。
全行引き上げを実施しています。
三菱UFJ銀行(+0.07)三井住友銀行(+0.7)みずほ銀行(+1.0)りそな銀行(+0.23)。
ネット銀行
■ネット銀行の特徴
ネット銀行の住宅ローン金利は、地方銀行と比較して低く設定されていることが多いです。オンラインで手続きが完了するため、地域制限がなく全国どこの地域でも申込みをすることが可能です。WEB申込みであるため、窓口の時間を気にせず自分の都合の良いタイミングで手続きができることも特徴のひとつです。
一方で、対面でのサポートが限られるため複雑な相談や手続きが必要な場合には不便さを感じる可能性があります。金利の低さと利便性を重視する方に適していますが、丁寧な説明を求める方には不向きかもしれません。

| 金融機関 | 変動金利 | 10年固定 | 20年固定 | HP |
| 住信SBIネット銀行 | 0.698% | 1.999% | 2.589% | HP |
| 楽天銀行 | 1.00% | 2.605% | – | HP |
| イオン銀行 | 0.78% | 1.92% | – | HP |
| ソニー銀行 | 0.997% | 2.721% | 3.521% | HP |
| auじぶん銀行 | 0.834% | 1.30% | 2.71% | HP |
| PayPay銀行 | 0.63% | 1.84% | 2.59% | HP |
| SBI新生銀行 | 0.68% | 2.00% | 2.70% | HP |
| UI銀行 | 0.595% | 2.02% | 2.92% | HP |
(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください。
※先月比プラス(赤文字)・先月比マイナス(青文字)。
楽天銀行のみ(▲0.012)の引下げを行いました。
他の掲載銀行は据え置きとなっています。●10年固定
auじぶん銀行が据え置き、それ以外の銀行は引き上げを行いました。
住信SBIネット銀行(+0.14)楽天銀行(+0.056)イオン銀行(+0.09)ソニー銀行(+0.184)PayPay銀行(+0.12)SBI新生銀行(+0.1)UI銀行(+0.1)。
全行引き上げを行いました。
住信SBIネット銀行(+0.18)ソニー銀行(+0.265)auじぶん銀行(+0.14)PayPay銀行(+0.08)SBI新生銀行(+0.15)UI銀行(+0.15)。
地方銀行
■地方銀行の特徴
地方銀行は、地域に根ざした銀行であるため地域の特性やニーズに応じた柔軟な対応を可能としています。また、特定エリアでの住宅購入に対して特別な金利優遇や、地元の提携不動産事業者を利用した際の特典など、地域の振興を目的とした住宅ローンの優遇措置やキャンペーンを実施していることもあります。
地方銀行はメガバンクやネット銀行ほどの低金利商品は少ないものの、個別事情に応じた柔軟な審査を可能としていることが多いです。支店が地域に密集し地元の不動産市場にも精通しているため、対面でのきめ細やかなサポートが期待できます。

| 金融機関 | 変動金利 | 10年固定 | 20年固定 | HP |
| 横浜銀行 | 0.75% | 2.375% | – | HP |
| 千葉銀行 | 0.975% | 2.36% | 3.63% | HP |
| 静岡銀行 | 0.90% | 2.50% | 3.63% | HP |
| 筑波銀行 | 1.00% | 1.65% | – | HP |
| 北陸銀行 | 1.375% | 1.35% | – | HP |
| 福岡銀行 | 1.025% | 2.40% | – | HP |
| 南都銀行 | 0.625% | 2.25% | 3.00% | HP |
| 京都銀行 | 1.175% | 2.60% | 2.80% | HP |
| 愛媛銀行 | 0.90% | 1.45% | – | HP |
| 宮崎銀行 | 0.725% | 2.10% | – | HP |
| 沖縄銀行 | 3.325% | 4.375% | – | HP |
| 琉球銀行 | 3.325% | 4.18% | – | HP |
(掲載順不同)
※金利情報は各社HPにて最新情報をご確認ください。
※先月比プラス(赤文字)・先月比マイナス(青文字)。
南都銀行(▲0.25)のみ引下げ、他の掲載銀行は据え置きとなりました。
引き上げをしたのは横浜銀行(+0.2)千葉銀行(+0.1)静岡銀行(+0.1)筑波銀行(+0.05)福岡銀行(+0.1)京都銀行(+0.15)でした。
引下げたのは掲載の銀行では南都銀行(▲0.1)のみとなります。
北陸銀行、愛媛銀行、宮崎銀行、沖縄銀行、琉球銀行 が据え置きとなっています。
●20年固定
千葉銀行(+0.15)静岡銀行(+0.05)京都銀行(+0.15)と3行が引き上げを行いました。
南都銀行(▲0.05)は引き下げています。

