不動産営業でVRを導入するメリットとデメリット、活用事例を紹介

投稿日 : 2022年07月29日/更新日 : 2022年08月11日

VRを体験する人

近年はゲームや動画だけでなく、ビジネスの世界でも広がりを見せているVR(バーチャル・リアリティ)。不動産業界でも導入する企業が増加しています。

お客様は物件を探すときに「時間をかけたくない」「できるだけ多くの物件が見たい」というニ希望を持っています。従来の方法では難しかったものが、VRを使えば効率的にできるようになっています。

今回は不動産営業にVRを導入するメリット・デメリット、おすすめのサービスを解説します。

不動産売買の「VR」とは

VR体験

VRは「バーチャル・リアリティ」の略称で、コンピュータやCGを用いて行う「疑似体験」のことです。日本語では仮想現実とも呼ばれます。

VR機器を使用することで、仮想的に作られた世界を見回したり、その中で歩いたりといった疑似的な体験が可能です。

登場した当初のVRはゲーム画面や動画を見るためのツールとして利用されていました。

近年ではVR技術の発達により、エンターテイメント以外のところでも活用されるようになっています。

その最たる例が「ビジネス」でしょう。VRを使った営業が進化を続けており、不動産も例外ではありません。

マンションなどの「内見」は、従来なら現地に行くしか見学する手立てがありません。また予約が必要など時間的な制約もあります。

VRを使えば、顧客は現地にいくまでもなく物件を見ることができるようになるわけです。

VR内見のツールとしての活用が可能

VR内見では、あたかもそこにいるかのように部屋を360度にわたって映し出すことができます。

物件を3Dで再現することで外壁や内壁の色を変えることも簡単です。

VRカメラは通常のカメラよりも現実に近い映像が提供されるため、より臨場感あふれる内見ができます。

不動産営業にVRを導入するメリット

不動産営業にVRを導入するメリットは以下のとおりです。

業務効率アップ

VRに導入でもっとも大きなメリットの1つは「業務効率のアップ」です。

たとえば「物件への訪問」「物件への移動」の省略できる点があります。

決められた場所・時間で内見する必要がなくなるため、不動産会社としても現地まで営業マンを派遣する必要がなくなります。

移動時間がかからないことで別の業務に集中することができ、人件費の削減に効果的です。会社としても交通費の支払いが不要になるため、経費節約につながります。

お客様と物件のミスマッチ予防

また、お客様と物件のミスマッチを未然に防ぐこともできます。

本物の内見前にVRで見てもらえれば、顧客のイメージと合わない場合は内見前に別の物件を探すことになります。

「現地に内見にいったら希望するものではなかった」というミスマッチを防ぐことができ、営業マンとしても見込のない内見をせずに済みます。

集客力アップ

VRによる内見は、2021年現在でも新しい技術です。VRを導入したという事実そのものが、集客力アップにつながる可能性があります。

VRの技術を体験してみたい人に「VRですぐに内見が可能」と訴求すれば、関心を集めるのに効果的です。

さらに、WEBのアクセス時間が長くなることもメリットです。

WEB上でVRをじっくり見てもらうと、単に図面を見るよりもWEBサイトの滞在時間は長くなるでしょう。

Googleなどの検索順位を上げるためのポイントとして「WEBサイトの滞在時間」が効果的とされています。

VRを楽しむ人が増えることで平均の滞在時間が増え、検索順位に良い影響を与える可能性があるわけです。

成約率の向上

顧客はVRを使うことで、時間的な制約を気にせずに好きな時間に好きなだけ物件を内見できます。

移動や予約の必要がないため、多数の物件を短期間で見て回れるようになります。時間短縮によって物件を紹介する件数が増えれば、成約率のアップも期待できるでしょう。

新型コロナウイルスの対策につながる

2020年から猛威を振るっている「新型コロナウイルス」の対策として、接客や営業の仕方が対面から非対面に変化しています。

狭い空間に長時間滞在する内見は感染リスクが高まる可能性があり、お客様に敬遠されがちです。

そこで活躍するのがVRです。

VR技術はデータによって視覚を提供するため、本当に現地に集合する必要はありません。営業マンは離れた位置から顧客の案内ができます。

新型コロナウイルス対策として、顧客にとっても営業にとっても都合がいいのです。

空室対策にもつながる

VRを使わない従来の内見の場合、従来の入居者がいる時点では内見ができません。

退去して部屋を綺麗にしてから内見を始めるわけですから、どうしても退去から次の入居まで時間がかかります。

VRを駆使することができれば、まだ入居者が退去しないうちから室内を見ることが可能です。

次の入居者が決まるまでの期間が短縮され、空室対策にも効果的です。

不動産VR導入のデメリット

メリットを確認したところで、デメリットはどんな点が考えられるでしょうか。

VRでは物件内の全ては確認できない

VRの際たるデメリットは、物件内の状態の全てを再現できるわけではない点です。

たとえば中古物件でフローリングに傷がある場合、VRではそこまで細かな部分は再現できません。

そのほか「騒音」「日当たり具合」「備え付けの家電の調子」なども、再現には限界があります。

