【2025年最新版】不動産業界の「課題」と、今取り組むべきコトとは!?

更新日 : 2025年02月17日

2025年不動産業界の「課題」と、今取り組むべきコトとは!?
【2025年問題】という日本社会全体の問題は、当然不動産業界にも影響を及ぼします。超高齢化社会の今、不動産業界にはどのような「課題」があるのか。そして、その「課題」にどのような取り組みをしていくべきなのか。
不動産業界の売上高や着工数など、様々な視点から業界の”今”と”これから”を考えます。

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売上高推移からみる不動産業界の今

不動産業の売上高推移と各社の売上

不動産業界の売上高推移
財務省:法人企業統計調査_調査結果(令和5年度)をもとに作成
■不動産業界の市場規模
財務総合政策研究所の調査によると、2019年の不動産業界の売上高が約45兆3,835億円だったところ、2023年は約56兆4,539億円でした。5年で約11兆704億円(24.39%)増と、直近5年の売上高でみるとマーケットの規模は増加
しています。
■業界のトップクラスの企業の売上規模
業界のトップクラスの企業の売上規模はどのくらいになるのでしょうか?
順位 会社名 売上高(2024年3月期)
三井不動産 2兆3,832億8,900万円
三菱地所 1兆5,046億8,700万円
オープンハウスグループ 1兆1,484億8,400万円
東急不動産ホールディングス 1兆1,030億4,700万円
住友不動産 9,676億9,200万円
5社合計 7兆1,071億9,900万円

出典:リビンマガジンBiz│不動産業界売上高ランキング2024年

上位5社の売上高合計は7兆1,071億9,900万円でした。これは不動産業界全体の約12.59%に相当します。
一般的に不動産業界は従業員10人未満の事業所が全体の90%以上を占めているといわれています。
残りの87.41%、約49兆3,467億円をこれら中小企業やその他大手企業により創出されています。

着工数の推移からみる不動産業界の今

減少する新設住宅着工数の推移

新設住宅着工数の推移
国土交通省:令和5年度 住宅経済関連データ「新設住宅着工戸数の推移」をもとに作成

不動産業の法人数と売上高が増加傾向にあるのに対して、新設住宅着工戸数の推移は2018年に953,000戸だったのに対し、2022年には861,000戸(総戸数)と5年間で約1万戸減少しています。
売上高・法人数からみるマーケットの拡大と矛盾するようにみえますが、増加の要因はどこにあるのでしょうか。

増加する住宅リフォームの市場規模

住宅リフォームの市場規模
国土交通省:令和5年度 住宅経済関連データ「住宅リフォームの市場規模」をもとに作成
※「広義のリフォーム」は住宅着工統計上「新設住宅」に計上される増築・改築工事とエアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入日を含めた金額をいう。
リフォーム費用は2017年に6.87兆円だったのに対し、2021年には7.64兆円と約1兆円近い需要の増加がみられます。
新設着工が減り、リフォーム需要が増加する背景にはどのようなことがあるのでしょうか?

【2025年問題】不動産業界の「課題」

不動産業の【2025年問題】

人口ピラミッド
参照:統計ダッシュボード
1947年から1949年生まれの「団塊の世代」が全て75歳以上の後期高齢者となる2025年。後期高齢者の増加による、医療・介護サービスの需要増加。それに伴う、年金・医療・介護などの社会保障費用などが増大するなど日本社会全体において、2025年は様々な問題が浮上する年といわれています。
■不動産業界【2025年】の課題
  • 人口減少と高齢化による影響
    • バリアフリー住宅の必要性が高まり、リフォーム需要が増加する。
    • 相続問題や空き家問題が顕在化する。
    • 不動産業界の従事者の高齢化と後継者不足が深刻化する。
  • 住宅ストックの老朽化
    • 1970〜80年代に建てられた大量の住宅が築40〜50年を迎え老朽化が顕在化する。
    • 耐震性や省エネ性能が不十分な住宅が増加する。
不動産業界には高齢化による住宅需要の変化や空き家といった課題が山積しています。
建設業倒産数
引用:帝国データバンク
帝国データバンクによると、2024年に発生した「建設業」の倒産(※)数は1890件になるとのことです。(※負債1000万円以上、法的整理を指す)
木材をはじめとした建築資材価格の高止まりに加え、建設現場での「職人不足」と人材の維持・確保に伴う人件費の高騰や、返済の始まったゼロゼロ融資による負担などが中小建設業者の経営を圧迫している。
引用:帝国データバンク