12月のまとめ

住宅ローン金利に影響しそうな11月の出来事ランキング
今回は、特に銀行や市場関係者が12月の金利の動きを予測する際に「これは見逃せない」と考える3つの重要なポイントを基準に「いえーる住宅研究所」独自の視点で考察し、最も影響力が高かったと考えられる5つの出来事を分かりやすく解説いたします。
【考察】銀行および市場が重視する3つの要素
- 長期金利への伝わりやすさ(固定金利)
- 日本国債利回り(長期調達金利)に直結するかどうか。
- 政策金利への伝わりやすさ(変動金利)
- 日銀の政策金利、およびその先物市場の予想に影響するかどうか。
- 発表時期
- 12月の金利決定(通常、前月25日頃までに判断)に間に合うかどうか。

住宅ローンの固定金利は、銀行が資金を調達する際に基準とする長期金利の動きに影響を受けます。銀行は将来の金利変動を見越して国債を通じて資金を調達し、その際に国債に付く利息が住宅ローン固定金利の「仕入れ値」となります。
- 国債の値段が下がると、銀行の仕入れ値(長期金利)は上がります。
- 仕入れ値(長期金利)が上がると、住宅ローンの固定金利も上がります。
「外国人による日本国債買い増し」とありますが、正確には「市場において国債の売り注文が優勢となり、買い手が減少している状態(売り圧力)」になったことによって国債の値段が下がり、その結果として長期金利(仕入れ値)が急騰しました。
| 国債利回り | 時期 | 数値 | 経済的な意味と影響 |
|---|---|---|---|
| 10年物 | 11月20日(一時) | 1.835% | 約17年半ぶりの高水準。 銀行のメインとなる長期調達コストに直結し、短期的な金利決定に最大の影響を与える。 |
| 30年物 | 11月20日(一時) | 3.390% | 過去最高値を更新。 超長期ゾーンの金利上昇圧力が最大となり、30年固定型住宅ローンへの影響が顕著になる。 |
利回りの急騰は「外国人による買い増し」というより、財政不安を背景とした「売り」や「買い控え」によって発生しました。
投機筋は、金利上昇を予想して国債を売る「ショートポジション(売り持ち高)」を積み上げました。
| 指標 | 状況 | 意味 |
|---|---|---|
| 国債先物建玉 | 11月22日時点で、2024年9月以来の高水準まで増加 | プロの投資家が「国債の価格は下がる(金利は上がる)」と確信し、積極的に売りを仕掛けたことを示します。 |
外国人投資家や国内の銀行、保険会社といった主要な投資家グループは、国債の「買い」を極端に抑制しました。
| 指標 | 時期 | 数値 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 10年国債の買越額 | 2025年10月(速報) | わずか423億円 | 2023年10月以来の低水準。国債を買う人がいなければ、価格は下がり(金利は上がり)ます。 |

CPI(Consumer Price Index:消費者物価指数)とは、私たちが普段購入するモノやサービスの値段が、前回と比べてどれだけ変化したかを示す指標です。
| 2025年(令和7年)10月分のポイント |
|---|
物価の上昇率(コアCPI)が3.0%
参照:総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)10月分(2025年11月21日公表)」 |
日銀の最大の使命の一つは物価を安定させることで、現在「物価上昇率2%の安定的な達成」を目指しています。
今回、コアCPIが3.0%という高い水準で上昇が続いていることは、日銀が目標とする2%を大きく上回っており、日銀は次の行動を強く迫られます。
| 状況 | 日銀の判断 | 目的(効果) |
|---|---|---|
| 物価が上がりすぎている | 「金利を上げる(利上げ)」 | お金が借りにくく貯めやすくなるようにして、景気を冷やし行き過ぎたインフレを抑え込む。 |
日銀が「利上げ」を決意すると、住宅ローンの「変動金利」に直接影響します。
住宅ローンの変動金利は、日銀が決定する「政策金利(短期金利)」に連動しています。
- 日銀が「政策金利」を上げる
- ➡銀行が短期で資金を調達するコスト(政策金利)が上がる
- ➡住宅ローンの「変動金利」も上がる
今回のような「コアCPI +3.0%」という強い数字は、日銀が「次の会合で利上げを議論する」ための最重要かつ公的な証拠となります。日銀が利上げに動くことが確実視されると、「これから金利が上がる」という市場の予想(期待インフレ率)が高まり、変動金利だけでなく固定金利も上がるかもしれないと住宅ローンの金利全般(特に変動金利)の上昇圧力として作用します。