家具の配置についても画面で行うこともできますが、実際に肌で感じるものと異なる場合もあります。

細かな情報に関しては、やはり実際に見てみる方が早いでしょう。

また物件の周辺環境についても同様で、VRでは再現できません。

閑静な住宅街なのか、近くに川が流れているか、商店街は近いか、道路の状態はどうかなど、周辺状況はやはり現地に赴いて確認するしかないでしょう。

VR酔いの可能性も

クルマ酔いの程度が異なるのと同様、人によっては「VR酔い」の可能性があります。酔うまではいかなくとも、重さや圧迫感を感じて披露してしまうことは考えられます。

ゴーグルをつけてもらうタイプの場合、営業はお客様の状態に気を配ることも大切です。

ゴーグル以外にパソコンやタブレットで閲覧できるようにしておくと、もしお客様が酔った場合にもスムーズに案内ができます。

不動産営業のサービスとVR導入事例

街並み

不動産業界でのVRサービスと導入事例を紹介します。

不動産VR

不動産VRは、CGに特化したVRコンテンツ作成できるツールです。

CGを駆使して完成前の建物内部を見て回ることができます。

さらに、物件画像に手を加えられる2つのサービスもあります。

  • かぐおくん
  • けすよちゃん

「かぐおくん」というサービスを利用することで、画面上に家具を設置してみることが可能になります。

逆に「けすよちゃん」を利用すると、CGを駆使して中古物件の残置物を取り除くことが可能です。

会社名 株式会社VR
住所 横浜市西区高島2-11-2スカイメナー横浜2F
サービス名 不動産VR
料金 内外観パターン:560,000円

外観のみパターン:140,000円

かぐおくん:9,800円

けすよちゃん:9,800円

ナーブクラウド

ナーブクラウドは、賃貸管理・仲介会社向けのVRサービスです。

お客様は不動産会社のWEBサイトで「接客開始」のボタンを押すだけで、好きなタイミングで家探しなどの相談が可能です。

「ナーブオンライン」というサービスではお客様のアプリインストールなし・会員登録不要で物件の360度画像を表示させられます。

お客様は見たい箇所を自宅で自由に閲覧でき、不動産会社はお客様の興味がある部分を把握できることで成約率アップに期待が持てます。

会社名 株式会社ナーブ
住所 東京都港区赤坂6−1−20国際新赤坂ビル西館B1階
サービス名 ナーブクラウド
料金 非公開
設置事例 MARK IS
セブンイレブン
イオンモール など

ナーブクラウドの導入事例

ナーブクラウドの導入事例は公式ホームページで詳細に紹介されています。

たとえば「ウィズホーム株式会社」

ナーブのVR住宅展示場を通じて成約に成功、これまでと違った客層との接点をもてるようになっています。

図面のうえでは分からない部分を排除する意味でも、VRの活用は重要というコメントも読むことができます。

参考:株式会社ナーブ|実績紹介

Spacely

Spacely(スペースリー)は、360度のVRコンテンツを作成できるクラウドソフトです。

パノラマ写真を撮影してクラウドにアップロードするだけで、滑らかに動くVRを作成できます。

撮影機材やカメラなどを選ばず、AIによる画質調整機能も付帯しています。

2週間のトライアルも実施しているため、気になる場合は試してみることをおすすめします。

会社名 株式会社スペースリー
住所 東京都渋谷区渋谷3-6-2 第2矢木ビル3F
サービス名 スペースリー
料金 パーソナル:4,980円/月(〜200枚)

ビジネス:24,000円/月(~1,500枚)

プレミアム:42,000円/月(~1,500枚)

導入事例 パナソニックホームズ株式会社
東急不動産
三菱地所プロパティマネジメント株式会社
東京建物 など

Spacelyの導入事例

飯田グループホールディングスが手掛ける販売専門会社ホームトレードセンター株式会社でもスペースリーを導入しています。

関西のリクルート営業担当から紹介された「コロナ禍での非対面接客について」という企画書でVRという存在を知ります。

数ある中でスペースリーを選んだのは「360度カメラがあれば撮影からコンテンツ作りまでが楽」「1物件作るのに1時間あればこと足りる」という気軽さが決め手でした。

非対面接客の推進を企業のブランディングとして活用を進めていくようです。

参考:Spacely|事例検索

まとめ

今回は不動産営業にVRを導入するメリット・デメリット、おすすめのサービスを解説しました。

VRを駆使することで「入居者が退去しないうちからの内見が可能」「現地に行かずに自宅で物件が見られる」など、お客様にとって多くのメリットを提供できます。

不動産会社にしても「営業効率アップ」「成約率アップ」「集客アップ」などにつながる魅力的なサービスです。

新型コロナウイルス対策も兼ねて、VRサービスの導入を検討してはいかがでしょうか。

kobayashi この記事の監修者:小倉 大将
「いえーる 住宅研究所」編集長
学生インターン期間を経て、新卒一期生としてiYell株式会社に入社。開発マネジメント部門・メディア事業部門を経験し、入社2年目にして「いえーる 住宅研究所」の編集長に異例の抜擢を果たす。現在、同メディアを不動産業界のDX推進の一翼を担う媒体とすることをミッションに、日々業務に励む。
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