宅建合格はすごい!その理由と一発合格のコツを紹介
不動産会社の会社員や学生に注目されている国家資格の1つが「宅建(宅地建物取引士)」です。インターネットの口コミを見てみると「難関資格だ」といった声もあれば「思ったより簡単だった」という声も見つかります。
「宅建の資格がすごいか」は分かりづらいものですが、宅建(宅地建物取引士)の試験合格は率直に「すごい」といえる快挙です。
今回は宅建資格に合格することがなぜ「すごい」のかを解説します。
宅建の合格が「すごい」と言える理由
宅建の合格がすごいと言える理由を3つご紹介します。
合格率は約15%!8~9人に1人しか受からない
宅建の過去の合格率は以下のとおりです。
実施年度 | 申込者数(名) | 受験者数(名) | 合格者数(名) | 合格率 | |
---|---|---|---|---|---|
宅地建物取引士試験 | 令和3年度[10月] | 256,704 | 209,749 | 37,579 | 17.9% |
令和2年度[12月] | 55,121 | 35,261 | 4,610 | 13.1% | |
令和2年度[10月] | 204,163 | 168,989 | 29,728 | 17.6% | |
令和元年度 | 276,019 | 220,797 | 37,481 | 17.0% | |
平成30年度 | 265,444 | 213,993 | 33,360 | 15.6% | |
平成29年度 | 258,511 | 209,354 | 32,644 | 15.6% | |
平成28年度 | 245,742 | 198,463 | 30,589 | 15.4% |
出典:資格の学校TAC|宅建の合格率は?出題範囲や難易度を解説!
試験の実施年度に応じて合格率は異なるものの、おおむね15%程度の合格率で推移しています。
15%という数値は難関国家資格と比べると高くありません。参考までに社会保険労務士(社労士)の合格率は6~8%程度です。
それでも8~9人に1人しか合格できず、受験生の大部分が落ちる事実を考えると合格は「すごい」と断言できます。
関連記事:宅建の合格率が低い理由は何?関連資格との難易度も比較
行政書士や税理士と同じ「士業」の仲間である
宅建士は以前まで「宅地建物取引主任者」という名称でしたが、平成27年度の宅地建物取引業法の改正で「宅地建物取引士」に名称が変更されました。
弁護士、司法書士、社労士、行政書士とならぶ、いわゆる「士業」の仲間入りを果たしました。
士業には、国内でも有数の難関資格がずらりと並んでいます。それらと肩を並べた宅建士の資格を取ることは、すごいことです。
独占業務がある
宅建に合格すると、不動産取引に関する独占業務に携わることができるようになります。
- 重要事項説明
- 重要事項説明書(35条書面)への記名・押印
- 契約書(37条書面)への記名・押印
賃貸の部屋を借りる際に担当者から宅建の有資格者にバトンタッチして、重要事項説明を受けたことがある方もいるのではないでしょうか。
重要事項説明は宅建士しかできない独占業務です。宅建士以外の方が行うと法律違反にあたります。
宅建と同等かそれ以上の難易度の国家資格に「1級FP技能士」「中小企業診断士」などがありますが、これらは名称独占資格であって独占業務がありません。
給与アップも期待できる
宅建士のすごいところは、仕事の種類によっては収入アップにつながることです。
不動産関係の会社の多くは宅建士の資格を保有している方に「資格手当」を支給しています。
資格手当の金額は会社によってさまざまですが、相場は2~3万円程度です。資格を持っているだけで年収が24~36万円アップするのですから、非常に大きいメリットでしょう。
36万円ともなると、他の社員より1回ボーナスが多くもらえるようなものです。
これだけの高待遇を得られる宅建士の資格は「すごい」といえます。
資格取得のメリットは以下の記事を参照ください。
あわせて読みたい:不動産の営業マンに役立つ宅建士とは?【資格が人気の理由3選】
宅建合格を大学の偏差値に例えると?
