2025年度【住宅ローン減税】はこう変わる!制度変更のポイント

投稿日 : 2024年12月27日

2025年度【住宅ローン減税】はこう変わる!制度変更のポイント

2024年12月22日に国土交通省から住宅ローン減税の制度変更について発表がありました。
子育て世帯への支援強化の必要性や、現下の急激な住宅価格の上昇等の状況を踏まえ、2024年度税制改正の大綱に住宅ローン減税の制度変更等が盛り込まれました。
具体的な適用時期は改正内容によって異なりますが、通常は次のような動きとなります。
  1. 12月に大綱を発表
  2. 翌年2月に国会審議し、3月に決定
  3. 4月1日から施行

早ければ、2025年の4月から変わる【住宅ローン減税】。今回はその改定ポイントを解説します!

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【住宅ローン減税】制度変更のポイント

ポイント指の画像 子育て世帯・若者夫婦世帯の優遇措置
2024年に導入された子育て世帯および若者夫婦世帯への借入限度額の上乗せ措置(1,000万円)が、2025年度も延長!
ポイント指の画像 新築住宅の床面積要件の緩和
原則50m²以上だった床面積要件が、2024年12月31日までに建築確認を受けた新築住宅は40㎡以上の住宅も対象に!(※合計所得金額が1,000万円以下の場合)

子育て世帯・若者夫婦世帯の優遇措置

子育て世帯・若者夫婦世帯の優遇措置
引用元:国土交通省

2023年12月22日の国土交通省による報道発表資料には以下のように記載されています。
○借入限度額について、子育て世帯・若者夫婦世帯が令和6年に入居する場合には一定の上乗せ措置を講ずることで、令和4・5年入居の場合の水準(認定住宅:5,000万円、ZEH水準省エネ住宅:4,500万円、省エネ基準適合住宅:4,000万円)を維持する。
引用元:国土交通省
子育て世帯や若者夫婦の住宅取得を支援することを目的として、2024年に実施した子育て世帯・若者夫婦世帯に対する借入限度額の優遇措置が延長されます。
住宅の種類 借入れ限度額 控除期間 控除率
(新築住宅・買取再販) 子育て世帯
or
若者夫婦世帯
その他の世帯
長期優良住宅*
低炭素住宅*
5,000万円 4,500万円 13年 0.7%
ZEH水準省エネ住宅* 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅* 4,000万円 3,000万円

※2023年12月22日発表の2024年度税制改正の大綱を元に作成しています。詳しくは国土交通省のHPをご参照ください。

子育て世帯・若者夫婦世帯とは
  • 子育て世帯
    • 年齢19歳未満の扶養親族を有する者
  • 若者夫婦世帯
    • 年齢40歳未満であって配偶者を有する者、又は年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者
子育て世帯・若者夫婦世帯への優遇措置が延長されることにより、対象世帯は住宅取得における経済的負担が軽減されます。また、省エネ性能の高い住宅を選ぶことが奨励されるため、環境への配慮も促進されることが期待されています。
■対象となる住宅の特徴
控除の対象となる住宅の主な特徴は次の通りです。
対象住宅の特徴
長期優良住宅 耐久性、耐震性、省エネ性に優れた長期にわたり良好な状態で使用できる住宅のこと。
認定基準には、劣化対策等級3相当、耐震等級3、断熱等性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級6、維持管理の容易性、75m²以上の住戸面積などがある。
低炭素住宅 CO2排出を抑える仕組みや設備を導入し、環境に配慮した住宅。
高い断熱性能と省エネ技術により、快適な住環境と光熱費削減を実現する住宅のこと。
ZEH水準省エネ住宅 高い断熱性能(断熱等性能等級5以上)と省エネ設備(一次エネルギー消費量等級6以上)を備え、室内環境の質を維持しながら大幅な省エネを実現する住宅。
省エネ基準適合住宅 建築物省エネ法に定められた省エネ性能基準を満たす住宅で、断熱等性能等級4以上と一次エネルギー消費量等級4以上を達成し、快適な室内環境と効率的なエネルギー利用を両立させた住宅のこと。
2025年4月から新築住宅には省エネ性能要件を満たすことが義務化される。

新築住宅の床面積要件の緩和

新築住宅の床面積要件の緩和
引用元:国土交通省
2023年12月22日の国土交通省による報道発表資料には以下のように記載されています。
○新築住宅の床面積要件を40㎡以上に緩和する措置(合計所得金額1,000万円以下の年分に限る。)について、建築確認の期限を令和6年12月31日(改正前:令和5年12月31日)に延長する。
引用元:国土交通省
2025年12月31日までに建築確認を受けた新築住宅に限り、以下の条件を満たす物件において床面積要件が緩和されます。
床面積の緩和要件
  • 合計所得金額が1,000万円以下であること
  • 床面積が40m²以上50m²未満であること

原則として、住宅ローン減税の対象となる住宅の床面積は50m²以上ですが、この緩和措置により都市部の小規模住宅や単身・少人数世帯向けの住宅購入を促進する効果が期待されています。

贈与税の非課税措置の変更ポイント

ポイント指の画像 受贈に係る適用期限を3年間延長
受贈に係る適用期限が3年間(2024年〜2026年)延長されます。
ポイント指の画像 非課税限度額の上乗せ要件が変更されます!
「良質な住宅」に対する1,000万円の非課税限度額の上乗せ要件がZEH水準に!