新設着工戸数の減少に対してリフォーム需要の増大。相対的にはプラマイゼロのように見え、売上高推移の上昇からも業界としては上り調子のようにも思えます。しかし、高齢化社会の加速により、これから益々バリアフリー住宅へのリフォーム需要の高まりが想定できるなかで、建築業の倒産社数は増加の一途を辿ります。
需要に対して供給できる人材が不足していることが目に見えて明らかです。

火災保険の【2025年問題】

2015年から火災保険の最長満期が10年と改定されました。2015年は当時10年で加入した方々が一斉に満期を迎え、膨大な更新手続きが発生するといわれています。

住宅事業者さまのなかには、損害保険募集を行っている会社も多いと思います。圧倒的な人手不足の時代において、どのような施策を打つのか。各社、重大な局面を迎えていることでしょう。

不動産業界が取り組むべきこととは?

■課題のおさらい
現在、不動産業界が抱えている課題のポイントをまとめます。
  1. 高齢化による空き家増加と老朽化、リフォーム需要の高まり
  2. 人口減少による働き手の人手不足
  3. 火災保険の一斉更新など、業務負担の増加

空き家増加と老朽化、リフォーム需要の高まりに、何ができる?

高齢化社会におけるマーケット需要の変化は、新たなビジネスチャンスと捉えることもできます。
空き家増加とリフォーム需要の増加に、どのような取り組みができるか考えてみました。
  • 事業の拡充
    • 自社でリフォーム部門を設立、または専門業者と提携をする。
    • 不動産売買、リノベーション設計、施工、資金調達まで、ワンストップサービスを提供する。
    • 見守りサービス、緊急通報システムなど、高齢者に特化した住宅サービスを提供する。
  • 高齢化に特化したサービスの提供
    • 空き家所有者に対して、活用方法の提案や相談サービスを行う。
    • 税理士や弁護士と連携し、相続対策や資産活用に関する総合的なサポートを行う。
    • 高齢者向け住み替えサポートを行う。
    • 高齢者の資金ニーズに対応するため、リバースモーゲージの提案を行う。
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60歳からの住まいニーズに応える「みずほ リ・バース60」は、60歳以上の方の『住宅ローン』!住宅市場の救世主を住宅事業者さまに知ってほしい!
  • 老朽化住宅に、省エネ化住宅へのリフォーム推進
    • 環境負荷の低い材料を使用したリノベーションを提案する。
    • 太陽光発電、蓄電池システム、ヒートポンプなどの導入を提案する。
    • 省エネ化の重要性や方法について、セミナーを開催する。
    • 省エネ化やリフォームに関する各種補助金や税制優遇制度の情報を提供する。
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《2025年 新設補助金》【子育てグリーン住宅支援事業】とは!?

働き手の人手不足と業務負担の増加に、何ができる?

業務効率を向上させ、従業員の負担を軽減することは急務ともいえます。人手不足にどのような施策を打てるのか、考えてみました!
  • 人材育成による効率化
    • 不要な業務を洗い出し、フローの最適化とマニュアル化をする
    • ナレッジの共有と蓄積を行い、新人でも迅速に業務を習得できる環境整備する
    • 経験豊富な高齢者の再雇用
  • 接客対応のシステム化による効率化
    • チャットボットによる顧客対応の効率化
    • VR/AR技術を用いた物件内覧の効率化
    • 電子契約の導入による効率化
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  • 専門業者とのアライアンス強化による効率化
    • 住宅ローン・火災保険・登記など専門事業者へのアウトソーシングで効率化

まとめ

不動産業界の展望

『課題』にフォーカスすると先行きが不安になってしまいがちですが、人がいる限りは住まいが必要で、社会活動にもインフラの整備が欠かせません。
1つ確かなことは、「不動産業界の需要はなくならない」
ということです。
帝国データバンクの「業界天気図」では、建設・不動産業界の情勢を下記のように表しています。(※更新時期:2024.7)
【2023年度】動向 【2024年度】展望
天気 ポイント 天気 ポイント
曇り
くもり
建設投資額は70兆円台への回復を見通す。受注堅調で企業業績は増収傾向も、コスト高により損益面はまだら模様。 薄日
薄日
建設投資額は増加見通し。受注環境は良好も、コスト高が続く。時間外労働時間の上限規制適用により、利益確保と働き方改革の両立が課題に。

引用:帝国データバンク「業界天気図」

社会問題に連動するように、不動産業界も高齢化と人手不足の問題が課題となりますが、マーケットとしては「建設投資額は増加見通し。受注環境は良好」となっています。将来を見据えた各社の事業展開に注目し、業務効率化、営業力の強化を図り不動産業界の中で勝ち抜ける体制を築き上げましょう!
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