資格試験の難易度を検索すると、ひんぱんに「偏差値」という言葉を見かけることがあります。資格の難易度を偏差値にすることでイメージしやすくする狙いがあるのでしょう。
ただ、大学入試の大変さと一概に比べることはできません。あくまでもひとつの目安として、宅建の難易度を大学の偏差値で比較すると以下のとおりです。
偏差値 | 資格 | 大学のイメージ |
77 | 司法試験・公認会計士・国家総合職 | 東京大学・京都大学など |
75 | 司法書士・税理士・不動産鑑定士 | 一橋大学・大阪大学など |
62~67 | 社会保険労務士・中小企業診断士・行政書士・国家一般職・土地家屋調査士 | 信州大学・大阪市立大学・広島大学・奈良女子大学・東京芸術大学など |
57~60 | 宅建士・1級FP技能士・管理業務主任者・通関士 | その他の大学(富山大学、近畿大学、日本大学など) |
宅建を大学偏差値に例えると、日本大学などが該当します。似たような難易度には「1級FP技能士」「管理業務主任者」があり、難関資格としては難易度が低めです。
とはいえ、合格率15%の難関資格であることは変わりません。しっかり勉強しないと合格できないレベルの資格です。
大学生が宅建を取ることはすごい大変?
宅建士を狙うのは社会人だけではありません。就活対策として、大学生が学習することもあります。
大学生が宅建を取得するのは大変なことですが、決して不可能ではありません。
夏休みに本気で学習すると合格が近づく
大人を含めても15%の方しか取得できない宅建士は、実務経験に乏しい学生にとっても難関であることに変わりはありません。ただし、学生は社会人にはない「長期休暇」という強力な武器があります。
夏休みなら40日、冬休みや春休みでも2週間以上の休みが用意されているのは学生ならではの特権です。
この時期に本気で勉強に取り組むことで、合格に一気に近づくでしょう。
宅建合格までに必要な学習時間は約300時間と言われています。1日10時間の勉強ができれば30日、1日8時間でも37.5日で300時間に達します。夏休みだけで合格圏内まで行ける計算です。
10時間の勉強は大変です。ただ、大学生なら受験生時代を思い出せば不可能ではないでしょう。食事の準備や洗濯などの家事も両親に任せられる環境なら、決して無理な計画ではありません。
就職活動の強力な武器になる
宅建は就活の際に強力な武器になります。不動産の専門知識を持っていることを証明できるためです。
学生が取得する資格としては「英検」「TOEIC」「簿記」などがありますが、多くの受験生が当たり前に持っているレベルだと差別化が難しいです。
その点、宅建くらい難易度が高い資格であれば他の受験生と十分に差別化できるでしょう。能力や勤勉性の高さを示すこともできます。
宅建に一発合格する、すごい人の特徴
宅建は決して簡単な試験ではありませんが、中には一発で合格するすごい方もいます。
ここでは宅建に一発合格できる方の特徴を解説します。
教材は統一する
「TAC」や「LEC」など、大手が出版している教材はいくつもあります。ただ、あれこれと教材を変えてもあまり意味はありません。
テキスト部分の読みやすさは教材ごとに異なるので、最初に自分に合う教材を吟味することは重要です。そのあとは他の教材を試すことはせず、何回も読み返して同じ問題集をひたすら反復しましょう。
テキストが気に入らないからと何度も本屋に足を運ぶ時間を勉強に充てたほうが、合格圏内まで近づけます。
スキマ時間に少しずつ学習する
社会人は学生と比べてまとまった学習時間を取りにくい欠点があります。休日に学習しようとしても、平日に残してしまった家事や仕事などもあります。1時間単位で勉強できない方も多いでしょう。
そんな方が宅建の資格に合格したいなら、ちょっとしたスキマ時間を効率的に使うことが大切です。
「トイレに入っている5分」「通勤で電車に乗っている20分」といった具合に、手が空いているスキマ時間を有効に活用しましょう。多忙でも合計で1時間以上の勉強ができるようになります。
自分に最適な学習スタイルを持っている
宅建の学習スタイルは大きく分けて「独学」「通信講座」「通学講座」の3つがあります。
どのスタイルでも合格するかどうかは分かりません。独学で合格できる方もいれば、有料の通信・通学講座でも落ちる方はいます。
大切なことは、お金をかけることではありません。自分の性格や仕事の忙しさなどの環境から、最適な学習スタイルを選択することです。
宅建などの難関資格に一発合格できる方は、自分に合った学習スタイルを確立して効率的に学習しています。
まとめ
今回は宅建資格に合格することがなぜ「すごい」のかを解説しました。
宅建は合格率約15%と低めに設定されていて、受験者の大半が落ちる試験です。300時間とも言われる学習時間を捻出するのが高いハードルとして立ちはだかります。
合格することは十分に「すごい」と言えるでしょう。
ただ、絶対に受からない試験ではありません。自身の受験スタイルを確立させて学習すれば、合格は十分に可能です。