受贈に係る適用期限を3年間延長

受贈に係る適用期限を3年間延長
引用元:国土交通省
住宅取得環境が悪化する中、住宅取得に係る負担の軽減及び良質な住宅の普及を促進するため、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等を3年間延長する。
引用元:国土交通省
適用期限の延長
  • 受贈に係る適用期限が3年間延長されます。
  • 新たな適用期限:2024年から2026年(令和6年から8年)まで。

非課税限度額の上乗せ要件が変更されます!

基本的に年間110万円までの贈与が非課税となりますが、住宅取得等資金の贈与に関しては特例が設けられています。
住宅取得等資金の贈与に関する非課税限度額は以下の通りです。
住宅の種類 床面積
質の高い住宅 一般住宅
1,000万円 500万円 50㎡以上

※合計所得金額が1,000万円以下の受贈者に限り、40㎡以上50㎡未満の住宅についても適用。

非課税限度額が1,000万円となる質の高い住宅とはどのような住宅をさすのでしょうか。
改正前と比較してご説明します。

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質の高い住宅の要件
【新築住宅】 改正後 改正前
断熱等性能等級 5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上※ 4または一次エネルギー消費量等級4以上
耐震等級 2以上または免震建築物 2以上または免震建築物
高齢者等配慮対策等級 3以上 3以上
【既存住宅・増改築】 改正後 改正前
断熱等性能等級 4または一次エネルギー消費量等級4以上 4または一次エネルギー消費量等級4以上
耐震等級 2以上または免震建築物 2以上または免震建築物
質の高い住宅 3以上 3以上

※2023年末までに建築確認を受けた住宅又は2024年6月30日までに建築された住宅は、断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上

主な変更ポイントは「断熱等性能等級」となります。従来の制度では「断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上」でしたが、今回の変更により「断熱等性能等級5または一次エネルギー消費量等級6以上」となりました。

また、親の年齢が60歳未満であっても相続時精算課税制度を選択できる特例措置についても、3年間延長されます。

リフォームに係る所得税の特例措置の変更ポイント

ポイント指の画像 適用期限の延長
現行の措置を2年間)延長!
ポイント指の画像 子育て世帯・若者夫婦世帯向けの新設!
子育て世帯および若者夫婦世帯が行う「子育てに対応した住宅へのリフォーム」が新たに特例措置の対象に!

適用期限の延長

適用期限の延長
引用元:国土交通省
「令和6年度住宅税制改正概要」既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充・延長(所得税)にはこのように記載されています。
既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化リフォームに係る特例措置を2年間延長するとともに、こども・子育て政策の抜本的強化に向けて、「こどもまんなかまちづくり」を推進するため、子育てに対応した住宅へのリフォームに係る所得税の特例措置を新たに講じる。
引用元:国土交通省
「令和6年度住宅税制改正概要」既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充・延長(所得税)にはこのように記載されています。
適用期限の延長
  • 既存の特例措置(耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化リフォーム)の適用期限が2年間延長されます。
  • 新たな適用期限:2025年(令和7年)12月31日まで。

子育て世帯・若者夫婦世帯向けの新設!

子育て世帯や若者夫婦世帯が子育てに適した住宅環境を整えるためのリフォームを行い、2024年(令和6年)4月1日から12月31日までに居住を開始した場合に、税制優遇が受けられるようになります。
税制優遇
  • リフォーム工事費用(上限250万円)の10%を所得税から控除。
  • 最大25万円の税額控除が可能。
対象となるリフォーム工事は次のようなものが挙げられます。
  • 子どもの事故防止のための工事
  • 対面式キッチンへの交換
  • 防犯性を高める工事
  • 収納設備の増設
  • 防音性を高める工事
  • 一定の間取り変更工事
対象リフォーム工事
※4カッコ内の金額は、太陽光発電設備を設置する場合
引用元:国土交通省

この特例措置の導入により、子育て世帯や若者夫婦世帯の居住環境改善を支援し、既存住宅のリフォームを促進することが期待されています。

まとめ

税制改正大綱の内容は国会での審議過程で変更や中止になる可能性もあるため、最終的な適用時期は政府や関係機関からの正式な発表を確認する必要がありますが、早ければ2025年4月から新制度が適用されます。
2024年度税制改正は「急激な住宅価格の上昇」や「子育て世帯への支援強化」に焦点を当てた改正内容となっています。
控除の有無は、資金計画にも大きく影響するので該当のお客様へ適切な案内ができるよう、今からしっかりと把握をしておきましょう!

※本制度の内容は予算成立が前提です。国土交通省サイトより最新情報をご確認ください。

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