そのカギとなるのが円とドルの交換レート「為替(かわせ)」です。
アメリカには、日本でいう日銀のような役割をするFRB(Federal Reserve Board:連邦準備制度理事会)という機関があります。
- FRB、利下げは当面見送る方針
- 11/19のFRBの議事要旨において、多数の参加者(委員)が、インフレ抑制を確実にするために、年末にかけて政策金利を現在の水準で維持する(据え置く)意向を示しました。
- 意味:
- 投資家は早期の利下げを期待していましたが、今回のFRBによる金利据え置きの発表は、その期待を裏切るものでした。これにより、米国の政策金利が「高止まり(Higher for Longer)」するという見通しが市場で事実上確定したことになります。
ここで、「日米金利差」というものが重要になります。利息の低い円と、利息の高いドルがあったら、あなたならどちらにお金を預けたいですか?
| 指標 | 状況 | 相場(11月19日) |
|---|---|---|
| 日米金利差 | アメリカの金利が日本よりずっと高いままになった。 | アメリカの金利は 5% 以上で高止まり。 |
| ドル/円相場 | 投資家が高い利息がつくドルを求め、円を売ってドルを買う。 | 一時、1ドル=157円台後半まで円安が進む。 |
円安になると、日本の固定金利にどう影響するのでしょうか?
日本は、ガソリンや食料など、たくさんのものを海外から輸入しています。
- 1ドル=100円の時、10ドルの商品を輸入するには1,000円必要
- 1ドル=150円の時、同じ10ドルの商品を輸入するには1,500円必要
円安が進むと、輸入するものの値段が上がり、日本の物価(インフレ)がさらに上がりやすくなります。
物価が上がりすぎると、日銀は景気を冷やし行き過ぎたインフレを抑えようと考えます。市場の投資家たちは「日銀が金利を上げるかもしれないぞ!」と予想します。この予想だけで、銀行の固定金利の「仕入れ値」(長期金利)が、日銀が動く前に先走って上がってしまいます。
この影響もあって、11月20日には日本の長期金利が1.835%という、約17年半ぶりの高さにまで上がってしまいました。
- 米国金利の「高止まり」=円安の進行
- ➡為替相場を通じて日本の物価に上昇圧力
- ➡日本の長期金利(=固定金利の銀行の仕入れ値)が引きあがる
- ➡住宅ローン固定金利の上昇に影響
このような流れで遠いアメリカの金利が日本の住宅ローンに影響していきます。

■日銀の利上げに関する見解 ハイライト
- 小枝淳子 審議委員(11月20日)
- 場所:新潟市での講演
- キーワード:
- 金利の正常化が必要
- 主な内容:
- 極めて低い実質金利の是正が必要だが、利上げ後も緩和的な金融環境は維持される。
- コメ価格の高騰が消費に与える影響に警戒感を示した。
- 植田和男 総裁 (11月21日)
- 場所:衆院財務金融委員会
- キーワード:
- 見通し実現確度が高まっている
- 主な内容:
- 利上げ判断には、来春闘に向けた「初動のモメンタム(勢い)」の確認が引き続き最重要。
- 円安が物価押し上げ要因となり、基調的な物価にも影響する可能性に留意する必要がある。
- 増一行 審議委員 (11月21日)
- 場所:審議委員(インタビュー)
- キーワード:
- 環境は整っている
- 主な内容:
- 判断のカギとなる初動のモメンタムは、3月の春闘大勢判明を待たず、今年の12月か来年1月の会合で検討可能。
- 利上げは引き締めではなく「正常化の一環」である。
これらの発言を総合すると、日銀の利上げは春闘での賃上げ動向を待って判断される見込みで、早ければ年内12月〜年明け1月にも検討される可能性があります。

ランキングに「円安」が加わっているのは、円安が日本の長期金利(国債利回り)の上昇に追加的なプレッシャーをかけたためです。
- 円安の具体的な動き:
- 11月19日〜21日にかけ、為替相場は一時 1ドル=157円台後半(約10か月ぶり安値)まで下落
- 金利への影響:
- 円安が進む
- ➡海外からの輸入物価がさらに上昇
- ➡国内のインフレ(物価上昇)が加速
- ➡日銀が将来利上げするとの市場予想
- ➡国債の売りがさらに加速
- ➡利回り(金利)を押し上げる
- 円安が進む
住宅ローン金利は、通常、前月の中旬から下旬にかけての市場金利の動向を見て決定されます。
11月19日〜21日に発生した国債利回りの急騰は、「12月金利判断の最終的な締め切り時期」に集中して起こりました。
銀行が12月の固定金利の基準を設定する際、この国債利回り1.835%という高水準を無視することは難しく、12月の金利変動に大きく影響することとなります。

最新情報を一早くチェックしたい方は下記「登場する」からご登録ください。






